すべてのおすすめ
きみはキッチンに立って
フライパンで喋りはじめる
押したり引いたり
きみが規則正しく振るたびに
フライパンが言葉を紡ぎだす
それは、
「美味しいですよ」とか
「残さず食べてね」とか
そ ....
君の右眼は
スピードメーターになっていて
時速はいまや
300キロを超えようとしている
そんな夢を見て目覚める
とりわけ悲しい夢でもないが
涙を流す理由は充分に内包していると思う
....
高い所から見下ろした街には
やさしさ みたいな光が
たくさん走っている
その一つひとつが
ゆっくりと目蓋を撫でて
今日の寒さを忘れさせてくれる
どうしてだろう
遠く離れてみた方が
....
真夜中に突然、玄関が開いて自分が帰ってくる
という光景を、ベッドの中から眺めるのは
とても不思議な気分だ
ああそうか、俺死んだんだよな、昨日の朝
死因は自分でもよく分からないけれど、
きっと ....
*
澄んでいく記憶の端から
水色の汽車が走り出します
ため息や欠伸といった
水によく似たものたちを
揺れる貨車に詰め込んで
透きとおる空の下
滑らかなレールの上
どこまでも
どこまで ....
クジラは人間の
小便が好きだった
防波堤の影に隠れて
小便をする人間を見つけては
そおっと近づいて
その慎ましやかな水の流れを
うっとりと眺めた
もしあそこに
小さな虹が架かったら ....
〈海辺にて〉
水平線に帽子を被せている人を見た
世界と対等に向き合うということは
それほど
難しいことではないのかもしれない
子供たちに蹴飛ばされた波が
海の向こうで
砂浜に描かれた絵を ....
木屋 亞万さんのTsu-Yoさんおすすめリスト
(7)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
フライパン
-
Tsu-Yo
自由詩
7
11-3-25
速度
-
Tsu-Yo
自由詩
2
08-5-16
やさしい人
-
Tsu-Yo
自由詩
5
07-10-11
擬態
-
Tsu-Yo
自由詩
4*
07-10-2
水色について
-
Tsu-Yo
自由詩
14
07-9-3
クジラの小便
-
Tsu-Yo
自由詩
17*
07-8-20
考察
-
Tsu-Yo
自由詩
5*
07-7-29
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する