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曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく
うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち
昇るもの ....
暗がりのなか 痛みを見つめる
舐めとるように
呑みこむように
ひとつの静寂と
ふたつの静寂を
片目は聴く
雨が近づいてくる
羽をひろげ阻む
丘に棲むけだもの
....
歯をみがく
歯のすべての面を
みがくように
歯をみがく
いくら丁寧にみがいても
数時間後には
忘れている
だからこそ
細かいところまで幾度も
歯をみがく
....
触れて触れて 粗く
肌が肌に 痛く
どこまでも拙い指きりに
耳をすます
{ルビ白湯=さゆ}の林
そよぎささめき
花を織る熱
冷えて 冷えて
波 海鳥
山の ....
糸の光
曇に沈み
雨は低く
小声 小声
まぶた かけら
冷えて重なり
愚かしさのまま
流れ 昇る
高く積まれたもののなかから
少しだけ見える鏡の先端
ま ....
青銅の扉の
息に合わせて
風はふたつの挨拶をした
返事のないまま
なかへと消えた
粉の光
夜に沿い
まぶされてゆく
錆びた光
消える光
朝になり
窓になる前の窓の ....
奇妙に融けあった
二つのクノップフが
二つの正方形の
触れあうかたちに浮かんでいる
金の枠にふちどられて
腰と背と後頭部を
翼に犯された天使が
無表情 ....
午後 風
上下
光の水
空に触れ
ひろがる波紋
遠くから
ざらざらと
どうしようもなく遠くの原から
やってくる
色のにおい
短く魔を刈るもの
湿のありかを ....
目を閉じた赤子の笑みに触れる花
ひとひらをくちうつしする涙かな
赤子の手何を語るや散る桜
とどまらぬ光の糸をたぐる花
名づけても名づけきれぬ日花 ....
年寄りの冷や水空に撒いてくる
歯ならびの悪い家から歌いだす
技術など鳩に喰われろぽっぽのぽー
見えぬもの見えるから書くそれだけだ
....
限りあるものに呼ばれ
窓をあけ また
窓をあけ
どこまでもつづく
不透明の向こうの
限りあるものに呼ばれ
暮れる色は
知らぬ色
誰かが色につけた名は
そのままその ....
http://tekipaki.jp/~clock/software/
ここからダウンロードできます。
いろいろ分析してみてください。
[解析結果の一例]
人生の成分解析結果 ....
雪どけ水が
氷の下を流れゆき
定まらぬかたちの光となり
坂道を静かに下りてゆく
屋根の上にとけのこる
切れば血の出るような雪
月を聴く
舌を挿す
倒れた ....
夜の空の
黒い花が飛び去る
遠くと近くの二つの雨から
異なる水のにおいが吹いてくる
道から道へ 連なる星へ
祭の砂はふりかかる
立ちつくす者の目に痛い光が
ひと ....
朝 窓
陰の光
風で息づく静物たち
個の
亜の
景色の粒
戯れたあとの汗
雲がたちこめた空
ほんの一瞬 かがやく庭
焦げた葉ずれ音
....
空と空をつなぎながら
連なる交差に溶け残り
雪は火傷を伝えてゆく
遊びを終えた子らの声
原をわたる風のひと粒
熱と痛みが照らす脇道
埋もれかけた細い木のそば
真新しい ....
遅い月に
空は揺れ
鳥は眠り
朝の川を夢みる
冷たい光の下の水
海にもなる
人にもなる
雨の明かりをすぎる鳥
灰の轍をひたす水
幾度めかの浅い冬 ....
背を追いたてる響きがある
歪みを映す光がある
遠い道から見つめるものの目
暗く乾いた熱のような目
異なる滴は異なるまま
鏡を流れ落ちてゆく
やわらかくはならない
....
喰いたくてそこに居るのなら
苦痛だけは残しておいてくれ
苦痛さえあれば
数億年後に詩はふたたび生まれるだろう
間延びした快楽 ....
おひさまは 遠く
おひさまは 居る
どんなにたくさんの子の絵のなかで
ぐるぐるまるに描かれても
誰も見つめることも
近づくこともできずに
おひさまは ひ ....
青い絵が燃えている
二つの円が溶けてゆく
月の上に咲いた花
まぶしさのなかに消えてゆく
いくつもの想いが踊り出す
いくつもの響きが
いくつもの震えを撒きながら
次の ....
空に高く 灰にひとり
思い出の外へ繰り返すもの
夕暮れのない夕暮れを見る
銀の鱗の目に指をあて
器をめぐる光と火を聴く
底にはじける姿たちを聴く
波を走る白い炎が
し ....
骨が雨を引き寄せる
道が暗く輝いている
聞こえない歌がとどろき
鳥はみな飛び去り
海を隠す林は
ほんの少し涼やかになる
荒地の泥が乾く角度で
天使がかしづいて ....
灰は青く巻き取られ
奏でるものと奏でられるもの
かわるがわる入れ替わり
奏でるものもまた響き
明ける光に重なってゆく
小さな声が
小さな世界が
現われては消え現われる ....
原に舞う少女の肩に髪の毛に見えない蛇がうずくまる午後
くずおれた樹と鉄塔は野に沈み過ぎゆくものの夢をみている
花ひとつ口に含んでまた戻し蛇と少女の無言のくち ....
道は水に覆われている
水には雪が映っている
雲も風も星もなく
空は粗く覆われている
灯は消え
曲がり角は軽くなる
貨物のない貨物列車に
持ち上げられては降ろされて ....
左目を右目にあげたのに
右目は涙を流さない
目が覚めたら一緒にごはんを食べよう
そう書いた手紙を残して
眠ったまま逝った人の声が
もう一度どこからか聞こえてくるまで ....
道端で
ガードレールを呑み込んで
冬の蛇が死んでいた
白く 汚く
冷たく 硬く
すべてに背中を向けていた
ひとりの少女が泣きながら
蛇の頭を撫でていた
私は言っ ....
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