月明かり
ミツバチ

冷たい月明かりが僕を照らして
痛みに溶けてしまわない様に
必死にもがく

さあこちらへいらっしゃい
手招きする声は何処から響いて
いいえまだ此処に居たいのです
目眩が止まらない

あの四つ角で呆然と立ち竦んだ
影が笑ってる
ほら見ろよ
あの頃とちっとも変わってないじゃないか
全身で否定する
まだ大丈夫だと言い聞かす

眠れない夜に
襲いかかる幻聴
部屋の隅に蹲った
あの頃の僕が此方を見てる

僕はきみかい?
小さく問い掛ければ
夢と現実が溶けてゆく
耐え難い虚脱感
幻覚は執拗に付きまとい
やがて来る
明日を笑ってる


自由詩 月明かり Copyright ミツバチ 2009-08-14 23:05:20
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