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二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです

 私の言葉は上手でしょうか
 そんなことよりも伝えたいことの、
 たとえば月の輪郭を
 なぞる指 ....
空に平行線をさがしてみます
飛行機雲も虹も
いつか山の端と交差して
対角は等しいのです
さっき雲の切れ目から
幾筋もの平行線がさしていましたが
やはり水平線と交差して
錯角は等しいの ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか

水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
あの街についたら
私は歩くでしょう
確かめるために
間違いなくそこにいた
影というかげを集めて

空がまぶしすぎると
鳥は切り絵になります
川面はしわくちゃにしたホイルみたい
いいか ....
海から流れてくる雲を
ぼんやりとながめていると
失われた呪文を思い出します
焼き締めた土人形を
たたき割るときに
病んだひとの名を呟く
あの、呪文

  鳥取の冬空は
  ほんとうの ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って

失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
雨滝に続く道は
聖堂のように光がそそいでいます
昼下がり、ステンドグラスの森が
橋に季節の色を映して
敷き詰められた落葉の絨毯は
通り雨の跡のように
濡れていてるのです
長い階段を下りて ....
(暗い、くらいと
 ペットボトルを噛みつぶす響き)

クリック感の強い部分を
組み合わせて伝えようとする
瞬く、赤い
待機電灯の暗がりで
水槽のような
窓に浮かび上がるのは
存在 ....
月を遠ざけるものを捜して
迷い込んだ森

薄紙で封印された
わたしを引き裂いて
生まれてくるものがある
皮膚がわたしを押さえつけていた
だから、だ

破りとられて流し続ける
温かい ....
蝉のように
最後の一週間で
羽化してみたい

  飛べるだろうか

そんなことより
左手と右手の違いについて
考えている
ついでに右目と左目について
も、ちょこっと
やはり
 ....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている

風車越しに月を掴もう ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために

    ....
歯ぎしりをしながら
指先に体重を預ける
命綱もつけずに
会いに行く、クライム

すこし、愛することのよう
好きとかって感情じゃなく
歯ぎしりをしながら
名前も呼ばずに

後悔しない ....
 
知らないことが多すぎるけど
それは知りたい事じゃない

空が青いときは
 夜の暗さを忘れるように
  星空を見上げるときは
   雲の形を忘れるように
    二人はずれていく、す ....
海岸線のガードレールでもなく
尾根を越えていく高圧線でもない
届こうとするものは
いつも不完全で ただ
どこか、まで続いていく

アルシオネの円周でも
火星が結ぶ軌道でもない
繰り返す ....
猛禽がやたら低く飛んでるな

  なのはなにしずかなあめ
  なのはなにしずかなかぜ

桜の花びらに埋もれた
側溝のたんぽぽ

   散って舞う風流よりも
   舞って発つ、汚れても ....
僕の暗がりに
三十四回目の月が生まれ変わる
前世も月だ、その前世も

それを証明するために
この手は螢石をみがく
やがて銀河の形の指輪を飾るために

暗がりの天蓋がひと巡りする
シリ ....
  チェーンがディレーラーをすり抜ける音
  始まりのいつもの儀式
  数秒間の加速のあと静かに静止する
  制動機の動作確認、これも儀式
  そして百メートルごとの加速機を通過しながら

 ....
 雪雲が切れたようだ。陽が射すと季節が春へむかっているのがわかる。公園の駐車場で休憩としよう。座席を後ろに倒して窓をすこし開ける。エンジンを止めてガラス越しの青空をピラーで切り取ると鳥のさえずりが聞こ ....
norifさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(20)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
はかれない、すなどけいでは- たりぽん ...自由詩18*09-1-31
月の輪郭、風の影- たりぽん ...自由詩19*08-12-22
そらに、へいこうせん- たりぽん ...自由詩6*08-12-3
スパイ- たりぽん ...自由詩15*08-11-28
あの街についたら- たりぽん ...自由詩6*08-11-26
土偶- たりぽん ...自由詩8*08-11-20
さかなのよる- たりぽん ...自由詩32*08-11-15
橋、滝に続く小径で- たりぽん ...自由詩7*08-11-13
いらだつ祝日の、- たりぽん ...自由詩608-11-4
あわせかがみ- たりぽん ...自由詩22+*08-10-19
うつしみ- たりぽん ...自由詩808-10-3
胸の前で祈るように携帯を- たりぽん ...自由詩22*08-9-27
冬の港で生まれた- たりぽん ...自由詩24*08-7-18
クライム- たりぽん ...自由詩408-7-14
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ツォルキン・ステップ- たりぽん ...自由詩20+*08-5-6
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アポロ・シンドローム- たりぽん ...自由詩708-4-15
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