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静かな波が 寄せては返す
白い砂浜
あまりにも明るく眩しい 夏の太陽
青い空
青い海
波打ち際の波は透明

何故この波打ち際を
歩いているんだろう
夏に海に来るのなど
好きではなか ....
あざやかに青い空には
壮麗な夏雲が立ち
先ほどまでの蝉時雨も止んで
静かだ
永遠というものが
今此処に垂れ込めてきたかのような
濃密な静寂だ
この圧倒的なあかるさ静かさには
けれど あ ....
透明すぎて何も見えなくなった視界を
侵蝕する夏

振り向いては駄目と云った
爛れ落ちてゆく意識で
最後に何を感じたの

ああ {ルビ懶=ものう}い
純粋ごっこの残滓に
濁った火をつけ ....
七月を纏って
汀を歩いてゆく
寄せては返す 透明な波

やがて小さなさびしい桟橋へ
たどりつくだろう
そこから灰色の舟で
向かうだろう
いちばんなつかしい日へ
記憶と予感との ....
銀色のプラットフォームは静かだ
何かが終わってしまったような
白い虚ろな光があたりを満たしている

駅名表示もない 時刻表もない
すべての列車はもう過ぎ去ってしまったのかもしれない
他の乗 ....
窓を開け
口笛を吹くと
僕の小さな銀色の飛行船が
やってくる

僕は窓から飛び立つ
菫色の大きなたそがれの下に
輪郭だけになった街が広がる

街の一角から
空に向けて放たれ回るサー ....
闇に
幾人もの私が
ほどけて

緑と水の匂い

翅あるひとの気配が
呼吸にいりまじる

ほどけゆくままに
ひとつ
   ふたつ
ともる
   ほたる


になるかなら ....
僕らがよりそう宵のバルコニイのテエブルに
ぽとん と小さな星がおちてきたので
それを閉じこめて
ゼリイをつくった
星の光を透かせて
ほのかに光るゼリイ
そのゼリイのふるふる ふるえが
僕 ....
四月の世界が明るく亡びて
あとはただ蜃気楼がゆらめいていた

蜃気楼の中で
花は咲き 花は散り
人々はさざめき行き交い
明るく亡びた四月の世界が
まるでそこに そっくりあるかのようだった ....
一面のチューリップをそよがせよ

春に かなしみに
あまりにもふるえ 透きとおってしまう
心臓のために
きらびやかな空が 剥がれ落ちて

菫の咲くほとりをたどって
指たちの

踊る環
   ひとつ
      ふたつ
         みっつ

やわらかな綻びから
洩れる調べの
 ....
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた

何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だ ....
彼はいつも身の回りに星座を連れている
折に触れその星々の配置を
巧みに操りながら

   蒼を帯びた眼差しの閃きで
   ほんのわずか歪んだ口もとの微笑みで
   しなやかな指さきのひとふ ....
{引用=
*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目 ....
もしふと世界が終わるならば
それはきっと
こんな澄んだ青い空の九月の日だろう

そんなことを思うと
なつかしさという古い抒情が
僕らを草のようになびかせてゆくね

小さな桟橋 きらめく ....
一度も私のものだったことがない君を
果てしなく喪いつづけている
その喪失が胸に生む波紋の美しさに
{ルビ彩=あや}なす言葉でうたわずにはいられない
七月の青い空には漂う硝子の雲たち
手のひらの上には天使の破片
陽射しにきらきらきらめいている

これを僕にくれたのは君だったかな
それがどうしても思いだせない
君がよく口ずさんでいた
夏 ....
色硝子のようにあざやかに
此の世へと迸りつづける君の生

でありながら同時に
{ルビ果敢=はか}なく無へと消え入りつづける君の生

誰よりも
あやうくきわどく揺らめきつづける ....
わたしはわたしの中に
夜を溜める
そしてその夜を醸してゆく
深くなるように
やわらかくなるように

わたしはわたしの身体に
花を鳥を
風を月を沁みこませる
わたしの中の夜が
やさし ....
五月のまんなかにライオンがいる
銀のたてがみが揺れている

ライオンのまわりを
光と風と緑のチルドレンが
回る回る 幾重にも回る

ライオンは深い瞳だ
そして静かに微笑んでいる

 ....
透明な祭壇の上で
君は羽化する
私はただ見あげ見つめるだけ

君は羽化をくりかえす
私はただ見つめつづけるだけ
君はそのたびごとにちがう羽をひろげて
   雨の羽
   砂の羽
   ....
楽屋には雨が降っている
彼は黒い傘をさして
鏡の前に坐っている
これまでに舞台では
幾千もの笑顔を見せてきた彼だが
今はそのどれとも違う笑みを浮かべている
愛する者と共にいるときに
見せ ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る

君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る

君は踊る
 ....
そしてまた梨の花が咲いた
記憶の裏窓に
梨の花が咲いたのだ

少年の横貌を
咽喉の線を
正しく記述する春の香気

    咲いたよ 微笑む
    咲いたよ はにかむ

その指が ....
心臓の中で
春が笑っている

笑っている春の中で
一面のチューリップが笑っている

笑っているチューリップの中で
少年が笑っている

少年の無邪気さが
チューリップを{ルビ ....
左の翼は
羽の一枚一枚がすべて
小さな銀のナイフ
右の翼は
羽の一枚一枚がすべて
紅い薔薇の花びら

その飛行の軌跡は
歪みつづける
あるいはその飛行が
天を歪ませてい ....
愛し合うことで
この世界を美しく{ルビ汚=けが}そう
互いの内なる罪の昏さに
惹かれ合った二人だから

二人がいろいろなかたちで
抱き合うそのたびごとに
幾重にも罪は深く響き合う
二人 ....
不思議
深く眠りながら
果てしなく醒めている心地
見えない舟が 横たわる僕を乗せて
透きとおる彼方へと 漂ってゆくよ

夜は青く
あえかな香りが僕を包む
この流れのほとりには 何処まで ....
岬の白い道を歩いてゆく
突端をめざして一歩一歩
五月の空は
高らかに晴れわたっている

風が吹く
記憶が吹く
波が聴こえる
記憶が聴こえる

岬は細く長く
なかなか突端にはたどり ....
皮膜を張った空に
午後の白い陽は遠く
道は続き

かつてこの道沿いには
古い単線の線路があり
そしてこの季節になると
線路のこちらには菫が幾むれか
線路のむこうには菜の花がたくさん
 ....
壮佑さんの塔野夏子さんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
波打ち際- 塔野夏子自由詩3*22-8-21
夏の影- 塔野夏子自由詩8*22-8-13
衝動の夏- 塔野夏子自由詩6*22-7-31
- 塔野夏子自由詩6*22-7-23
銀色のプラットフォーム- 塔野夏子自由詩6*22-7-11
サーチライト- 塔野夏子自由詩6*22-6-9
五月の夜- 塔野夏子自由詩8*22-5-27
スタアインゼリイ- 塔野夏子自由詩5*22-5-17
蜃気楼- 塔野夏子自由詩6*22-4-19
春の指令- 塔野夏子自由詩7*22-3-25
早春小景- 塔野夏子自由詩11*22-3-15
星_座- 塔野夏子自由詩19*22-1-1
十九歳の星座- 塔野夏子自由詩6*14-3-13
四行連詩_独吟_<界>の巻- 塔野夏子自由詩5*14-1-5
九月二十七日_快晴_24℃- 塔野夏子自由詩9*13-10-1
- 塔野夏子自由詩9*13-7-29
天使の破片- 塔野夏子自由詩3*13-7-17
少年刻- 塔野夏子自由詩10*13-6-25
夜を溜める- 塔野夏子自由詩18*13-6-1
ライオンとチルドレン- 塔野夏子自由詩3*13-5-7
羽化少年- 塔野夏子自由詩7*12-7-23
六月の楽屋- 塔野夏子自由詩6*12-6-7
踊るひとのための連祷- 塔野夏子自由詩23*12-5-23
裏_窓- 塔野夏子自由詩9*12-5-11
春_鬱- 塔野夏子自由詩9*12-4-29
不自由な天使- 塔野夏子自由詩7*12-3-25
ユートピア- 塔野夏子自由詩4*12-3-19
見えない舟- 塔野夏子自由詩7*12-2-27
- 塔野夏子自由詩5*09-5-3
空の皮膜- 塔野夏子自由詩10*09-4-5

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