ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの

憧れていたんだ、ワイパーのある ....
寒さが染みてきて
壁から伝ってくる


暖房を酷使しても
革のソファは冷たくて
ふたり絡まりあっていても
耳に吹きかける息が白くにごる


かつて
部屋の中で燃えていた
暖 ....
よあけの、ふかいしずかなタレーの中にも、    
やりきれない嫉妬がまっていて、
ほんのわずかなぼくの不在をうらんでいて、
おそいかかってきたのだ、手にも脚にも。

ひさしぶりの海水の感 ....
それがほしいのだという
網の籠を背負って
捕まえて入れるのだという

静かな息に
舞い上がり漂ったのち
重さを感じて落ちてくる頃に
掴むのだという

小走りに途切れて
靴音の後ろか ....
まばゆさの
明かり障子 前にして
あらゆる形状の輪郭は 
努めて 溶け
まばゆさの内にあり 薄く 美しい水墨のようで
それでいて 
あらゆる形状は 悲しかった


思わせ振り ....
起きたら
三島由紀夫だった

下唇を噛んだら血が出て
三島由紀夫の血はこんな味なのか とか
白くて小さめの歯は けっこう硬いのだ とか

会ったことないのに懐かしむ

せっかくだから ....
おぎゃあ
 
 
 
 
一字一句間違わないように強要された私のからだに
それとなく触れるだけであなたは最前列から並べら
れた裸体ばかり順番に、顔だけは別にするようです
 ....
これは自分の部屋で彼から聞いた話
深夜に泥酔しながらドアをノックした彼の話

とりあえず水を一杯渡すと玄関で倒れ込んでいた彼は
受け取ったコップをじっと見つめたあと床に叩きつける
 ....
これは居酒屋で友人から聞いた話
というより友人の話
その当時つきあっていた彼女に彼は夢中で
まだ若かったけれど 結婚まで考えていた
今の彼は平気で二股三股かけて
平気で女を捨て ....
ほくろが動いてないかたしかめる。

玄関へ行って
あなたの靴に 足を入れる。

私は帽子かけの帽子になってしまったのだろうか。

りんどうを掴む

足首に捲く。
  夕焼けが足りない 一○
 


 これで最後ですよ

と通達された

 あなたのための夕陽はもう残っていません


どうやら
流行りの成分のひとつで
許容摂取量も決めら ....
コーヒーをいれました
二杯
一杯はわたしのために
そしてもう一杯はあなたのために

並木のイチョウは黄色く色づき
風が吹くと何かの音をさせる季節
けれども窓は閉じられていて
見るこ ....
  



Better half なのかどうか


糸瓜料理は
ちょっと手間をかけると
ポチャポチャと
自らの汁にスポンジのように
漂いだす

美味いから食べてみろ
など ....
いずれは大河へ注ぐ源の
細い流れは
野を行く幼子のように
冬の透ける日差しの中を往く
冬枯れて覆いかぶさる
草の葉の下で
岩を乗り越え瀬を転がり
時と戯れる若者の気軽さで
ポクポクサラ ....
霊安室の白い籐籠のなか
ピンクの野の花にうずもれた君の
艶のない栗色の背中から
ひからびた鼻先から
濁った黒目のまわりから
しぼんだ肉球のすきまから
丸々と太ったノミどもが次から次へと ....
「書評」紛争の心理学:融合の炎のワーク A・ミンデル著 
                    永沢哲監修 青木聡訳
                    講談社現代新書ISBN4-06-14 ....
君のフェラチオは駄目だ
駄目ではないが、駄目だ
思ったとおり
君がしそうな顔で
そのままで
君ではない、感じがしない

バスのことを考えている
とりあえずは、だ
その中で僕は傘の ....
川の水と
海の水が
からだのなかで
縞模様に重なり
相容れるようでいて
相容れることのない
ふたつの双葉になってゆく



ゆらめく二枚の絵の前に立ち
ゆらめく水から来 ....
「ところで、アンビパンツというのをご存知ですか?」


というセリフが内田春菊の4コマ漫画か何かに出てくるのだが、
正解はもちろんアンビバレンツである。


まったく相反する ....
「虹が出てるよ」
と 人が言う

私は毎日

傷つけてしまったことの上に
虹を置く

後悔の念で
全て色は暗めだ

赤は ざくろ色
黄は 落葉色
青は 制服色
緑は たんぽ ....
http://mother.cside.com/

なんだかいつもわたしも「母さん」に報告するような
文章を頭の中で作っています。
わたしたちは歌いましょう
ここにはもう
陸地はない浜もない砂もない
貝のひとかけらも落ちてはいない
浪の花とて立ちはしない
そしてわたしたちには翼もない鰭もない
この海原にもうすぐ冷たい雨 ....
ひとよ、ひとよ
おちるこえのない、ひとよ
ゆびおりかぞえても、ひとよ
ねむればあける
いまだけが、ひとよ
一陣の風とともに
夏が 去る
この夏もついに
去年の夏はすでにくちはてる

おさない日
戦火
くりかえされた汐の満干
階段にひしめいた軍靴

あれる海も
もえる恋も
一族の歓談 ....
雨が降ってばかりの午後の終わりになって
雨が止んでばかりであること、感づいた
数億粒の喪失、愕然として足を止めた
ずぶ濡れのアスファルト踏みしめるゴムタイヤ
が群れ行き
音、が愛撫を ....
温い溜まりへ ひとつ
温い溜まりから ひとつ
蛇口の縁から
温い空ろ の余滴
そこから始まった
輪 は
瞬時に
洗面器の縁で 
終わる

ほら
蛇口の 縁で
ふたつ目が諦める頃 ....
暑中お見舞い申し上げます
 今年は母さんの新盆だから
 せめて墓参りにくらいは帰ってきなさい
                  父より

   追伸
   そういえばクロがおとと ....
その夜、男の子と居た。
でもやっぱり
手をつないだ相手は「夜」

男の子は何時でも皆先に眠る
子供のような寝顔でぐっすりと眠る
手をつないでくれるのはいつでも「夜」

ひとりぼっちにな ....
ほの暗い駅
列車の中で一点を見つめている
あなたの眼差しを見送る

”お気をつけて”

その一言だけが伝えたかったのだけれど

ベルが鳴り止んで動き出したのは
列車ではなく
ホ ....
にんぎょうをひろいました
どろをきれいにあらって
あたらしいふくをきせて
るぅ となづけました
おなかがすいたというので
くだものをかってきて
かわをむいて
るぅ となづけました
 ....
前方後円墳さんのおすすめリスト(239)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ワイパーのある生活- たもつ自由詩2204-1-15
暖炉- 岡村明子自由詩704-1-15
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水墨姿- A道化自由詩604-1-5
服と裸- 山内緋呂 ...自由詩36*04-1-5
飛光- ワタナb ...自由詩2004-1-3
どこにでもある話_3- いとう自由詩403-12-30
どこにでもある話_1- いとう自由詩703-12-27
- 山内緋呂 ...自由詩5*03-12-27
夕焼けが足りない_10- AB(な ...自由詩603-12-27
テーブルクロス- たもつ自由詩803-12-26
夕焼けが足りない_2- AB(な ...自由詩503-12-25
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「書評」紛争の心理学:融合の炎のワーク_A・ミンデル著- こん散文(批評 ...803-12-24
【批評ギルド】駄作- Monk自由詩803-12-24
ノート(鉄叉路)- 木立 悟未詩・独白603-12-23
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るぅ- アンテ自由詩7*03-12-17

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