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だまになってしまったその、ゆうぐれをまとめながら
左手の指輪で料理を作っているママが
味見したものはすごく
寝ぼけた味でなまぬるかった

あたしがママのすみっこで
ため息をつきながら、ぱん ....
ピンク色の
豚を飼っていた
あのころ
わたしたちはいつも
豚のことで
毎日のように罵りあった

朝も昼も晩も夜中も
ブゥブゥ鳴いた
楽しいときも
深刻に話しあうときも
寝ていると ....
指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて 
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
 ....
S…、という
微かな子音
の、雨の群れ
の、中


鼓膜に触れるそれ以外は幻聴だと
どこかで知っていたのに
この視線が向かってしまうのは
桃、という発音の


 ....
船がゆっくりと流れていきました

振り返ると瀬は遥か遠くなり、手の平に乗るほどでした
瀬には重いものを全てを置いてきました
軽い思い出なんかは頭に入っていたので、置いてくることはしませんでした ....
「私には何もない」と絶望して言う君には
「私には何もない」という言葉がある
なんて言葉の綾取りよりも、
ずっとずっと大切な夕食が君には残っている
君のために飛び切り美味しいパエーリャを僕が作る ....
こんなに良い日の最後
洞穴からサンショウウオが顔を出す
夢を見て
最後にとても幸せな
エンディングシーンのはずが
わたしが「これは夢だ」
と気がついたとたん
ダメになる
今朝も電車の中で
僕はすし詰め
くたびれた背中のお米達に
すき間なく囲まれて
まぐろの気持が少しわかった

目を閉じると
あのきれいな木目の板へと
運ばれてゆくのを感じる

「 ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる

新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る

夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
傷つくほどに赤は流れ

与えることなく緑は枯れて

見上げることを忘れ青は沈んだ


いろいろを手放しても透明は訪れず
白い紙に黒い文字を並べれば


溶け出した灰色に
埋もれ ....
煙る空の
灰の深く
空は、どこか深くに
航空機を押し殺している
その、灰色の腸の痛みが
低音部に、轟く


その下で
タンポポを
想像妊娠した人たちの衣服だけが
黄色 ....
Blue Sky
僕らが愛と呼ぶもののすべてが真実でありますように
僕らの幸せが誰かの不幸のおかげでありませんように

僕らのパズルはこんがらがっていつまでも解けない
このまま解けな ....
  {引用=今も変わらずに花の名である人へ}


  きっと気紛れに入れたのでしょう
  桜の花びらが
  はらりと、
  不意に零れ落ちたので
  もうどうしようもなく立ち尽くしてしま ....
荒れ野が荒れ野に流れ込み
丘の上の空へと打ち寄せている
冬に冬が接ぎ木され
咲く花は記憶の色をしている


脚から生まれた羽を育てて
小さな小さな双つの稲妻
夜の窓 ....
鈍く光る銀色のドアノブをひねり
といれに入ると
窓辺にはうす桃色の{ルビ薔薇=ばら}が咲いていた

水色のすりっぱには
背中合わせのふたり
男の子は贈る花を背に隠し
女の子は四葉のクロー ....
優しく濡れていた
公園の池が凍りわたるという法則を
冬だから寒いのは当たり前でしょうと片付けた母の
手の平の保温性が
今も強く、わたしの身体へと、わたしの眼へと
柔らかいままの金 ....
逆立ちしてもできるんだと
空に向かって股をひろげたその子は
倒れたあと少し悔しがり
今度は大の字になって
世界に向けて発信中と叫ぶ

その子は誰にでもピースする
やめなさいと言いたくなる ....
「風の強い部屋」でした
後から後から津波のように
強い風が吹き寄せてきて
カーテンも
ソファも
窓も
床も
天井も
何もかも吹き飛ばして
部屋はなくなってしまいました
「風の強い部 ....
私は眠る
掛け蒲団の左右を身体の下に折りこみ
脚をやや開きぎみにし
両手を身体の脇にぴったりとつけた
直立不動の姿勢で
寝袋にくるまる旅人のように
防腐処理を施され
身体中を布で巻かれた ....
窓を滑る川底に動けぬ魚がいる

空をうかがう眼を光らせても
端々に歪みを見ては現実は遠い
瞳のうろこを剥ぎ
平坦な眼差しで形をとらえよ

朝日は白くひるがえり
刻々と景色をめくりながら ....
雨の粒たちが描く
池の波紋を見ながら
保育園からの帰り道
娘は赤い小さな傘をさして
唇をぎゅっと結んで

最近、娘の話題といえば
明日の遠足のことばかり
弁当のおかずの注文 ....
よる は ふしぎ
いえないことが
するん、と
すべり おちる

よる の ふしぎは
あまり しられてないし
おしえて あげられない
ひみつを しりすぎると
あさに かえれなく ....
風が 開いた

土の 群れ
巻かれて
上がる

梳いた


はぐれゆく
胸に

破 削り

天陽
流し込む
染み一つ無い真白な紙を埋め尽くす
白い詩の燃え尽きた詩人よ
家中のペン先が折れ曲がる筆圧で
描く 角張った情景
放り出した原稿のマス目から
飛び出す遊び文字を拾い集めて
茹で上げる アルフ ....
朝 起きてくると
窓越しに
遅く咲いた百合の花があって、
君はガラス越しにそれを見ていた
こちらを振り向くこともなく

 台所では
 しじみが口をあけてことりと音をたてる

僕は煙草 ....
何もかも傾いている
時間にもたれかかっている

不安なのだ

矢印を明日に向け
地に足をつけば斜めになる

上り坂の頂上に
日が昇るのを待ち

やがて

ビルとビルの間から
 ....
欠けた爪先の叙情


カップ半分のコーヒーから蒸発したのは
週末の流星



ハンカチーフ
スウィートキャンディ
ハイソックス
リップクリーム
カンバス



おま ....
さくさくと軽い音をたてながら
生きものたちの影を求めて歩きました
胸いっぱいの冷たい空気を吐き出せば
白いけむりの中に春が見えないかと
苔にすべってつかまった木の肌は
渇いた鱗のように剥がれ ....
ふにゃふにゃと
スローモーションで歩いてきた女の人は
いつも穏やかに笑っている友達
「こんにちは」
ふわふわと歩いていった彼女は
ちょっと上等な画用紙くらいの厚みしかなかった

辺りを見 ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
霜天さんの自由詩おすすめリスト(1528)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ママはたぶんこの先で- みい自由詩12*05-3-4
わたしたちの豚- アンテ自由詩5*05-3-4
さそりの心臓- ワタナベ自由詩3105-3-3
幻想的な発芽- A道化自由詩805-3-3
真昼間に航海を- ふく自由詩9*05-3-2
ラ_パエーリャ_パラ_マニャーナ(明日のためのパエーリャ)- Tsu-Yo自由詩605-3-2
こんなに良い日の最後- チアーヌ自由詩905-3-1
すし詰め- 服部 剛自由詩11*05-2-28
滑らかに廻り続ける欲望の輪- 大覚アキ ...自由詩126*05-2-27
- ベンジャ ...自由詩705-2-27
色彩冷戦- A道化自由詩705-2-26
Blue_Sky- たもつ自由詩1405-2-26
桜便箋- 嘉野千尋自由詩13*05-2-25
連窓歌- 木立 悟自由詩405-2-25
といれのかみさま- 服部 剛自由詩6*05-2-24
冬の履歴書- A道化自由詩6*05-2-24
ピースする- ベンジャ ...自由詩8*05-2-23
風の強い部屋- 大覚アキ ...自由詩405-2-22
夜毎の木乃伊- 岡部淳太 ...自由詩11*05-2-22
境界線- ベンジャ ...自由詩4*05-2-21
願い- たもつ自由詩1005-2-20
よる_の_ふしぎ- 玉兎自由詩1005-2-20
きざし- 砂木自由詩7*05-2-19
雪紙マイナス五度上の白詩人- 千月 話 ...自由詩8*05-2-19
蛍光灯がきれて買いに行く日- 浅見 豊自由詩9*05-2-19
垂直になる- ベンジャ ...自由詩14*05-2-18
土はぬれている- オオカミ自由詩605-2-18
二月の森- ベンジャ ...自由詩7*05-2-17
猥雑な日々- 初代ドリ ...自由詩4*05-2-17
サイレン- たもつ自由詩3605-2-16

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