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人波の一つ先行く赤とんぼ
信号変わりて人赤を追い
ピアノを弾くみたいに
君の頭を持ち上げて
満月から溢れ出した水の中で
僕らは捻くれた愛情を確かめている
音楽のすごいところは
音楽があるって事だと思うんだ
漫画のすごいところは
絵がある ....
花の{ルビ陰=かげ}は柔らかな光に包まれている
そこは決して暗くはなく
日差しを柔らかなぬくもりに変えて
まぶしさを穏やかさにする
花の蕾に包まれて私は眠りたい
ベッチンの様な花びらの中 ....
小さな小さな箱の中で
僕は不快な虫になった
それはとても静かな箱だけど
時折川の流れの様な音が聞こえたから
多分、人が捨てた河原のマクドナルドの箱の中
僕は小さな虫だから
箱を開ける事 ....
僕は
犬になった
小さな声で
わん、と泣いて
僕は犬になった
犬の生活は
ことのほか難しく
僕にはうまく
泣いたり笑ったり
出来なくなった
ことのほか
難しい事の他は
....
水の上で鴨が死んでいた
鴨が死んでいた所に今日は
ラップで包まれた焼きそばパンが三つ
誰かが冬の川に
凍えたモノクロに着彩をする。
水鳥が笑う
夜のまぶしさに鳥が笑う
いや、命を考え ....
雨の日は床の油と土とが湿気に混ざって独特の匂いがする
信号待ちの小学校の前でそんな事を思い出し
雨だ
僕は歩くのが下手で
いつも靴がずくずくで
傘はその意味を放棄している
風が
....
誰かいますか
この声が聞こえる人が
誰か
いますか
小さな花のように
かわいらしさも無く
大きな雲のように
穏やかでも
達観している訳でもない
この声が聞こえる人が
誰かい ....
すべてはこのバスの中で完結している
ふとそんな言葉が頭を横切る
雨はもうじきあがるだろう
そうして所在無さげに
手すりの傘だけが残るのだろう
老人は窓と小説を交互に眺める
後ろのどこか ....
「春待ちワルツ」
学校を遅刻した日みたいに小さな開放感(バカンス)
ほわほわの光と人気のない道
ワルツのリズムで足を出すのさ
てくてく歩こう寄り道しながら
いち にっ さん
....
なぜ批評ばかりが手厳しい反応を受けねばならないのか。詩のサイトに批評があるのだから、それは書いてしかるべき箇所であり、資格云々の話ではない。それじゃなにか、詩の下手な駆け出しのぺーぺーはフォーラムにア ....
冷凍庫の中で凍っている鍵
温める意味も無くなってしまったそれは
誰の為の鍵だったろう
部屋の掃除をしていると
古いアルバムが出て来た
よくある話
眺めているうちに日が暮れてしまった
....
いつもより少し
上を向いて歩いたらば
いつもなら見えない
遠くの空が見えた
いつもより少し
胸をそらして歩いたらば
いつもは気が付かない
人の笑顔に気が付いた
いつもの道
い ....
ティースプーン2本が
彼の人生の全てだった
安いアルミで出来たそれは
既に古ぼけ
2本重ねてもぴったり合う事は無く
カチカチと無機質な音を鳴らした
男はそれが好きだったし
いつもポケット ....
夕方に無性に悲しくなったので
人参と玉葱とジャガ芋と
それから少し高いお肉を買った
湯気で前が見えなくて良かった
テレビがひとり
笑い声をあげている
その先には何か有ったのだろうか
線路は緩やかに弧を描き
まぶしげに白く光る
僕は改札を後にする
何と言う悲しい道だろう
駅前のロータリーは同じ場所を回り
出口を見つけ出した人だ ....
じいちゃんが夕涼みしてる
静かに 静かに 黙って 黙って
ぼんやりと煙草を吸いながら
縁側の無くなった都会の隅で
ガードレールに座って
車道を眺めながら
時折道端の排水溝辺りから
....
スカートの端をちょっと摘んで
ひらひらと踊ってみたい。
スカートのひらひらは
朝顔みたくてなんとなく可愛い。
なんとなく可愛らしいしぐさに
ひらひらのスカートがあれば
僕はも少し
....
静かなそらを見上げると
無数に星がみえました。
東京では息がくるしくて
毎日仕事に来るたびに
目がかすんでしまいます。
故郷はどうだったろう
そんな事をおもってみた ....