うまく思い出せない
見送った後ろ姿なら
鮮明に焼きついているのに
君の笑顔が好きだった
それは本当のこと
なのにうまく思い出せない
強がってさよならの言葉の最後に
わたし ....
わたしの声帯から延びた
蔦が
ビリジアンの意地悪だった
集合体は頑丈で 瑞々しい
唇をつたって、ずるずると
出ていく
あのひとの唇をつたって
入っていく
取り返しのつかない色
取 ....
081025
くつしたが
くつしたがくつしたがと
悲鳴を上げるので
靴下がと
穴の開いた靴下が
靴の中で欠伸する
石ころを蹴っ飛 ....
最近、嫌な奴ばかり目にする気がする
世の中が冷えてきたのか 俺の心が冷えてきたのか
「袋ご一緒でよろしいですか?」「はい」
コンビニで温めてもらった弁当と、冷たいコーラを同じ袋に入れてもらう
....
081021
バブルが弾けて
どこかに消えて
倹約の世となった
倹約汁は薄すぎて
塩辛く
高血圧になりそうだ
鳴りやまない空襲警報が ....
僕の手にする
透明なハンマーを振り上げて
目の前にぼんやりと立つ
姿の無い退屈を、叩き壊す。
粉々に砕け散る音が聞こえ
全てを手放した僕の前に
0
の門が現れる ....
終わらない数字の羅列
命令口調の問題文
かりかりと蝕む集中力
チクタクと刻むカウントダウン
眠らぬ月
止まることのない空
積み上げられる想い
流れ続ける歌
シャーペン片手に
頭を占め ....
体に力入らんくて
しんどうて
きつうて
エネルギーバッテリー
足りんくて
とりあえず
無糖のサイダー持って
外の空気浴びながら
泣きながら
太陽と乾杯した
これを歩いてけば
あなたの住む
あの町に
行けるかな?
無理だよ
って 笑うけどさ
会いたいんよ
ものすごく
....
081017
横を向いて歩いていった
強者達が
立ち止まり
上を向いて
叫ぶ
ユーフォーだ!
ユーフォー!
駄洒落の神様
怒り出す
強者共をつ ....
職場の休憩室で
目覚めた朝
ふいに手を見ると
午前零時過ぎまで残業した
昨日の仕事をメモした文字が
手の甲に薄っすらと残っていた
昨日がどんなに忙しかろうと
昨日がど ....
今月なのは間違い無いのだけど
確か二十日頃だったよね
金木犀の甘い香りは
あのひとの痩せた背中を映し出してくれるようで
ひとたび心離れてしまうと
あれほどに固く結ばれていた思いまで
....
渋谷駅前広場に置かれた
緑のレトロ電車に入り腰を下ろせば
クッションみたいな長椅子は
日頃の腰の疲れを
吸い取るように暖かい
走ることの無いこの車両に
集まる老若男女は
....
顕現に必要なものを
まさぐる闇雲に
吸収をする短調や
ビブラートに憧れている
視線はぐらついていて
四方八方
飛び出した繊維が晴天を這う
わたしはこんなにも空間に
蔓延るのに
塗 ....
母親に抱かれた赤児は
空に響き渡らんばかりの声をあげ
全身で泣いている
泣くことは、生きること。
だというように
ほんとうは大人になっても、
黙ったふりで、泣いている。 ....
俺は生まれつきの窓フェチである
いや、窓際フェチと言った方がいいかもしれない
いや、「窓際」より「窓辺」と言った方がもっといい
「海辺」みたいでロマンチックじゃないか よし「窓辺」でいこう
俺 ....
大変だ!大変だ!
日々誰もが大変だ 大変なのが当たり前だ
俺は俺の大変さから逃げられないし
お前の大変さを代わってやることもできない
普通じゃないのがフツーの世界で
みんなもがいている もが ....
神秘的な病だこれは
外界からの様々な抗原
防御するバリアー機能の低下
のみならず
IgE抗体の過剰産生により
じぶんを傷つける
新しい湿疹と結節が
じぐじぐと鮮血噴き出し
乾燥した翌日 ....
いつもどおり
あたりまえ に
きれいに片付いており
業務 は滞りなく
流れる
あたり一面散らかって
業務 が行き詰るとき
ようやく わかる
だれかの 不在 を
いともたやすく ....
どこか信じてた
どこか疑ってた
でも
なにもかも
おしまい
どこまでも信じてた
再起を願ってた
でも
繋いだ手は
....
081007
オリノコ川に
月が出て
野猿の群れも
眠りについた
静かな雨が降る前は
猫の子一匹騒がない
幻想と否定するだけの
....
人を生きる、という行為について
その明滅をとらえることは
まるでひとつの灯火のようだ
どうしようもないくらいに
淡くて
美しい感情は
もう消せなくなって
僕らはいつの間に ....
君の目は光を失ってた?
その瞬間
君はどんな顔をしてた?
生まれてきて
生きてきた
嬉しかった事は?
辛かった事は?
僕等には ....
父のポケットに
ときどき手を入れてみたくなる
そんな子どもだった
なにもないのに
なにかを探してしまう
いくら背伸びしても届かない
指の先がやっと届きそうになって
そこには父はいなか ....
窓から見える空があんまり青くてきれいだから
窓を開けて少しだけ瓶詰にしました
でもとってきた空は青くなくて
それなのに窓の外はやっぱり青くて
僕は悲しくなって
僕がとった空の青はどこだろうと ....
わたしを捨てた手のひらが
わたしを撫で続けるので
土になっていく
右足は季節をかいくぐり
左足は罠にかかるので
台無しになって
あやすように
腕は八本になる
ドアーを
ひいて ....
今日は横浜スタジアム近くの
旧財務省?のZAIMという
煉瓦造りの建物の1Fにある
Cafeのオープンテラスに
詩人達で集い、
テーブルに置いた灯を囲んで
詩を読んですごしました。 ....
闇の中に棲んでいた
私にとって
貴方は
唯一見ることの出来る
光だった
死ぬことが幸福
そう信じてた私
生きることは痛み
そう思ってた私
....
出口のない体を従わせています
この艱難を
慰める晴れ間は心地よすぎて
そろり、
エックス回目の脱出
背中には
気のせいのような
居場所
と呼んでいるのだが
穴のような
明日を内 ....
奪われないので
今日もひとり分を生きた
果てのない風船の暗闇で
惑星の君が手をふっている
伸びる道は無限に存在し
いつでも繋がっていると同時に
いつでも一定の隔たりがあり
謎 ....
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