命というカテゴリ
プル式

水の上で鴨が死んでいた
鴨が死んでいた所に今日は
ラップで包まれた焼きそばパンが三つ
誰かが冬の川に
凍えたモノクロに着彩をする。

水鳥が笑う
夜のまぶしさに鳥が笑う
いや、命を考える僕を
そこにある無駄を
笑っているのかも知れない。

年の瀬
除夜の中
花びらの様に舞う雪が
水の中
松明の灯りに照らされた
朱色の向こうに消えてしまった。

日が昇り
松明が消える
水鳥はパンをくわえて空を見る
真白な翼を数度羽ばたかせると
力強く水を蹴り出したその姿は
溢れ出す色彩の中で
とても美しく見えた。


自由詩 命というカテゴリ Copyright プル式 2013-05-26 12:28:08
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