すべてのおすすめ
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「火の森というものがある」と父が教えてくれた。私が火山の調査のためヘ ....
血のかよう夕焼けを深海魚がよこぎる
ひたり
ひたり

胸びれを動かすたびに
その下で影踏み鬼をしている子ども達も
走り回ったり
息を休めたりする


ブラインドの隙間をかい ....
あなたとはもう何回も
っていう気がするから
しない
例えば三年前
あなた会社の後輩だったわ
あんまり可愛かったからつい
五年前のときは
友達の結婚式の二次会で
あなた新郎の友達だったで ....
もう長いこと
ここで漂っています

聞こえるのは
絶え間ない波の音
時々通る渡り鳥の羽音

見えるのは
太陽と空と雲
360度の水平線
たまに遠くで跳ねてる、くじら

一応持っ ....
何故かあのひともそうだった


年上の素敵な奥様がいて
それなりに幸せな家庭を築いていた
そしてそんな男の軽い浮気心に惚れてしまう女がひとり

初めて出逢ったのは真冬に逆戻りしたような夜 ....
横たわる白い身体に
そっと 口づけを
愛しいと感じるだけの
幼い気持ちを吸い込んで
冷ややかな速度で萎む想いを
止めることが出来なくて
愛している、と熱を持った言葉も
今はこんなに頼りな ....
{引用=あなたが横顔を奪った。わたしを剥がしてしまった。小さく収縮する言葉だけを捉えて、他はもう要らないとごみ捨て場に投げ捨てた。あなたの全てを奪った。わたしは愛してしまった。世界はそれをわらった。} .... こんな風に思うのは薬のせいか、僕のいない世間、舞台が騒ぎ続けているせいか

僕のはずのベッドに寝ている彼女が

甘すぎる虹色の飴玉を吐き出きだしていた

寝ながら飴をなめていたようだ
 ....
まだ背の低い中学生だった


キリスト教系の学校だったせいもあって
敷地内には教会が建っていた
戦時中は負傷兵の収容に使われていたという
改築はしたことがないらしく
昼間でも暗くて冷やや ....
飛んでく
飛んでいくのは
ぼくではなくて
ビニール袋で
ビニール袋の
ぼくである



風が強いな
それでも飛ばされない
ぼくは強いのか
、いや

ぼくは弱いのだ
 ....
彼が、胴体と精神を切り離したいと願っていた
つづけざまに失ったものが大きすぎたといっていた
そういう感情らしい勢いを大事にするタイプにはみえなかったので
金さえあればなんとでもなるのでしょう ....
 月は
 見えない音をたて
 真昼の闇の滝を滑り堕ちていく
 否
 堕ちるのではない
 昇るのだ
 わたしを介してあなたへと
 絶望に煌きながら
 地の底の淵で
 やがて幾人もの人間 ....
しずかな雪のあいだから
わずかに土が
見えるとき

わたしは灰の
そらを見あげる


 まだそこに
 凍えるものはありますか、


小さな呼吸は
ぽつり、と白く
あ ....
冬風浴びて、錆付いた公園のすべりだい
てっぺん見上げたら
薄っぺらい陽の光がやさしくて
その冷たさは一体何度だっただろう

思い出そうとしている
ブランコの軋むリズム
思い出 ....
「手紙」

見渡す限りの誰もがのどが渇いていて
水!水!と叫びながら歩いているのに
誰にも耳が付いていないので
互いにそれに気づいていない

伝わることの無い声は
束になって風を起こし ....
「あきらめるな」っていうのは君の口癖
「もう、やめた」は僕の口癖

正反対の方向にいる君を僕は
とっても大きな壁だと思うんだ

いつも目の前には君の大きな背中
それを僕はただ見ているだけ ....
古く哀しい裏通りを急ぎ足で歩き過ぎたら
今にもお前の呼ぶ声が聞こえてくるような気がして
すり切れた俺は気が気ではなかった、あの、あの曲がり角から
軸をなくした ....
 雄大なる大自然の彼方の果てを
 奇蹟と名づけよう
 あなたとの刻
 寄せては返す波の如く
 迫りくる愛に
 遥かなる未来を託して
 明日には終わりはない
 続いていく
 彼方まで
 ....
{ルビ蛍石=フローライト}の屈折系でねじ曲げる
透明ゆえの分光
赤道儀のその先で
一つとしてそろわない秒針を
幻想のように共有して
誰かの未来で僕たちはまばたきをします

季節から時計が ....
 遠くながい光よりも 
 今、あなたの目の前にある
 一秒の光を
 直視しなければ
 あなたの壁は壊れない
 あなたが逃げれば逃げるほど
 壁の数は増えていく
 わかってはいる、とあなた ....
どうだ

この幹は

凍裂と虫喰いだらけではないか

ひわひわと痩せて

在っても無くってもいいような

木ではないか

梢の先が仄かに萌えて

てんでばらばらに明日を指し ....
緑あふれた
かの沼地には
蓮の花が咲き誇り
緑あふれた
かの沼地には
ホテイアオイの紫色の花々が
咲き誇りすぎ
黄金色の魚体が
ぐらり揺らげば
緑あふれる隙間で
透き通っていたはず ....
にゃ〜ごカーゴは宅急便
しかも宙間航路です
社長の名前はキャプテン・グラッセ
栗色に光る毛の猫です

おわぁあわぁと折々に歌う
彼らもまさに詩を駆る種族
地球生まれで猫族だけは
なぜか ....
 遠くにもえる空
 なにかがやってくる 予感
 甘いカフェオレで眠らせたこころに
 透明な釘が刺さる
 走る列車の軋みに
 見送られていく時間
 夕暮れの空はどこまでも美しく
 わたしを ....
少しづつとはいえ、大人になっていく僕は
少しづつ、ではなくキミをとても意識するようになる。

大人になった大人は
甘酸っぱい憂鬱だ、と懐かしむ感覚を、
子どもから大人に向かう僕は
苦味のき ....
僕はまた知らない土地で年を明かす
レジで礼を言ってくれるおばさんの言葉も
僕の中に置いてけぼりを積もらせる

僕の知らない言葉で,君が友人と話す
また少し置いてけぼりなのを感じながら
僕は ....
悪魔の魔法の解き方



あの人に掛けられた
悪魔の魔法
身体の中心にある
魂が宿る場所を
丸くくりぬかれた
わたしはなにも出来ず
ただ自然にその穴がふさがるのを待っていた
一年 ....
人類史上最高に幸せな安い女



寂しい夜も
窓を開ければ
同じ月が見える
あなたの瞳に映る


同じ空の下で
同じ空気をすって
同じ時間に
同じ月を眺める

月が手の ....
植物学者の妻ですから
チョコレートも手作りします

植物園のカカオの幹生果を
丁寧に収穫しました

甘味は水あめ
穀物の甘み
甘味はメイプルシロップ
木の甘み

甘味はハチミツ
 ....
会社を解雇された父親は
鹿煎餅しか食べなくなって
どんどんやせ細ってしまい
やがて単身勇躍奈良県に飛び
鹿として第二の人生を歩み出したが
本物の鹿にひどく苛められたようで
泣きながら往来に ....
Gitonさんの自由詩おすすめリスト(452)
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