手荷物を運んでいる途中
手荷物の無い手で触って欲しい、と人に言われ
代わりに国鉄時代の記念切符をあげた
質感が気に入ったようで
喜んで人は去っていった
遠くから連れてきた犬を飼い
笑っ ....
バスは満員
電車も満員
ひとびとは水底に四角くならんで
青くひかる
ぶつかり合わない程度に
ゆれあい
いつか
自由になれるんだろうか

乗り物を降りると

豆腐屋が通りを ....
耳鳴りよとおい世界の渦巻よ花降りやまぬ春は まだか

吐瀉物もわたしだったということを忘れてしまいそうになる朝だ

動脈のあたりに鴫がたっていて今年最後の日曜日、はれ

ひとつずつやりたい ....
夜はごうごう
手足はしろく
わたしを売って
あなたを買おう

頭のないロボットが
あざやかなシュートを放つ
鍛えぬかれた一秒が
光ることなく埋葬された
不在の生誕日に花を添える
囁いたうたとともに
沈黙がいつまでも響いている
歌声は掻き消されて
漣の向こうには届かない

弾かれないギターは煙に巻かれて
どこまでも静寂のなかにいる
わた ....
【はじめに】

 2月15日をもちまして、HHMは完全に閉幕します。ご投稿くださった皆様、投稿作を読んでくださった皆様、現代詩フォーラムやTwitterでリアクションをとってくれた皆様、ありがとう ....
 スズメが電線に6羽と25羽並んでいる あっ もう 6時半だから起きなきゃ 海を泳いでいるスパゲティを食べた よく噛んで すすった先に腹の虫がググルと鳴る 右肩を投げると、えいや とボールは世 .... そんな事実まみれの話をしないで。


朝、光のふりそそぐ首都圏に溶けだしたチョコレートのせいで、つ
づいていく肥満児の行進。破綻した都市計画が描くメープルシロッ
プ、キャラメ ....
トンボになって飛んでいた。
桜の木もすっかり葉を落とすころ。
トンボの翅はなにも思考せずに
ただ
トンボのこれからを ひたすら羽ばたいていた。

大きなビルの大きな木陰で
すこしばかりの ....
■僕らが17歳だったころ

1971年。17歳の南沙織は「17歳」という、そのまんまやーん!な曲名をひっさげ、鮮烈なデビューをかざる。
そしてその18年後の1989年、同曲のカバーが森高 ....
すごく遠くにやってきた

生まれた町は温かで
仲間がたくさん笑ってた

すごく遠くにやってきた

車に乗ってぐんぐんと
お茶もお魚もいない場所へ

幸せにって言われても
いまこの ....
強くゆきすぎるものがある
  揺れる信号機
 交差点を走るのは
   車ばかりじゃなく
あまりの
 (不可視の)
 存在感に
  帽子をおさえる
    目をつむる
   スカートを ....
昨日レンゲの花を踏みました
レンゲはわたしの足の下で
花びらを押し花みたいに広げて
首のところをぽきんと折って散りました
わたしは裸足でした
足の裏でレンゲの蓄えた冷たい水分がしゅんと染みて ....
夢でしか会えない貴方
声を忘れた貴方

最後に会ったのは
櫻の代わりに大輪の華が濡れる
肌寒い日

また出会えると思っていた
また話が出来ると思っていた
また貴方の顔が見えると思って ....
もう
よっこらしょ
なんすよねー
後ろ姿は去年と同じ

おひさし
やっちゃったねー
はいー
やっちゃいました
猛スピードで
あはは

疎開出産
じゃなくて
いや
ほんと ....
きみはキッチンに立って
フライパンで喋りはじめる
押したり引いたり
きみが規則正しく振るたびに
フライパンが言葉を紡ぎだす
それは、
「美味しいですよ」とか
「残さず食べてね」とか
そ ....
やっぱり寂しいんだようと言って最後の最後でわたしが泣くと
うわーーこいつ泣いたよきめえ
といつもの調子でみんな笑った
それからいつもみたいにじゃあねと言って
それぞれ走り出したばかりの市バスに ....
ていでんのよる
きみとみていた

あのよぞらを
わすれない

ほしでみたされていく
あのよぞらを

いきのびて
みていたよるを





せいぎのみかたは ....
花言葉が咲いている
まだ形も色も匂いもないのに
言葉が先に咲いている
なんという幸運
すれ違う人々の声も
花言葉のように咲いている
みんなそれぞれ
誰かの花なのかもしれない
 ....
彩度が低下して冬
のような気がしている

けれど見上げれば鮮やかな
空の青

空っぽの空の青

透きとおるってどんな気持ちだろう
こんな空の下ではすべてを見透かされそうで

網膜 ....
月にいちど血の塊を産む
生まれなかった卵と一緒にトイレに流す
私の体は痛む
痛みは臍の下から生まれて体中に(つま先までつま先まで)
それは生まれなかった卵の為に
じんじん じんじんと

 ....
  緑のべ
  胸の静かな鳥、飛んでる  嘴鳴子 (呼びやる、手がさざなみだ)
  ぜんぶがぜんぶ静止画のようにただの一片を切り取った
  狭いから 気をつける  体を食べる線に 付き合う
  ....
誕生日おめでとうと言わないでと言われたから、言いません
だけどそれはあなたの本心ですか
それともつらかっただけですか強がっただけですか
どうか わたしのためでなければいいのだけれど
憎んでも忘 ....
※アメリカのライト・ヴァースの経緯については「ライト・ヴァース雑感2」をお読みください。→https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=215625


こちら、 ....
展開する君が散り やがてそのまま上空へ還るだろう
青冷めた真四角が熱を失くし ひらひらとたゆたうようにして髪を透かした
片手に本 片手に針を持って君は
発光する翅片を集めて 擦りよせる額で標本を ....
男と女のことを白昼の往来に叫ぶのはよそう
ほらあんなにも冷たい視線が僕に向けられて
それだけでまた少し勃起角が上向きになって
巡査と巡査部長が早歩きにこちらへ来るから
男と女のことを白昼の往来 ....
鉄屑が降り続くから傘をさす。

Headphoneから流れる音楽に陶酔、している、ゆらゆらと。
正しさを祈りながら、リズムの上を歩いている。それが安定しない直線の歪みであっても、悲しくはなか ....

衣替えが近いので
冬服を夏服に入れ替えることにした
天袋の奥にしまいこんでおいた段ボール箱をおろし
夏服を一枚ずつ箪笥の引出しにおさめてゆく
最後に
去年の夏によく着ていた
さくらん ....
・国語

休み時間 机の上に伏せられた教科書はみな鳥のかたちで

「死」という字を習い17年経つが何故か未だにうまく書けない


・算数

「算数は嫌いなんだよ数式の突起みてると痒く ....
雨が降り出して、どうしようもなく温い空気の中
親指の爪の赤い色が濡れていくのをじっと
見つめたままでいるのは、ただ一人きりの私で

傘なんて必要ないと
駆け出した姿を
ガラス窓の向こうで見 ....
木屋 亞万さんのおすすめリスト(242)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
手荷物- たもつ自由詩12*23-4-12
豆腐のうた- 自由詩17*21-1-31
2013→2014- 魚住蓮奈短歌11*14-1-4
テレビ- はるな自由詩913-12-21
1月25日- 高瀬自由詩413-2-15
HHM講評- 香瀬散文(批評 ...713-2-15
ケーキ屋の店員は幼げで_でも二人とも胸が大きい美人!_とかな ...- ヨルノテ ...自由詩212-12-23
不思議ちゃん無双- しもつき ...自由詩17*12-11-10
空あります- 草野大悟自由詩10*12-11-9
しもつき七さんがオバさんになっても(HHM開催にあたって)- コーリャ散文(批評 ...20*12-11-7
嫁入り- naru自由詩212-11-2
三月の街のためのオード- 佐々木青自由詩512-4-27
レンゲ- とんぼ自由詩512-3-26
手紙- 平沢ちは ...自由詩211-4-4
9months- umineko自由詩6*11-4-3
フライパン- Tsu-Yo自由詩711-3-25
くそやろうたちへ- とんぼ自由詩3+11-3-24
余震- 小川 葉自由詩1211-3-13
なんという幸運- 小川 葉自由詩4*11-3-1
寂色の冬- kauz ...自由詩8*11-2-26
しっぽのついたいのち- とんぼ自由詩1610-12-12
打ちつけられて- 嘉村奈緒自由詩1510-8-5
畳の部屋のあなたへ- とんぼ自由詩210-7-30
ライト・ヴァース雑感- ふるる散文(批評 ...20+*10-7-22
透明標本- 水川史生自由詩110-7-9
男女- セガール ...自由詩410-7-3
- 水川史生自由詩1*10-6-21
家事をするけだもの- 吉田ぐん ...自由詩21+10-5-24
教、育- 吉田ぐん ...短歌3710-2-9
ダメになる日- いのせん ...自由詩209-11-6

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