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乳房に榴弾砲を仕込んだ娘が
巨悪と血みどろの闘争を繰り広げる
アクションバイオレンス超大作
俺はその原案を2週間で練り上げ
漫画家志望の友人に共作を申し出たのだが
なんかもうその手の作品はあ ....
大きな森の
地面に降りた
耳をすますと
聴こえるのは新しい年の風
さて、街の写真館では
カメラが売られていた
フィルムもそのまま
何が写っているのかは
謎のまま
さて、飛行機 ....
i. eating machines / Parantica sita
その日の朝食は、いつものように厚めのトーストが一枚でした。私は表面にのせたバターが溶けていくのを嬉しそうに見ていますが、 ....
わかささん
鋼色に丈を伸ばす坂道を外れて
側溝を三十メートル
車ごと転げていく
わかささん
弾んで 落ちて
そのとき少しずつ
速いスピードで 窓から
青空片が 舞い込んでくる
雪 ....
光が運ばれている。
進行方向の反対側から、ふつふつと泡のように
ほどけて流れてくるものがあった。あれが街灯。
ひとびとは円く集い、なくした星のかたちを思
い出そうとしている。(それはあくま ....
音のする方へ
感覚を伝わせて
光の曲線を描きながら
死んでゆく触媒
優しさを色で現すのなら
あかみどりを推奨する訳は
血液と瞳の
色だから
空気が凍りつく夜に
童話のよう ....
灰色の風が
冷え込んだ甘い匂いに吸われてしまう
電車の窓ガラスも
街路樹を伝う宵闇も
一本の薄いストロークにのって
色落ちしてゆく
弓のぼやけた冠を
空におくり
人びとは門を閉 ....
きみでありわたしで
あり、反復
する、終わることができた
ひとたちの夜に
友だちの家に遊びに行った
門のところで、久しぶり、と挨拶されたので
久しぶり、と答えた
もてなしてくれるのだろうか
和室に案内されて
お茶とお大福を振舞ってくれた
正直な話、あ ....
ある時は見知らぬ土地で
はっ と我に返り
目覚めた帰巣本能がこころを
身体を突き動かし
帰らなくては
家に帰らなくては
その一念で歩みを進めた
またある時はごく親しい町で
突然 道 ....
忘れられないものを抱きしめると
思いのほかウェットで
涙まみれに崩れて僕の服を濡らした
夕日の差し込む児童公園と
ブランコの作る影が
混じりあって溶けて
瞳からあふれ出す
ジョバンニ ....
1、
時計が居た。
車椅子の少女の部屋、机の上に小さな
目覚ましアラーム機能付きの。シンプルな。
セロハンテープは寝ていた。
事務員の引き出しの中で、無雑作に横になり
不必要な書類 ....
拝啓
これは、私があなたに宛てた最初で最後の手紙になるでしょう。こちらはもう随分と日が短くなって、丁度今、夕暮れ時です。秋の冷たい風が銀杏の葉を染めて、歩道では銀杏がずいぶん潰れてしまって ....
ばあちゃんを乗せて
じいちゃんを見舞いに行く
ゆく道の傍らに
塀越しの柿の実が鈴生りだ
ひとつぶずつに
千年と千日の
日差しがはね返る
小太りの猫が座ってたじゃないか
毛の ....
日蝕がなまぬるい砂糖水に侵されていく惑星のゆめを視た
色彩のはれつした音がこなごなにな/っ/て
白昼夢をかけめぐる(ざいあくかん)におおわれる
―その音はとてもキレいだった
誰 ....
約束の黒い時間を巡って
波打つ人々の肩でした
風も騒がぬ午後でした
フィナーレが始まり
フィナーレが終わりました
細いこずえの先に
歌のひとかけらがぶら下がり
がらんと乾いた
秋の日差 ....
「まるで地層」
頭上を滑るコンテナトレーラ層
は
さらに上空をよこたわり蛇行するモノレール層に見下げられている
地下層はたぶんなにもない
原っぱ
交差点にできたとうめい角膜のレイヤーだ ....
スーパーマーケットの
タイムサービスで
父が売られていた
お惣菜売場の隅に
さみしそうに立っていた
私が買った
うれしそうな顔をする父に
何か食べたいものはないか尋ねると
....
緑のべ
胸の静かな鳥、飛んでる 嘴鳴子 (呼びやる、手がさざなみだ)
ぜんぶがぜんぶ静止画のようにただの一片を切り取った
狭いから 気をつける 体を食べる線に 付き合う
....
ゆく道の車の窓に
雲を光らせ 幟旗を押し立てて
見知らぬ男たちが手を振る
起きぬけの笑顔で
すぼめて垂らした傘の先を
水たまりに映して
参議院選挙の投票に行く
昨日死んだ紺の背広 ....
目次みたいな人生が詰まっていて、きつく、とても、それが何重にも重なって数えきれなくて、っていうのが何列にも並んでいて重い。
待ってはいるけど待たされてるわけではないし、たくさんやってきて、たぶん、い ....
ギトギトの君を、
ギトギトでヌメヌメの君と、
ギトギトでヌメヌメでベトベトの君が、
好きすぎて近寄りたくない気持ちを
恋と呼んでいいものか悩むから
もう夏だ
私は赤いニットのカットソーを握 ....
例えば地に足が着地したとして
曇り空と背の高い建物の間に
そっと手を差し入れることもできるし
湿っぽいから霧を出してもいいし
花のように丸くなることもできる
後悔はな ....
生まれなかった椅子の名前が
ずっと心の中にある
さやかちゃんとそよこちゃん
椅子を作るひとはいても
椅子を産むひとはいないので
今生、出会ってきた椅子たちの
面影は今も憶えてる
青い ....
ワードを開いたがカーソルがない
右クリック、右クリック
真っ白なのでマウスを叩きつける
「使わせろや」
ノートを引っ張り出す
ボールペンを滑らせても
色が出ない、
こすってみても
....
毎朝
燻る私の香りに包まれている
踏み込んだ片足が抜けないまま、明日に来てしまった
靴はいつの間にかなくなって、そんなことにも気付かない
それでも柔らかい、朝は好きだ
コップ一杯のミルクで、 ....
たくさん
たくさんたくさん
たくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさん
の、はな
*
汚れた雑巾で机を拭きながら
それでも掃除をしてるつも ....
白いのかもしれない全部
ざらざらしている、
ソプラノ歌手の不安だ、工場の煙突から湧き出る、
砂を噛んだ黄色い音が、中空で消滅していく、
私の陰は深緑、ウ ....
誰も知らない人が隣に住んでいる
もう十日になる、声を聞かないし聞こうとも、しない
私は猫を裏返しにしながら、誰か、がいない遠くのことを思う
もう、春だ
冬はかたちになってしまうから、駄目だ
....
始めに朝があった
僕たちは扉を開けて
靴音鳴らして別れてった
「自分に自信がある男程SEXが下手なんだよね、何故か分かる?努力しなくても良いから。自分に卑屈な男の子の方が自分に ....
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