すべてのおすすめ
湖にボートで乗っかり
ゆっくり漕いでいく
メロンゼリーを思い出す
地球の穴にメロンゼリー
ボートのスプンですくう
目の前にかわいい女の子が
座っていたらいいなあ
僕が冗談を言って ....
快速にのって先頭の時間が
紙の奥に消えていく
反対側に満ちる水滴は
音をたてずに指をぬらし
ひとおもいに 破けない陽射しに
汽笛の発車する叫びだけ
むしりとられる花びらに
とどめ ....
記憶は夕暮れていく
真っ青に染まり
帰る場所って
これは祈り
12階のベランダから地上を見てる
ナターシャ
得体の知れないものが
あたし達の体の中にある
悪意
諦め
水
脂肪
....
三日後にわたしは
三十三年間着ていたわたしを脱いで
風の衣を着るだろう
その時世界の何処かに響く
あの産声が
聞こえて来る
その時空から降る
透けた掌と差しのべるこ ....
――罪じゃないわ!
想いのごとく美しく
クローン再生された
たぶん私は、
受肉したあなた自身なの
曖昧な、あなたから
分離したアニマが私なの
私はかつてあなただったけど
今はち ....
幾度も夜に月を着なおし
言葉を交わす別れも無く
樹と曇と星の重なり
灯火ではない明かりへ歩む
海辺の突堤に
子が腰かけ何かをつぶやく
聞き取れないまま
子の姿はか ....
川を見ると飛び込みたい私は終わり、ただそのゆらぎに見習いたい。
褒められて伸びる私は卒業し、缶コーヒーの絵柄が渚カヲルであることに笑う。
着物を着ている今の私では簡単にトイレに行ける ....
誰も死んだりしないように
狭い部屋のベッドの上でうずくまって願う
煙草の煙が太陽の光をまっすぐな筋に変えて
僕の心に突き刺さっている
誰も死んだりしないように
うずくまって願う
自分を ....
書いては消し、
書いては、
消し、
夜 、
に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
その娘は頬を赤らめることができる
ただそれだけのわけで
マートのレジを叩く少女を愛おしく思った
何故人は人を求めるのかね
一人ではないという幻想
届くことのないテレパシー
真空の宙 ....
口の中に微かに鉄の味がある
コートの袖口が擦り切れている
錆びたドラム缶からはいだして
月下の廃工場を後にする
奏者を失って久しい機械が
ほの青く光る一群の風琴になっていた
鳥が飛び立 ....
しんしんと、雪が降る。あたしの悲鳴を掻
き消すように。しんしんと、雪が降る。あた
し、とやつらの罪を隠す、ために。しんしん、
しんしん。と、罪深く。
雪が、降る。
....
いくら落ち目のわたしだからって
何でこんな仕事しなきゃいけないのかな
数人のテレビクルーを引き連れて
どれだけ歩いてきたんだろう
雲の上を歩かされるなんて思ってもみなかった
富士山の ....
かみさま って
ひらがなで書くのは反則だ
世界 ってやつをひっぱり出すのも
ルール違反ってことにしよう
そこから
おれたちはまず
書きはじめなくてはならない
雨上がりの
濡れた ....
羊たちが目覚めて草原をさまよう、朝の陽は山々にさして、青みがかったきみの虹彩に映るのは昨日落としたまま忘れてしまったきみの幼年時代だ、きみは蜂のように騒ぎながら羊たちと踊る、朝の食事の合図が聞こえてく ....
多摩川に架かる鉄橋を渡りきる頃
メールの着信を知らせる携帯の光が走る
両親も恋人と認める彼からのメール
簡潔な朝の挨拶に優しさ溢れる短いことば
先輩は幸せ過ぎるから
傍から見ると憂鬱 ....
雪どけ水の流れる静脈
光の片目を両手で包み
生れ落ちた日の鈍色を聴く
にじみのにじみ
花の洞の道
雪の粉の服
笑みの鳥の羽
ひびきがひびきを
見つめにきている
も ....
法隆寺を後にして
大和の日も沈む夜
土塀のつづく石畳の道
街灯の灯る曲がり角に
顔の無い水子の仏像が
肩を並べて待っていた
しゃがんで
幾人もの丸石の顔等に
手を ....
陽は傾いて
粒の影たち
熱の在り処
闇のなかの
四角をまさぐる
目をさがしていた
水のなかにそれはあった
触れようとしたら
沈んでいった
今もそこにありつづける
....
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
むせかえる緑
森の深みで
一本の幹を背にすらりと立つ
わたしの頭の上にはもぎたての林檎
正面、幾重もの木々ごしに
とらえようとする鋭い矢尻が
抗う弓をキリキリと押しひらいてゆく、あな ....
最初は綿ぼこりかと思った
小さな白い塊が
ふわふわと目の前に浮かんでいた
疲れた目の錯覚と決めつけてはみたが
白い塊はその数を増し
やがて
小雪でも降り始めたかのように
凍えた集会室 ....
この管理社会に狂気を携えて
部長の頭をかち割るぜ
この管理社会に狂気は正気
いじめる奴は股裂きだ
不条理 矛盾 渦巻いて
叫びにならぬ 嗚咽 飲み込む
今日も晴れ
元気ににこにこ ....
ねこって可愛い
飼いねこは飼いねこらしく
ノラねこはノラねこらしい顔しているよ
やっぱし育ちなのかな
ひとに媚びるのうまい飼いねこがいて
いじらしいほどノラなねこがいる
そんなねこって
....
バス停に置かれた
切り株に腰かけ
川沿いの道の向こうにある
斎場を眺める
{ルビ一月=ひとつき}前に
木魚の響くあの場所で
遺影の額から微笑した
老婆のからだはすでに溶 ....
あぶない!そう思ったときにはもう突き飛ばされていて、コワレていた、かしゃん。音がして、包み中のわたしが、コワレ、ていた。コワレたのでみるみる中からわたしが漏れ出し、包 ....
まったく違う、
それこそ何千億光年離れた星たちが、
地球からではおなじ、
星座の中に並んでいたりする。
ぼくたちの、
ぼくたちである違いなんて、
遙か向 ....
夕刻
街に初雪が舞いました、そして23時の空には
輝くオリオン
long time no see!
数年前
雪に覆われて色をうしなった冬の真ん中で
バスでのうたた寝が災いし
予 ....
大好きな人の肌に唇を押し当てるのが好きで、
その熱と、鼓動を。
生きていることに感謝する。
生きていたことに感謝する。
熱と鼓動を確かめる。
余計なことをすべて省いてしまえば、生きるとは ....
書いておかないといけないのかな
十一月の林檎もぎをする足元に咲く
たんぽぽと
実った林檎をもぎ取る同じ時期に
今年は 林檎の花が咲いている
全部ではないけれど 全部だったら破滅だけど
....
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