すべてのおすすめ
 
 
僕の中で爆発する
バクとハツ
バクは奇蹄目バク科バク属に含まれる哺乳類の総称である
ハツは架空の人物、性別は女、推定年齢七十歳前後
幼少の頃、本家から分家に養女に出される
分家の ....
 
 
下着売り場で羽化したセミたちが
越冬のために南へと渡って行くのを
ぼくらは最後まで見届けた

空の遠いところにある白い一筋の線
あれは飛行機雲じゃない
だって、ほら
指で簡単 ....
 
 
深夜の冷たい台所で
古くなった冷蔵庫が自分で自分を解体していた
もう冷蔵庫であることに
いたたまれなくなったのだ
時々痛そうにはずしたりしながら
それでも手際よく仕事を進めていっ ....
 
 
もっと簡単にあなたを愛したい
複雑な手続きなど経ることなく
もっと簡単に
もっと簡略に

僕は僕の皮膚を越えて
外に出て行くことはできない
僕から出て行くのは言葉
それは様 ....
 
 
このこんにゃくを探しています
家族同様に可愛がってました
見かけた方はご連絡ください

という貼紙が電柱にあった
家にあるこんにゃくに良く似ていたので
書かれていた住所のところ ....
 
 
こんにゃくの降る街を
君と歩く
手をつなぐのは
二人に手があるから
理由はそれだけでよかった

子どもたちが積もったこんにゃくで
だるまを作ろうとしている
それは無理なこと ....
 
 
上り列車の中を
下り列車が通過していく
線路脇の草むらでは
無縁仏となった墓石が
角を丸くし
魂と呼ばれるものの多くは
眠たい真昼の
些細な手違い
ひと夏を
鳴くことで生 ....
 
 
泡の中に階段
階段の突き当たりに崖
飛び込んでごらん、ウールだよ
と言って
飛び込んでいく民兵たち
砕け散ったポケットの中に
鉄屑
こぼれ落ちた鉄屑の雫で
埋め尽くされた野 ....
 
 
夜半から降り始めた砂が
やがて積もり
部屋は砂漠になる
はるか遠くの方からやって来た
一頭のラクダが
もうひとつのはるか遠くへと
渡っていく
わたしは椅子に腰掛け
挨拶を忘 ....
 
昨日より冷たい君の
手を引いて
坂道を上る
君の腕が肩から
肩から抜けてしまわないように
そっと引いて上る

途中、誰がつくったのか知らないけれど
昔からある赤茶けた工業地帯が
 ....
 
 
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている

子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊び ....
 
これ、以前に頼まれていた資料です
と小田さんの持ってきたコピーが
湿っている
海に行ってきたんですよ
小田さんは微笑んで
きれいな巻貝をお土産にひとつくれた
去っていく小田さんの髪や ....
 
 
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる

その帰 ....
 
 
部屋にハンカチが落ちていた
ふとした拍子、の形のままに
それから
洗面所で好んでよくうがいをし
何本かの正確ではない平行線を引き
人が衰えていく様子を眺め
時に貧しい正義を振り ....
 

電話回線の中をひとり歩く
途中、水溜りのような海がある
工事のためしばらく混線する恐れがあります、と
電話会社から通知書が届いたばかりだった
仕方なく簡単な水遊びをする
ふやけた体 ....
 
 
薬が切れて震える父を
抱えてベッドに寝かせる
布団のしわなどが気に入らないと眠れないので
抱き起こし、位置を変えてまた寝かせる
そんな作業が延々と続く
父にとって毎日の睡眠とは
 ....
  
水槽を抱えて
列車を待ってる
水槽の中には
やはり駅とホームがあって
幼いわたしがひとり
帽子を被って立っている
ある長い夏の休みの間
ずっと被っていた帽子だった
水の中もやは ....
 
 
タンポポを一輪だけ摘む
何も知らない貨物列車とすれ違う
水のように冷たいものを売っている所はありませんか
と、男の人に聞かれ
あっち、と指差す
あっち、に何があるのか行ったことは ....
 
 
朝起きて、俺
ヘビと戦った
その日はとにかくひどい洪水で
俺の大事にしていたポシェットも流され
銀行などの床も水浸しになり
家の冷蔵庫は野菜室まで水が入り込み
それでも、俺
 ....
 
 
くにゅくにゅ列車が
小さなバス停にやってきて
ダチョウを三羽乗せて行った
ダチョウたちが仲良く
キャラメルを分け合っているのが
窓の外からも
なんとなくわかった
何も無い妹の ....
 
 
並んで座っている父が
僕にもたれてくる
落っこっちゃう、と言って
体を預けてくる
床から目まで
わずか数十センチの高さが
怖くて仕方ないのだ
ねえ、お父さん
お母さんや僕の ....
 
 
商品棚に並べられた
きれいなゼリー状のものに囲まれて
カイちゃんが笑ってる
時々ふるふると震えて
何も言わない

床に落ちている
貝殻や干からびたヒトデを
二人で拾う
昔 ....
 
春が死んでいた
花びらもない
あたたかな光もない
ゼニゴケの群生する
庭の片隅で

地軸の傾きと公転は
果てしなく続き
生きていく、ということは
傲慢な恥ずかしさの
小さな積 ....
 
 
海の匂いがする
わたしが産まれてきた
昔の日のように

テレビの画面には
男のものとも女のものともわからない
軟らかな性器が映し出され
母は台所の方で
ピチャピチャと
夕 ....
 
 
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく

月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
 
 
街がある
人が歩いている
速度と距離がある
自動販売機に虫がとまっている
市営プールのペンキがはがれている
バス停に男男女男女
窓がある
死体がある
死体の側で泣いている人 ....
 

目の見えない猫に
少年が絵本を
読み聞かせている

まだ字はわからないけれど
絵から想像した言葉で
ただたどしく
読み聞かせている
 
猫は黙って
耳を傾けている
少年 ....
 
 
エレベーターが
捨てられていた
たくさんの
手向けの花を積んで
 
吹いている風には
少年の掌のように
静かな水分が含まれている
 
花を一輪
もらって帰り
小瓶に活 ....
 
一枚の雨
窓しかない列車が
なくした足を探していた
わたしがいたら
遊園地がある
その先端の細っこいところ
かわいそうな叔父さんの観覧車は
とても鮫だらけなので
わたしはひとつひ ....
 
 
象といっしょに
列車を待ってる
朝からの温かな風が
服の繊維をすり抜けて
僕のところにも届く
こうして春になっていくんだね
明日はまた寒くなって
雪が降るそうだ

昔、象 ....
あおばさんのたもつさんおすすめリスト(714)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
爆発- たもつ自由詩810-3-5
白紙委任状- たもつ自由詩810-2-17
手紙- たもつ自由詩2510-2-16
もっと簡単に愛を- たもつ自由詩2110-2-3
こんにゃく(ろく)- たもつ自由詩610-1-29
こんにゃく(ご)- たもつ自由詩810-1-28
ひと夏- たもつ自由詩1110-1-12
ノイズ- たもつ自由詩1310-1-6
記憶- たもつ自由詩1610-1-4
接続詞- たもつ自由詩1109-11-17
初雪- たもつ自由詩2409-11-5
巻貝- たもつ自由詩1009-10-23
ブランコ- たもつ自由詩3509-9-26
経過- たもつ自由詩809-9-24
通知書- たもつ自由詩909-8-26
祈り- たもつ自由詩2109-8-17
夏帽子- たもつ自由詩2009-8-4
首筋- たもつ自由詩1509-7-21
ヘビと戦う- たもつ自由詩1109-7-18
くにゅくにゅ列車- たもつ自由詩1009-7-1
恋人- たもつ自由詩1009-6-22
コンビニエンス・ストア- たもつ自由詩1609-5-23
ゼニゴケ- たもつ自由詩1509-4-26
誕生日- たもつ自由詩909-4-25
月工場- たもつ自由詩3809-4-7
- たもつ自由詩809-4-6
絵本- たもつ自由詩3009-3-25
瑞々しい嘘- たもつ自由詩8*09-3-12
虹織- たもつ自由詩709-3-10
はるまち- たもつ自由詩2709-3-3

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