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人数分目的詰めた高速バス 午前3時をしずかに滑る
自分でもうるさいくらいにきみのことばかりを想う夢でも想う
このバスはしかくい博多 「そうたい」が飛び交う新宿駅南口
新 ....
連れて行ってもらえなくても走っていける
クークー、君がそうしたように
歌ってよシンガー今日の合言葉 午前零時の愚者の黄金
クリスマス風のうなりに血が叫ぶライダーベルト三位一体
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雲を問う風のゆびさき振り向いて頬をかすめる秋はひそかに
かなしみもよろこびもただ共にあれいとしいといってまだ青い林檎
まなざしに目を手のひらに指かさね日々を夢みる風さえつれて
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雀たちふわふわススキを持ち帰り夜寒の寝床に足し綿しなさい
凪という名前の少女を知ってます炎の魔女と呼ばれていました
ナンテンとツルウメモドキとピラカンサ小鳥たちおいで朱いご馳走
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金網の向こう側だけ喘息の発作によく似た狐の嫁入り
夢うつつ 枕のうえには時空間 効き足の指が朦朧として(おやすみなさい)
遠くから地下鉄の音がやってきて 無理して遊 ....
触れられぬ光のようにそばに居るそばに居るのに遠い宝石
濡れ髪をそのままにおく季のうちに夜の声きく朝の声きく
灰という名の舟のどに羽ばたか ....
ピアスの穴をあなたが舐めたらわけがわからなくなるまであと20秒
くるくるのパーマネントにからまってきみと一生一緒にいたい
学ランの下には泥のユニフォーム 大好きな人が走って来てる
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ベルリンの壁が壊れて産声をあげたわたしに世界が刺さる
誰とでもハローがいえる。誰にでもわたしのせいぎを「愛せ」といえる。
戦争をしらないこども ほんとうの平 ....
すきだよ、とあなたが言えばそれだけで あたしはてんしになれるのだけど
「うそみたい、うそみたい ねえ」涙目で星降る空の下に立つきみ
ほんとうは何も知らない僕のこと 夏が過ぎても好き ....
泣き止んで幼い心ともにあれ
小さな日々に戻れないなら
ゴム長を引っ張り出した夏の午後
君は来る来るあの日の傘で
戯れに一段上げた跳び箱を
君が跳ぶまで帰らせないよ
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判事の手から落ちたりガラス粉
森の極みに眠る彼の父
鳥の尾の翻る間に雲変わりぬ
雲の語りは地に届かじ
ミートパイ裂けり三角四角にて
暗き食卓咳き込む母親
忘れられた僕忘れ ....
夕暮れてひぐらしの声カナカナと大地と私の火照りを鎮める
金髪のショートヘアーのきみを見て今年も夏の訪れ想う
ひらいたり閉じたりしてるきみの目に澄んでる青い亡霊がいる
「失った夕焼け」「再生不可能な夏」朝からネガティヴ連想ゲーム
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忘れては夏の水底のぞきこみまばたく広さまばたく遠さ
無音から無音に至る無音には尽きた灯の色ただ打ち寄せる
激しくも涼しき雨を走り抜け糸ぬぎ捨てる ....
{引用=
きみに咲く色を今日も決められず温い水に絵具を流した
六時から弾けた部屋の真ん中でわたしもラジオも終わりを待ってる
利き手から最短距離で触ろうとしているきみ ....
産まれ生き苦しみそして死んでゆく
たった一行闘病短歌
日赤の病棟入り口掲示板
嘆歌とあって朝顔も書く
これからは口語短歌の詩人です
出来損ないの痛みを堪え
銀色に輝け外科 ....
吹く風よ微笑む人の面影よネム絶え間なく船出の風情
朝ごとにアサガオその名に天国を青さに空を映して地上に
花、柘榴。タコさんウィンナ血の味を実に成す前に朱色地に散る
鬼の木は{ルビ ....
ここは雲の真底すずしい風が吹くじきに全てが雪崩れ落ちて来る
夕映えのお天気雨が東方の空高く架けた主虹副虹
緑から朱へまた赤からまた青へ 光と水のクロマトグラフィー
美しい挿絵のゲーテ ....
どこまでも果てしないブルー憧れは波の彼方に今も揺られて
水平線沈む夕日を背に受けて終わった恋を海に葬る
悲しみは寄せては返す波のよう真珠の涙{ルビ零=こぼ}れたままで
今もなお忘れら ....
手のひらも夜もはざまも降りそそぐ漂う紙の大陸を踏む
わたしゆえ突き放された時の色たとえようとし止めた日のこと
たくさんの懐かしき文たなびいて涙な ....
贋物の金魚を浮かべたバスタブをぼくときみとで方舟にする
{ルビ吃水=きっすい}に{ルビ陽光=ひかり}は搖れて{ルビ干渉=いりまじ}る翳を乳房とふふむ午後二時
隠すべき傷痕がどれかわ ....
神経に優しい蒼い紫陽花は銀の破線を浴びて艶めく
二重三重山際かさなり緑なす比叡の山は今日も確かに
湖は遠ざかりゆく車上にありやや涼し大津の街は
昼食の時となりたり京に来て茶箱弁当という物を食ぶ
空曇り風は吹きて段上り息つきては ....
ピラミッドみたいな形の倒立を 目を皿にして隈なくみてる
血まみれの夕焼けぜんぶ呑み込んで(みない、いわない、きかない、しらない)
帰ろうとしている影が剥がされて/いつまでも帰ろうとしている ....
エメラルドグリーンの夜なまぬるい風がふたりを近付けている
陽炎を蝉が叫んで揺らめかす 入道雲が乗せてきた夏
わわわわと とおく、ちかくで鳴くかえる まっくらやみでわたしいまどこ
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コスモスといえば秋風を思うだろう?初夏には咲いて揺れ始めている
ワスレグサ忘れていたい思い出があること思い出させないでよ
昨日見た四つ葉は今日はもう虫に喰われてとうに虫のものでした
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肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに
膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う
束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
6月の空がジョウロを傾けた小鈴フルフル優しい水遣り
一語訂正しました。 優し → 優しい
共になり三十二年の今朝の庭紫陽花咲きて陽はうらうらと
夫たちよ妻を愛せ六月の今日の聖句を心に置きて
水無月の妻と語らうこの日々の瞼に浮かぶ蛍が二三
遠くから聞こえるチャイム 岩尾商店のベンチでこっそりキスした
せんせいの涙と怒鳴り声は全力でぼくらを抱きしめている
雲を切るようにピイッと笛の音 ゆらゆらゆれる25メートル ....
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