虹夢繭花
砂木

瞑ればおちる 喉元の声
ずく で 散り急いだ未明
知られる事は 色づいてからでいい

浮いた草がひろげる風の扉
顔を覗かせては
あわててもどる 七色の瞳

危険な冒険の途中なの
それとも 寝ぼけてたの

ひろげた羽は 太陽の下で大人になる
飛行船がはじく水滴を よけて
草むらに逃げ込む 小さな羽虫

にじり這いより
蛍光灯の光を仰ぎ 
手足を合わせ
かさかさ 星になり

いなくならない方法はないの
でも おともは この指にものっている
生きづくしの絵の中
瞑れば鳴き染める 

帽子はかぶっていたかしら
靴下は 大きすぎないかしら

どこからここへと流れ来るのか
草むらから 葉ずれまでさえずり

どこへも行かないと
仮眠した夢言葉の毛布が
膨らんで 気球になる

揺れ散り重なった 花びらの糸
まるくなる体 染めたまま

連れて行かないで
こぼれた風は 七色の瞳




自由詩 虹夢繭花 Copyright 砂木 2012-05-23 10:09:42
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