朝焼けは随分きれいで
青紫のしじまに黙りこくり
そっとアクセルを踏み込む
見慣れた速度で
過ぎていく風景をやり過ごす
少し肌寒くなったようで
エアコンのスイッチを消した

仄かに燃えて ....
 感情のもつれを
 解きほぐすように
 受話器から延びる線を
 逆に回している
 回線の向こうの
 静かな苛立ちが
 ザーッと時折混じる
 誰か妨害しているの?

 向かい合わなくて ....
かなしみの淵をなぞるゆめ
鋭利なガラスで指を切るゆめ
開いた詩集を風が繰るゆめ
その一ページに血をこぼすゆめ

うすももいろの唇に
ぼくのインクで紅を引くゆめ
まだ汚されぬやわはだに
 ....
田んぼの道ぬけて

山ひとつ越えて市街地に帰った

藍いろの街のひかり

遠くからだからかやさしい眺めだ


あのひかりの中でぼくは

ハードルを下げたまま生きているひとを

 ....
暗い部屋に
貴方の寝息
私は眠れないままで

貴方に寄り添っても
満たされない心
何処か寂しくて
もう終わりを
告げているのね

別れるなら今のうち
小さなトランクに
荷物を詰 ....
家の押し入れにしまってあった誇り被ったギターを

みつけだしてそこから僕の人生は決まった

一人もくもくとそのあまり音がよくない安物ギターを

朝から晩まで引き続けていた

将来はビッ ....
白い部屋の
白い窓辺のあなたに
向日葵を届けたい


朔の闇夜の月を
輝かせるほど
明るい向日葵を贈りたい


七色の虹が
黄色であふれるほど
たくさんたくさん贈りたい


あなた ....
だきしめる

骨ごとだきしめる

フルパワーが続くまで

たましいがふれあっている

鈴のねがきこえる

宇宙からきこえている

じかんのまえで

ぼくらは迷える子羊だ
 ....
海月が波に流されて浜辺へ打ち寄せられた
今年も何かが終わってゆく
めぐりめぐる喪失の流れ

ぶよぶよとした透明な塊は
逢瀬と誕生の名残り

てのひらに白い貝殻をのせ
息吹の痕跡を確かめ ....
高台から海を眺めていると
海がとまっているように見えた

青い革の精緻な模様が
いっさいの動きをとめている

夏光のちからが
今日はすこし遠くに感じられた
陽射しがほどけはじめている
 ....
今までの感情を全部吐き出したなら


嬉しさも悲しみも悔しさも虚しさも


幸不幸も


ただの涙になるんだろう


ならば


ちょろっと流した涙でめげてる私は

 ....
戦争について考えることは

それは有益なことなのだろうか

平和についても

それは有益なことなのだろうか

幸福について考えることこそ

有益なことなのではないだろうか

戦 ....
よく精神年齢をきかれたりすると

そんなシチュエーションなんて

スナックくらいにしかないのだが

中二の秋かなあ、なんて答えている

それは女の子に受けたりする

でも、四十にも ....
冷たい月明かりが僕を照らして
痛みに溶けてしまわない様に
必死にもがく

さあこちらへいらっしゃい
手招きする声は何処から響いて
いいえまだ此処に居たいのです
目眩が止まらない

あ ....
いつしか雪が降りだして
夏なのにね おかしいね
僕は悲しい顔をして
君が帰ってくるのを待っている

僕のほうが先に死んでしまうよ
犬だものね 当然だね
玄関のタイルの冷たさに
柔らかく ....
宇宙で
きみと待ち合わせして
渡しそびれたままの手紙を
きみに渡したい

そしてそこから
もう一度だけ
やりなおしてみたい

終電が終わったあとの
ちいさな水たまりみたいな
駅前 ....

四角い硝子の内側に
ぶわぶわしたひとびとが
等間隔に産み付けられた卵のように
ぎっちりと隙間なく座っている
人間ではないふりをした顔は
電灯に照らされて
生気がないように青白い

 ....
宇宙は溌剌としていた
滴るような蝉の声が宇宙に降っていた

病院ですれちがう人々はどんな人も
それぞれの生や死をしのばせていた
ぼくはそれに無関心を装いながらエレベータを探していた

ぼ ....
ゆく雲が
君を求めてのばした蔓から
ふわりと咲いた雪の花びら
彼方を白く染めるものの 
ひとつひとつの小ささを
ひとつひとつの儚さを
まるく含んだ湿り気が
花の波に匂いたつ
 ....
ー少年はマナウスを夢見ていた
 川の対岸に沈む夕日を
 アマゾンの熱い空気圧を
 しかし、

川の向こうの水平線に
大きな夕日が沈む時
マナウスの熱い夜が始まり、
船が夜の川をゆっ ....
 意味不明なことをわめき続けることに疲れた



幼い頃、ぐずっていると「言わんとわからんがい」と言われ
言わなくても分かる関係に憧れたけど
やっぱり黙っていては何も伝わらないことに失望し ....
真白く つるりと丸く
英字などがプリントされた
甘く可愛い錠剤は
飲むたびに感情を奪っていくようだ

青い空を見て
青いなと思い
コスモスの芽生えを見て
生えてきたなと思い

死ね ....
生まれた家の前 
坂の途中に
おそろしく大きな石の門が
その中に白い木造洋館

年老いた医者のいる医院で
診察室の窓枠は
白塗り木の窓枠
窓の外には枇杷の木が…
枇杷の葉が風に揺れて ....
風が止んで ガスの元栓を確認し
さっと玄関を出る さっとが肝腎
留まっても良いが それなら
留まらなくても 同様に良い

季節を数え 殻を厚くする 呼吸を整えて
強さは弱さで塗り固めた セ ....
もう何がリアルで何がフィクションか
わからないくらい
嘘をついてきた

嘘で満たしたプールの中に泳ぐ魚たち
本当のことを言うと誰にも相手にされないから
作り笑いを浮かべて 話を作るのがうま ....
青い夜は終わり
透明な朝が始まる

君への言葉は流れ
私のココロへと降り積もる

見て
あの遠くを照らす
紅いひかりたち

きんいろのオビが
君へと続いている

しろい雨粒は ....
鈴の音がなったら
ここの階段をあがって
暗いから転ばない様に気を付けて
こっちへ来て
楽しいことしよう
電気は付けちゃだめ
みんなには秘密だよ
私とあなただけの秘密
真っ暗で
あなた ....
戦争のイメージは真夏の闇

前世からのごとく鳴いている蝉ども


宇宙の闇じゃぼくの根っこが泣いている


いま帰宅しました

どっさり疲れたいちにちでした

だれかに弱音を ....
きっとね、
あなたがそこで生きていていいという理由がないのとおなじくらい
あなたがそこで生きていてはいけないという理由もないのだから

そこで力強く繰り返している心臓の鼓動をさえぎらな ....
 湿度が異常に高まっている部屋にひとり。
 
 ひとりで夜風をさがす。
 
 空しい、寂しい、暗闇で。
 
 
 あたしはここにいるのに
 
 だれもここにはいない ....
邦秋さんのおすすめリスト(241)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜明け前に、走る- within自由詩12*09-8-23
存在のダイヤル- 伊那 果自由詩509-8-23
ゆめ- 瀬崎 虎 ...自由詩8*09-8-23
夜景の憂鬱- 吉岡ペペ ...自由詩809-8-22
別れ- ミツバチ自由詩3*09-8-22
忘れていたあの場所- こめ自由詩1309-8-20
向日葵- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...18*09-8-20
えきをはしる- 吉岡ペペ ...自由詩909-8-19
いつか子宮に還る日に- within自由詩24*09-8-17
夏の爆弾/秋の煙- 吉岡ペペ ...自由詩509-8-17
白紙にクレヨン- 伽茶自由詩309-8-16
時間という海- 吉岡ペペ ...自由詩909-8-16
中二の秋- 吉岡ペペ ...自由詩509-8-15
月明かり- ミツバチ自由詩2*09-8-14
人生の大半は君を待つことに費やされた- 瀬崎 虎 ...自由詩12+*09-8-14
なつやすみ- 大覚アキ ...自由詩709-8-13
電車ごっこ- 吉田ぐん ...自由詩809-8-12
溌剌とした宇宙- 吉岡ペペ ...自由詩1309-8-12
- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...35*09-8-8
マナウス- ……とあ ...自由詩9*09-8-8
積み上げられた石- within自由詩9*09-8-7
糖衣- 照留 セ ...自由詩5*09-8-6
びわの木- ……とあ ...自由詩15*09-8-5
ビリヤードの比喩で語られる世界は- 瀬崎 虎 ...自由詩3*09-8-5
フィクションに泳ぐ魚たち- within自由詩7*09-8-4
この雨は君の町へも届くだろうか- eagle自由詩409-8-3
真夜中- ゆりあ自由詩409-7-30
真夏の闇- 吉岡ペペ ...自由詩609-7-28
イトナミ- 神無月ま ...自由詩409-7-27
かび- 百日紅☆ ...自由詩409-7-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8