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雲を問う風のゆびさき振り向いて頬をかすめる秋はひそかに


かなしみもよろこびもただ共にあれいとしいといってまだ青い林檎


まなざしに目を手のひらに指かさね日々を夢みる風さえつれて

 ....
ある日突然窓を開けて
一羽の鳥が飛び立ってゆく
ある日それは静かに晴れた朝で
まるで船出のリボンをなびかせて
とても陽気に飛んでゆく空を


私の小指にはリボンが結ばれていて
ただ黙っ ....
手をのばせばつかめそうで
指のあいだからこぼれ落ちてゆくもの
きらきらと きらきらと
それは光っている 踊っている


   *


春の訪れ、光まぶしいこの水辺
まだ若い水草がさ ....
ときどき僕は
草のなかを歩いてみる
さらさらと風が流れてゆく
草穂が膝頭を撫ぜれば
なつかしい思いに満たされる


ときどき僕は
人に話しかけてみる
ときどき
誰とはなしに笑いかけ ....
指が触れると
草の実がはじける
ふるえる心の動きを
あなたは知ってか知らずか


見つめるあなたの瞳に
青い空が映り
その青に溶けてしまいたいと思う
その青はいつか見た風
その青は ....
また春の風が
額を過ぎた
ふっと
潮の匂いがした
ような気がする


{引用=なつかしい声}

振り向くと
海がそこまで迫る
海は光る
反射して鏡のように


指を浸すと ....
君の目が欲しいんだただ春の日に
    やさしさなんて知らなくていい


叩くたたく野に打つ雨に踏みにじる
    花の弔いこのぴあのソロ


かなしみは街角で吹くシャボン玉
    ....
浅いゆめ 逃げた夢
水色の風のリボンをなびかせて
真昼のおもいから逃げた夢
白い影を引きどこへゆく
テーブルの紅茶の冷めないうちに
その舌の根の乾かぬうちに
お前のアリスをごまかして

 ....
御機嫌いかが、と
埃っぽい風が吹く
どの窓にも猫が一匹いて
ぐりぐりした目玉でこちらを見ている


しっぽをくゆらすもの
ひげをぴんと張ったもの
前足を行儀よく並べて
あるいはつま先 ....
夏嶋 真子さんの石瀬琳々さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風のゆびさき- 石瀬琳々短歌5*10-12-9
四月の部屋- 石瀬琳々自由詩12*10-4-8
水を渡る- 石瀬琳々自由詩7*10-3-11
ときどき僕は- 石瀬琳々自由詩14*09-10-7
草の実はじけて- 石瀬琳々自由詩9*09-9-3
海へ- 石瀬琳々自由詩19*09-4-2
春の日- 石瀬琳々短歌5*09-3-25
浅いゆめ_逃げた夢- 石瀬琳々自由詩7*09-3-18
猫の町- 石瀬琳々自由詩8*09-3-4

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