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今夜も
うちの犬と猿が騒がしい
/妻、戌年、息子、申年

犬猿の仲とは言うけれど
喧嘩するほど仲がいい
とも言うんだな

だから毎日大賑やか

おれは酉年
鳩は、クル ....
あんなに抱いたり
キスしたりしていた妻が
今は物体のようにそこにある

その物体も
私のそれと同じように
いつかどちらかが先に
物体ではなくなるのだろう

あんなに抱いた ....
もし今
自分が百歳だったなら
その時代をどのように後世に伝えるか
その時代をどのように感じていたか
本当はその時代がどうあるべきだったのか
百歳の老人は
その時代を
そのよう ....
 
 
豆まきをして鬼を追いかけているうちに
私は鬼に追いかけられていた
どこまで行っても鬼は終わらない
だから私は追いかけて
追いかけられながら
ひとつの時代を走りぬけることにした
 ....
子供が育ってくると
この世に未練がなくなっていく
休日は外食したいとか
趣味をまたはじめたいとか
生きてるうちに
一度は海外に行きたいなとか
昔あったはずの欲望が
次第に枯れ ....
愛は真実
愛は変わらないこと
うちの母ちゃんが言っていた
余計なことは言うなと
余計なことを言わなければ
愛は永遠
しかし私たちは
余計なことを言いすぎた
余計なことばかり ....
毎晩ネットで
ばかなことばかりつぶやいてると
ばかな女があつまってくる
あたしのばかを
代弁してくれてありがとうと
ご丁寧にお礼をなさる
みなりっぱな
女のひとばかりなのだ
 ....
夫婦喧嘩しながら
酒を飲む

楽しい酒ではないけれど
つまみのイクラを
一粒一粒舌で潰しながら
時が過ぎていく

その一瞬にも
互いの言い分が述べられて
これは生きてい ....
 
 
樹木のセミヌードに歓喜する
セミヌードの樹木たち
きっと葉っぱが衣服なのだろう
じゃんけんで負けた方から
一枚一枚脱いでいく
かつて人だった頃
そんな大人の遊びがあった
フル ....
 
 
ことばは
しょうじきなのだ

できないときは
できないと
わたしにいわせる

むりなことは
むりだと
わたしにいわせる

わたしよりさきに
いきものなのだ
ことば ....
 
 
一週間ほど、産卵床を守り続けていた雌鮭が
力尽きて、下流へ流されていった

鮭の婚活が終わった

命から命へ
そのために、生まれてきたかのように
産卵した雌鮭は、100%、死 ....
そのタイムマシンに
乗りこんだなら
盆正月で
それぞれ一週間だとして
一年に十四日しか
家に帰ることができない

十年で百四十日
ゴールデンウイークを含めても
一年に満た ....
わたしがこの世に生まれた
次の瞬間
ご注文はお決まりですかと聞かれた
わたしはニシン蕎麦を注文した
ニシンも蕎麦も
食べるのははじめてだったのに
へいお待ち、と言われて
ニシ ....
道ばたに金メダルが落ちていた
近くにはテレビも落ちていた
少し離れたところに
金メダリストも落ちていた

それらを拾って
交番にとどけると
お巡りさんがテレビを見ながら
感 ....
  
 
父の隣の病床に
テレビが入院した

治すよりも
買い替える方が安いですよ
と医院長は言ったまま
ろくな治療もしない

翌朝テレビは死んだ
 ....
蝉が鳴いてると思ったら
お隣の山田さんだった

いつものように挨拶すると
蝉になるしかないですね
と、いつもの声で山田さん
その後ふたたび
蝉の声で鳴きはじめた

わたし ....
息子もいつか
フルーツパフェに登りたい
などと
わけのわからないことを言って
この家を出ていくんだろう

わたしもかつて
プリンアラモードに登りたい
と言って家を出たけれど ....
海の上を歩きながら
探し物をしている
水平線に
今日も日が沈んでいく
月明かりの下
見覚えのある親子が
海水浴している
あの頃わたしたちは
家族だった
お金を数えていたはずなのに
気がつくと
銀行の人は星を数えていました
こんなにたくさん
どうやって集めたんですか
と尋ねるので
生まれた頃からあったと言いました
使いきれない ....
十年後のことばかり
考えないで

今日のことを
考えよう

なぜそんな簡単なこと
できないんだろう

十年後にも
今日はあるのに
褒めれば褒めるほど
良くなっていく

今宵の
冷奴のように

豆腐屋の亭主が
やけに明るい

豆腐に
褒められたのだそうだ
茎を切り取ると
キャベツは息を引き取った

葬儀は
スーパーかコンビニ
あるいは古風に
八百屋で

買ってきた
キャベツを刻むと

青虫の
お坊さんが出てきた
 ....
蝉のプラモデルを買った
部品をよく確かめながら
組み立て方を見て作った
完成した蝉は
少し違う形の虫だった
説明書に完成したら
ボタン電池を入れ
冷暗所に保管
と書かれてあ ....
はるのあらしが
ふきあれている

まだなまえのない
そらがつちを

かみなりでおどし
かぜでまきあげても

いのちないものが
なおここに
はこにはいって
きみはやってきた
とおいそらから

はこをあけるまで
そのすがたは
きみにもわからない

さしだしにんは
くうらんだった
そこにわたしとつまの
なまえ ....
解けない誤解なら
いっそのこと
編んでしまえばよかった

美しい
セーターにして
きみに贈ればよかった

ありがとうと言ってくれた
その嘘も
本当のことも
ルールを忘れた
隠れん坊の鬼
もういいかいも忘れて
まあだだよを聞いている

年月は過ぎ
西の空から
日暮れになると
たくさんのもういいよ

さがす人は
もういない
 ....
きっと
僕らは水なんだ
低い方へ
低い方へ流れる
水なんだ
今は遠く離れていても
おなじ海に
たどり着くまで
しぜんを
かんさつしたいけど
このしろいたてもののなかで
はたらいてばかりいるから
しぜんをかんさつすることは
できないとおもっていた

なのに
このしろいたてものの
な ....
道端に人が横たわっている
居眠り運転の自動車がやってきて
定刻通りに轢き逃げしようとしている
その間にも私には守るべき家族がある
見なければ見ないことに出来たその人にも
同じくら ....
殿上 童さんの小川 葉さんおすすめリスト(70)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
犬と猿と鳩- 小川 葉自由詩413-2-25
夫婦- 小川 葉自由詩413-2-25
百歳- 小川 葉自由詩313-2-18
節分- 小川 葉自由詩913-2-3
命のリレー- 小川 葉自由詩14*13-1-29
- 小川 葉自由詩413-1-23
ネット詩- 小川 葉自由詩713-1-8
夫婦喧嘩- 小川 葉自由詩1212-12-20
樹木のセミヌード- 小川 葉自由詩7*12-12-5
ことばはいきもの- 小川 葉自由詩1112-11-29
鮭の婚活- 小川 葉自由詩812-10-23
上京タイムトラベル- 小川 葉自由詩412-8-29
注文- 小川 葉自由詩412-8-26
オリンピック- 小川 葉自由詩5+12-8-6
テレビ病院- 小川 葉自由詩412-7-9
蝉の山田さん- 小川 葉自由詩412-7-7
男のデザート- 小川 葉自由詩11+12-7-6
海水浴- 小川 葉自由詩512-7-6
星空銀行- 小川 葉自由詩13*12-6-28
十年後- 小川 葉自由詩512-6-21
褒章- 小川 葉自由詩112-6-21
供養- 小川 葉自由詩412-6-18
部品- 小川 葉自由詩4+12-6-7
春の嵐- 小川 葉自由詩311-5-8
はこ- 小川 葉自由詩811-2-24
美しい誤解- 小川 葉自由詩6*11-1-19
ルール- 小川 葉自由詩311-1-16
海へ- 小川 葉自由詩311-1-14
あったそこにあった- 小川 葉自由詩511-1-8
友達- 小川 葉自由詩411-1-7

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