宇宙に開かれた水の滴
表面張力によって浮かぶ
塵芥の島嶼の一部の
寄生する細菌細菌
細菌が人生


泥の堆積/火の木端/夢に沈む
雲の破片の沈殿物
屋敷の塀の高さに隠された
思い出 ....
最近自分の影を投げ捨てる人が多いと聞きます

一度投げたら最後、もう死ぬまで影はなくなるそうです

自分の体全体がぺりぺりかさぶたをとるような感覚であり

それはもう快感を越えたものである ....
夢の中で誰かの手が伸びてきて

グルグルグルグル

ねじまわしの音
目が覚めて
鞄を持ちながら
あっちの会社こっちの会社

くるくるくるくる

回って回ってときたま鞄を叩いてチャ ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ

だいだい色の満月
あたたかさ ....
魚影のない河川
子どもの工場見学
秋空にぎんぶち眼鏡のつがい
おとなの暗い話題
 
人のかたちを真似るビルと
ビルのかたちを真似る人
沈む色紙の太陽
三角座りのキリ ....
熱はこぼれて
空をはらした

おたがい無傷で
うしろめたくて

喚く代わりに
熱をこぼして

空はみだれて
少しにごった
灰色の 空
圧力釜の 蓋
沸きかえる 想い
人々はみんな 煮崩れていった
友達と遊んで別れてひとりきり
空はとっぷりと日が暮れて
すっかり遅くなった帰り道

お家に帰りたくないよう
きっとお{ルビ継母=かあ}さんに叱られる
きっとお{ルビ継母=かあ}さんは怒って ....
咲いたあとのしなびたアサガオ
ひらひらとゆれる紫のスカート

ただ今はパンをたべる
わたしは夜が明けたのでたべる

すー とする空気
誰かのたんじょうび

そのことばのままに
手を ....
うっすらとした
指紋が残る
小さな
背徳ばかりで出来た
フォンダンの中から
青銅のさかなが跳ね上がる

冷気の中で始まってしまった
運動会
知らないプログラムを
延々と放送して
 ....
窓をあけて
夏にばいばいっていうのは、たぶん
さよならを置きっぱなしにした
子どもの僕がいるからだろう

海の見える丘に
錆びてうごかなくなった自転車がねむる




 ....
(2:24)

夏の底では
夜が冷える

縫い合わせた理性では
この泥濘は超えられぬ



(3:39)

季節がかわるときに
おもいだしている
漣のような
残酷さで
 ....
  .
ここはもう揺れはしない
神々の住む丘に囲まれて
赤煉瓦と疏水の流れる大地
東からの旅人を穏やかに迎える
  .
あなたのぬくもりに充たされ
た部屋ふいに目覚めるわたし
スクリー ....
勇壮なカブトムシも
死ねばチマチマした蟻に
跡形もなくバラバラにされる



生きた証なんか
残りやしない



ましてや弱虫バッタの僕なんか



カマキリが
こちら ....
ひとつになろうと
ひとはいうけれど

わたしたちは
はじめからひとつなのだ

それなのにひとは
ひとりになるために
ひっしにいきているようだった

ひるもよるも
きせ ....
秋の予感がする夜に
金色の蛾は
星をなぞってとぶ

さみしげにゆれる
夏草の穂に沿って
古い時間がとむらわれる

月に咲く花
ただ一輪の歌
真空を呼吸して
たましいたちを導く
 ....
  僕たちは、
  同情で。



  僕たちは、
  どこまでも
  青く、
  青く、
  終わっているだけな。
  ダンボール詰めの、
  ぎゅうぎゅうの果実みたい ....
夏の
夏の欠片が
こぼれ落ちてた
あの日

僕は
名前も知らない
通りすがりの公園の木陰
芝生に体をあずけながら

空が青く
突くように青く
僕を包む
空に包まれていると
 ....
雨の一粒ひとつぶは
空気を孕んでいて
引力にひきよせられて落ちるときに
真ん中に窪みができる

屋根から
下がる糸の鏡に
することもない子どものものおもいが
写しとられる

傘から ....
涙だって蒸発する
この暑さのせいで
だれかのせい
自分のせい
そんな繰り返し

夢をみてはいけないなんて
学習してしまう
それがイキルコト

自分がもってない
ものだけに
詳し ....
夕やみ歩く猫
のし
のし
人ごみと並んで歩いては
立ち止まり
都会が鼻歌まじりに風を歌うのを じっ と聞いている
夏はまだ長い
今日もずいぶんと蒸していて
建物からこぼれる冷気とごちゃ ....
天井をかき分け浮いてまた沈む浮遊した昼チャイムは重く

ざわつきも混乱も日々続いてく国道沿いを見ては陽炎

いつだって風を待ってる蜃気楼オアシスがすぐそこにある

さみしい季節だと思ってた ....
私の娘に出会ったら
どうか伝えておいてください
何一つ伝えるもの残すものはないのだと
ただそれだけを伝えてやってください

私が道のそこかしこに置いた石に
あのこが躓こうとも
教えられよ ....
夕暮れるのに少しだけ
早い時の中を自転車で
漕いで回れば耳に届く
ピアノを練習する
くぐもった音色や
郵便配達のカブが
ダダ・ダダと駆ける音
引き戸をカタカタカタ
と閉める音
家に帰 ....
たんねんに こさえた ゆきうさぎ

あなたが ふりむいてくださらないから

きょうも 赤い目の ゆきうさぎ
{引用=今までどうしても言葉にできなかった
いつだってそれは眩しさと悲しみのイメージで立ち表れてくるし

僕の言葉はただ、その名から溢れ出るしかないものだから

それでも今日僕は綴る

 ....
{引用=

さみしいとばかり垂れ流しているくちびるが
あなたの名前をさがしているんです

ぼくはずっと
世界のおわりをみるために三角ずわりを崩さず、
双眼鏡片手に珈琲を飲んでいたけど
 ....
 
 
もずく酢しかない部屋できみは
なくならないもずく酢を
ただひたすら食べ続けている

そんなきみの背中を掻いてあげたいのに
きみには掻くべき背中がない
それよりも前に
ぼくは夕 ....
自分は間違っちゃいないんだと
そんなことを言うのは難しくて
そういう感覚の儘
腕の傷は消えないな
わたしの肌の下に埋まった青い言葉たちが
解読出来るほどに器用じゃない頭で
恋してる、世界中 ....
ふうわりと
舞っていく質量は
たんぽぽよりも薄く軽く

飛んでいけ わたくしをつつんでいたものよ
たとえこのジャケットの
一平米あたり幾千幾万と詰められていたとしても
朝の光をひとりで ....
森未さんのおすすめリスト(346)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水のしずく/宇宙- ……とあ ...自由詩11*11-10-15
影を投げ捨てる人- 灰泥軽茶自由詩8*11-10-13
オレンジ色のゼンマイ仕掛け- 乱太郎自由詩16*11-10-13
満月- たちばな ...自由詩23*11-10-13
かみなりのおとをききながら- かいぶつ自由詩7+11-10-10
こぼして- はるな自由詩211-10-4
- さすらい ...自由詩411-10-3
彼岸花- 未有花自由詩20*11-10-3
アーリーモーニング- 唐草フウ自由詩12*11-9-23
擦れてゆく雲に託す- 塩崎みあ ...自由詩7*11-9-7
夏に- とろり自由詩811-9-7
夜と不眠- はるな自由詩611-9-6
もう揺れはしないから☆- Giton自由詩3*11-8-29
- うずら豆自由詩3*11-8-19
ひとつ- 小川 葉自由詩711-8-19
月に咲く花- あまね自由詩1211-8-18
同情で- 草野春心自由詩611-8-17
5cm前の記憶- ぶるーび ...自由詩611-8-17
雨の溜め息- 殿岡秀秋自由詩711-8-15
ほしいものは永遠- 朧月自由詩211-8-10
ゆうぐれゆらら- 凛々椿自由詩1111-7-24
何回も夏- 唐草フウ短歌8*11-7-15
魔女の娘は- 佐々宝砂自由詩8*11-5-15
小さな楽団- 佐倉 潮自由詩811-4-16
ゆきうさぎ- 殿上 童自由詩21*11-1-4
帰れない- 自由詩12*10-2-10
やっぱりさみしさだとしても- あぐり自由詩4*10-2-8
もずく酢- たもつ自由詩710-2-8
機関銃を抱いて- あぐり自由詩5*09-12-3
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