きゃらめる 5

  よる

  1

なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
 ....
今日も朝から
洗濯機が大声で歌っている
オペラのつもりのようだけど
音痴で
しかも、時々声が裏がえる
近所迷惑だからやめてくれと言っても
聞く耳をもたない

ありったけの洗濯物を押 ....
黒いカーテンでよかった

遮光カーテンは甘いのだ
まえに
水蜜をくわえて 跳ねた汁をなめたら
甘かったからほんとうだ

ふくらはぎの下で
かりっこりと かりっこりする

彼の爪だ
 ....
父と母の物ではない
母の物は
真昼に閉じた雨空
滑空する白色の鳥が堕ちる
その日から父と母は憎みあう者になる
母の影が覆いつくす町
母が湿地帯に詩を隠す「書かれた町」
母の影が覆いつくす ....
                       きゃらめる 4

  うみ

  1

ふるどうぐやで
ぐうぜんみかけた
すなはま
ちょうどもてあましていた
とっておきのゆうぐれ ....
  


とうさん


せんせいのおはなしには

ぼくらでてこなかったね


ぼくやまねこさんのように

どんぐりのさいばんしたかったな


くらむぼんみたいな友達ほし ....
   
三日月1号線は
全ての痛みを解いてくれる
ここではないどこかへ行ける
らしい
東に向かって走る
それだけで

僕は毎日のように
日常57号線を
行ったり来たりしているの ....
  


僕の獏

{引用=よく覚えちゃいないんだけどさ
ちっちゃい頃に獏を飼ってたんだよ
お姉ちゃんがアスピリンに過剰反応しちゃって
県立病院に入院してから
お姉ちゃんの見舞いに行 ....
 これは僕の若かりしころの実話です。当時はただ「運命」を感じた、だけでしたが、
最近電車の中で同僚の女の子に話したらボロボロ泣かれてしまい、困惑しました。
「そんなに悲しいことなのか」と不思議 ....
 「捧げる詩集」(1995年・緑鯨社)には、1988年から1990年にわたって個人誌「風羅坊」に発表した作品を収めた。個人誌といっても、B4用紙に短い詩を毎号6〜8篇コピーして読んでほしい人に見境もな .... 「私は挽歌はうたわない」                           
あした逝く人よ                              
きみの魂とやらが平安でありますように  ....
あたりには                                 
草木いっぽん見あたらないのに                                     
空から突然   ....
1.

かめはめ波のポーズで

洗濯物に影をつくるその細かなしわから
隙間に入るハイパワーの酵素になって
ぼくは自分の皮膚の細胞のそのわずかな隙間から
入り込んでしまったくだらない時間を ....
みたされない思いや                                 
過剰な言葉に                                      
ひき寄せられるので  ....
    The Short Happy Life of Steve Godd with his Ol' Lady

 彼の両目が平均の1.5倍は左右に離れていた原因は、主にコカイン中毒に由来し ....
  +

忘れていたことすら忘れていたのに
嗚呼、忘れていたことを思いだしてしまった
思いだしてしまったことをいつかまた忘れられるだろうか




  ++


花の絵を描いて ....
寝起きはネコのようであり
うつぶせで顔をあげると
アザラシのようであり
つかまり立ちしてキョロキョロすると
イタチのようであり
よつんばいで這いあるく格好は
イグアナのようであり
ゲジゲ ....
くもり空のおもたい朝
欠伸をしている川獺
頭にかぶっている笠
ぷんと鼻にかおる野糞

きみの眼のまぶしい若さ
よれよれになっている裾
てのひらにあふれる乳房
白い毛の犬がのそのそ
 ....
○ところで皆さん!

ところで皆さん!
口を開けてください!

と、日記に書いた

書いたのは私一人
読むのも私一人
そこから先が続かずに
皆さんが口を開けて待っている

 ....
時々
理由もないのに ふと
立ち止まりたくなる
その時
そこには
透明な人の透明な碑があって
私たちは
それとは知らぬまま
刻まれた言葉を
心の指先でなぞっている
急に泣きたくなっ ....
きみにとってぼくがそうであったように                   
ぼくらにひとつの指針が ....
歌うために作られた口が開きっぱなしだ
それもそうだろう
その目に映る多くの人達が
この街に生まれ来る子供達のために
何を残してゆけるのだろう 
なんてぐらい難しそうな顔をしながら
 ....
ガラス窓に黄色い熊
緑の幕ゆれる昼間
なんとおおきな図体だ
夏の青空にうかんだ

「全員参加で施設の点検
 一人一人の五分間
  始業前点検 
  終業前片付け復旧」

三ヵ月 ....
ときどき風も停滞して、さ                                 
いかにもなんか考えてるふうに                                     
 ....
その本を手に取るたびに
同じページばかり開いていたから
今では机に置くだけで
パラパラと そこへたどり着く

私の心の傾きが
そのまま しおりになっている
繁殖するキウイの輪切り 
あなた 傍で眺めていて  
色づいていく 
街の中はロマンスであふれていて 
すっぱいね 
味なんてしなかったけど 
そう言ってみて 
お互い確認しあって、噛み ....
男と女は一戸建てだった 
もともとひとつの円テーブル
足があって
アクセサリーだった
一連につながったセットの死角で
バラバラだ
キラキラもして

遡る
もとの糸

太陽とか ....
分離、分離、分離、そして、分離


静かなる透析の果てに
冬が、あり


眼球を、振り切る
圧倒的に、眼球を、振り切る
赤のみ知っていれば許される踏切のサイレンの赤の ....
それは嘘である
しがらみのジャングル・ジムを
通過できる肉体はない
青空へ!
跳躍のつかのま
ぼくは地球へ落下する
格言つきの日めくりの上に
欲望と追憶のカリキュラムに
それからしぶし ....
暗がりのなか
細い光に照らされて
一匹の蛇が泣いていた
目を閉じたまま
わずかに汚れた白色に
かがやきながら泣いていた


蛇から少し離れた場所に
ひとりの少女 ....
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