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もう
足が動かないなら
座っておりましょう

喉が痛いので
風邪薬を取ってください

咲子さん、
あなたに言っています
聞こえませんか
咲子さん、
薬棚の前で思いを馳せている ....
咲いてゆく音が
きこえます

川が
はじめて山をなすこころ、
そういうものが
乱れていきます


置いていかれることも
置いていくことも
じつは
まったく
同じこと
 ....
生まれてきたからには
生きるしかない
生きるからには
闘うしかない
闘うからには
勝つしかない
一点突破
全面展開
最後に勝ち名乗りをあげるのは
俺だ
私は雨に浮かれ
溺れた蚯蚓
今はもう動かない

微かな夢を抱いたまま
甘い波に飲まれて沈む
此の時初めて
手足の無きことを
憾んだかもしれない
抗うためではなく
ただ泳ぎたかった
 ....
娘とふたり
バスに揺られている

おまえが置き去りにした
ウサギの手さげ袋は
そのままバスに乗って
湖近くの営業所まで
運ばれたらしい

忘れ物はぜんぶ
そこへ運ばれてしまうのだ
 ....
 
掌は舟
温かくて何も運べない
体液を体中に満たして
今日も生きているみたいだ
塞ぎようのない穴から
時々漏らしながら

階段に座って
ラブソングを歌ったり
駅前の露店で
プラ ....
ずっと気になっていた喫茶で
ブルーハワイを頼んだ
まるいグラスに注がれた液体が
一瞬で差し出された

ストローで青を吸い上げた
地球から北半球が消えてしまった
南へ行くほど薄くなって ....
皇帝夫人の指輪は 不思議な宝石みたい
疲れを癒やしてくれる 光を放ち続ける

夏は赤く輝いて 冬は青く輝くんだ
是非とも手に入れたいな オイラのモノにしちゃいたい

  あの怪盗ルパンも  ....
貴方に抱きつこう。

ぎゅっ。と優しく。
好き。って言葉を
染み込ませるように。

あたしに貴方が重なって

触れ合って

抱きつこう。

貴方のこと、嫌いじゃない。

好 ....
わたしの声帯から延びた
蔦が
ビリジアンの意地悪だった
集合体は頑丈で 瑞々しい
唇をつたって、ずるずると
出ていく
あのひとの唇をつたって
入っていく
 取り返しのつかない色
 取 ....
まぶしい雨が
わたしのひたいに落ちて
ぽとん と
奏でた
それは総天然色の
はかりしれない次元の
やさしさ

おもっていることが
おもっているように
雨は降るのだろう
だとすれば ....
トリスタン・ツァラの
傷ついたガラスの翼が
電線にとまっている
厚い黒雲の下
かすかな光を受けて

誰でもない誰かの夢の投影機
初期宇宙のスープの中を漂っていた
清潔な怒りは
未来で ....
さんすんさき 目のまえの空がやみ
そこからまばたきをしはじめる
視られないあいことばをふりかけにして
だれかがシャンプーのためにかがむとき
にがみの背後で
あわはぱちぱちとしていた

か ....
川の終わる街、海の始まる街
埋め立て地の煙突は
今はもう消えた海水浴客の嬌声を響かせながら
夏の日にゆらめいている
コーンスターチのむせ返るような匂いは
街の健康的な精神の象徴として
寛容 ....
なるべく嘘は吐きたくないんだ
綺麗な部分だけを見せていたい
完璧な人間じゃないから
恥ずかしい部分だって一つや二つある

だけど一期一会の連鎖の中で
信頼してくれる人にめぐり会うと
無性 ....
なぜかラッキョが無性に食べたくなって
ラッキョ探しの旅にでた

町を捨てよ、うちに隠ろう
そんな兆しに敢えて逆らってみようと
チャリで走る四谷四丁目交差点
ふと見上げれば鷲ならぬ天使の舞い ....
死んだおじいちゃんが
君が気づかないように
枕元にチケットを置いた

太陽の管弦楽
冥王星が吹き飛ぶ 重厚な音の味

 ご招待 官能のGORGEOUS TIME

トトロには影が ....
小指の腹を、刺し子針が通り過ぎた。

私が絡ませた黒い糸をほどいていた貴方が、
視線を、
私の小指におとした。

流れ出る鮮血が、
小指の先の血管にまで巡って、
そのあと、
真っ ....
落ちてゆく
夕陽の触り方を
知らない子どもが多い
つるりと
何のためらいもなく
なで回すと
とたんに飽きてしまう
そうして
バイバイと手をふって
見送ってしまうのだ
そんな
少し ....
いつでもそうだなと
思うときに熱くなる胸の芯を掘り出す
それはいつも白くて冷たい指で
見知らぬリングをはめている

掘り出されたものを
届ける先を知らないので結局
夜の繁華街
閉店 ....
{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}


(一)

「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」

カーバイトランプに照らされた
みか ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
片手で空中にまるをつくる
親指をくちびるにもってゆき
その場の空気を吸い込む
恐怖も限界も肺にためつつ
決して傾かず真っすぐに息を吐き出す
履き心地の悪い靴なんて捨てちまいな  ....
魂ヶ崎 


たましいがさきで会いましょう 

希望の岬で会いましょう 


あなたが飲んだ、その泥までも
あなたが裂いた、その腹までも 

すべてを洗い流した場所へ
 ....
地下鉄のホームで靴のかかとが踏まれてる

なんかいもなんかいも踏まれるのでホームの
トイレの個室へ踏まれながらかけこむ

ホームのトイレの個室でも踏まれる

ああなんだガム踏んでたのか
 ....
紫陽花色のこんぺいとう
ゆびさきに光る珊瑚の欠片
ひとつ、ふたつ
舌にのせ、届く甘さ
がりがりと噛み砕き
喉を通る苦さ
                   一
 
 どことなくうすぼけたひかりのてらす、砂浜だった。
 ここには、風のふくけはいがない。うち寄せる波もない内海がひろがる。海は、あるいは死んでいるかの ....
プキ魂
卑屈ダンス
侍待ち
迫害権
油田貧乏
不謹慎煮
打擲団
二段変身願望
先進国大ハッスル首脳会議
ダミーカメレオン
不注意ボタン
モダンチョメチョメ
ソクラテス弾
けっ ....
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