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その娘は頬を赤らめることができる
ただそれだけのわけで
マートのレジを叩く少女を愛おしく思った

何故人は人を求めるのかね

一人ではないという幻想
届くことのないテレパシー
真空の宙 ....
口の中に微かに鉄の味がある
コートの袖口が擦り切れている
錆びたドラム缶からはいだして
月下の廃工場を後にする
奏者を失って久しい機械が
ほの青く光る一群の風琴になっていた

鳥が飛び立 ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ

軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
白い海触崖の上
見渡す限りさえぎるもののない
広大な草原の真中にいて
両手を広げ
はたはたと
羽ばたく鳥のまねをしてみたり
帆のように風をはらみ
さらに白い空の彼方へと
消え入りたいと ....
雨を連れてきた少女が
優しいソプラノで歌い
美しい夢を見た男たちは
花嫁の所在を探し求めて女たちを殴りつけ
少女は如雨露でうす桃色の野花に水をやり
男たちは銃砲店を襲撃し
花園には霧が立ち ....
風の強い午後だった
僕は屋上の金網にもたれて
空っぽの青い世界を眺めていた
広大な草原を思わせる
羊雲
羊雲
心の翼をそっと広げ
空の青みに溶け込んでいった光の子供ら

遠い異国の丘 ....
海岸草原のみどり
はまなすの赤
萌たつ草の焔の中に
風露草のうすもも色

原生花園をぬけると
落ちていくように
空がりょううでを広げて
濃紺の海がひろがっている

道東の海は冷たく ....
「もしもし、もしもし、神様ですか?」
 祖父から譲り受けたアンティークの電話機で、佳子は今夜も何者かと会話している。その電話機は飾り物でコード゙は何処にも挿してない。まあ、神様の声を聞くのに電話線を ....
「えいえんをめぐる短詩集」


 @ノ”


@ノ”
かたつむりは
えいえんに
えいえんに
たどりつきませんでした

おしまい



 海と空と


何のために生 ....
使っていない電話器が時々鳴る
コードは何処にも差してない
その受話器が持っていた番号は
もう何処にもないんだよ
遠い昔つながっていた
あなたの電話番号も
もう何処にもないんだよ

あな ....
風の強い夜だ
下弦の月のまわりに
虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎる
窓辺に焼きついた油色の日々が
ガラス板から流れ落ちる

星々がさわさわ震えている

明滅する交通誘導棒を持ち ....
とある夏の夜
遠い遠い荒れ野の果て
深い枯れ井戸の底におりました
光が射し
闇が訪れ
幾日たったのかわからなくなったころ
星が ふるふる震えながら語りかけてきました

私は寂しい こち ....
夜が呼んでいるような気がしたので
誰かが待っているような気がしたので
自転車のかごにウイスキーボトル入れて
僕はさんぽに出たのです

どこか遠いところで
凪いだ海のおなかの中
呼び交わす ....
鳥は自由に飛ぶ
一本の線によってへだてられた空間を
風つかいのグライダーのように滑空し
大気をはらんだ凧のように静止し
熊蜂のように羽ばたいて流れの外に飛跡を残したりして
そして時には それ ....
池中茉莉花さんのダーザインさんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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@ノ”「えいえんをめぐる短詩集」- ダーザイ ...自由詩1404-4-11
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