時間という海
吉岡ペペロ

戦争について考えることは

それは有益なことなのだろうか

平和についても

それは有益なことなのだろうか

幸福について考えることこそ

有益なことなのではないだろうか

戦争や平和は

幸福に対するアンテナを麻痺させる

戦争は極端すぎるし

平和はピンぼけしすぎているから


他者から相談をもちかけられても

幸不幸について

いわゆる<いいこと>は言うまい

そう決めている

ただ聞いて

そうかあ、そうかあ、を繰り返している

幸不幸を決めるのは他者だから

他者は

私がしんでも存在しつづける

その逆もある

たがいにべつべつの場所で

存在しつづけているのかも知れない

その逆もある

他者は私であり他者であるから


戦争や平和について考えることは

はたして有益なことなのだろうか

幸福について考えることこそすれ

他者の幸不幸については語らない

それは

世界になにをもたらすのだろうか

波のように遠ざかり近づいてくるこころたち

こころたちは時間という海を

いったいかれらはどこにゆくのだろうか


自由詩 時間という海 Copyright 吉岡ペペロ 2009-08-16 13:09:28
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