おきざりの波打際で膝を強く強く抱くと
両の乳房が ぱんと張って
ふとももに弾かれて 憂鬱に揺れた

一方的な愛情ほど与えすぎても尽きないよ
あたためて触れてひどく突きつけて
かき鳴らす歌を ....
アネモネ (はかない恋)


あなたの気弱な指先でわたしを摘んで欲しい

わたしの一番可憐な時間を花瓶に挿して欲しい

あなたの意識の端をひとときでも彩れたら

ノートパソコンの ....
窓のまんなか闇がひらけて
ふとんが羽根を破き大天使になる
最悪な現状でもどうせ寝るなら良い夢を
どうせ飛ぶならどこまでも遠くがいいんだ
海が見たい
海が見たい
海が見たいんだよ
波打ち際 ....
春の強い風に吹かれて宙に浮いている
さくらの花びら
ひらりひらひら
あなたの大きな肩の上に落ちた

わたしだったら
わたしがさくらの花びらだったら
このまま風に乗って
そっとあなたの頬 ....
喉に流れ込み
触れては弾ける小さな花火

光に透かして
揺らぐそこを見つめると

まるで

そのときをたゆたうような
はたまた{ルビ空=くう}を泳ぐような

淋しがり屋特有の錯覚に陥る

ひとりでも平 ....
いつものように
髪を結い


いつものように
紅をひく


わたしは何も 
かわらない


置き去りの
この部屋で


恋しい
恋しい
恋しいと


嘆 ....
石鹸は 清潔感の象徴であるにもかかわらず


汚い手にその身をもみしだかれ その身を徐々に徐々に削り取られ


自らの一部が 汚らしさの象徴である下水道に 徐々に徐々に流れていくのを

 ....
向かい風、吹雪の下校道。
風速10メートルと零下10度の結婚で生まれた雪のカミソリに
顔を傷つけられないように、後ろ向きで歩く。

「大丈夫だから。」って言って
かばうように前を歩いてくれる友達 ....
あのひとから乞われた訳じゃない
成り行きでと言えばそんな感じだった
奥さんよりも私を選んでくれた
そんな幼い優越感が無かったといえば嘘になる

幸せだった頃に家族で訪れた事があると話していた ....
空の涙は

私の手のひらで

悲しみを預けながら

そっと

冷えた空気に混じりあう


音もなく消える

その悲しさを

何に伝えたらよかったの
男を犬のように扱って
動物愛好家の悲鳴が聞こえる中で
サーカスの猛獣ショーの如く
今日も鞭を振るって
痛々しい愛の言葉を吐いてあげる

逆らうものは皆 処刑される

涎と精液が混じる  ....
遠くの光は冷たい

近くの光は熱い

欲しいんだ

わたしを照らしてくれる光

わたしの手は夜の闇に融けて

わたしの手は光のシルエットに砕けて

あの向こう側に逢いに行きたい

照らしてくれる

わ ....
最初に
肋骨心距の決定

言葉たちのソル イ ソンブラ

それから
動物たちを番わせる

慌てなくていい
生き物が光るわけを本当には誰も知らない

次は
薔薇の花とイヴ

 ....
みそひともじの
みそひともじの
こいのうた

みそひともじの
みそひともじの
あわれうた

かなわぬこいの
かなわぬこいの
つづりうた


あわれをうたう
あわれな ....
深夜二時過ぎ 携帯のサイト覗いて
甘い言葉を書き連ねる 物語に吐き気がして
慌ててトイレに駆け込んだら 何処からか血の匂いがした
掻き消すように 狂ったカクテル喉焼けるまで飲み干して
動けなく ....
非常階段で待ち合わせ
そんな滑稽さでもって
世界から逃げている
きみとわたし

日中の駐車場で
眩しいくらいに飛ばされた
二人の立体感が
遠い

ふれている間だけ
呼吸するのを諦 ....
ただ、ぎゅっと

握り潰してくれるだけで良い。
空を見上げた。

光があった。

月の瞳だ。

わたしを見つめ

世界を見つめ

全てを見つめる

月の瞳だ。

綺麗だ。

綺麗だ。

今日は昔の友人に

電話してみようか。
彼はまだわたしと
常夏にいる
半年の後には
都会に戻るだろうと云っていた彼がだ
確かに
都会に帰っていた時期もあった
度々帰っているとも云える
けれども
四年経った今でも
彼はまだわ ....
白い僕

黒い僕



混じって 融けて


灰になる



蒼の世界に


ひらひらと

広がり舞う



きらきら

太陽を隠す 僕は



綺麗ですか?
長い影を背負って歩く祖母と、
手を繋ぎ歩く
短い道のり


夕暮れの中、
迫り来る夜に仲良く辿る家路

あと何度?
あと何夜?
握る皺だらけの小さな手
(1)

掛け声と干物の臭いに押し流されるようにして
昼下がりの賑やかさに身を委ねてみる
所狭しと商品の並んだ店先を覗けば
一見かと値踏みする手練の客あしらいに
思わず半歩後ろへ下がりつつ ....
3歳になったばかりのひぃちゃんが
裸足でおんもに飛び出して
水溜りで遊んでる
空から大粒の雨がぼぼぼ
大きな傘差したひぃちゃんは
しゃがんでかえるさんとお話よ

ゲロゲロぎょっとびっくり ....
川を見ると飛び込みたい私は終わり、ただそのゆらぎに見習いたい。

褒められて伸びる私は卒業し、缶コーヒーの絵柄が渚カヲルであることに笑う。

着物を着ている今の私では簡単にトイレに行ける ....
窓の向こうの暗がりを
めまぐるしく流れてゆく
幽かな光の群れ

一日の終わりと
そして あたらしく
始まるための
束の間のひととき

仕事用のデータを
サーバに投げ ....
どうぶつの心の内容を覗きみることは、自然科学の領域ではタブーだし、
主観的にそれをやっちゃうと、サイエンスではあり得なくなってしまう。
それはもはやブンガクだ。
どうぶつ奇想天外法だ。
 ....
何も見えなくていい
だから
闇色の世界に連れて行って

偽善で塗り固められた笑顔も
狂い咲く愛の花も
想いで出来た幻想も

全て壊れて
消えて
無くなってしまえばいい

貴女の ....
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