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バスターズ
信号が変わって 足早に歩き始める。
通勤途中の人の列は 流行のインフルエンザの影響で
マスクをかけている人が目立つ。
少々苦しいが 感染したくないので我慢してかける。
しかし ....
歩けない事が
空にのびていくために
必要なのだと
言い聞かせる事に
酔いしれ擦り切れ
根をかじる
悪食に
倒れたら
仲間になれそうな
錯覚を満たす
ひくことも
さることも
....
弟とテレビをみていた
目の前にひろがっていたのは
銃を構える軍隊と対峙していた
花を構える国民だった
圧政のため起こった反乱で
政権をくつがえした力
睨みあったまま銃撃は起こらず
....
紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある
何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道
道すがら挨拶をかわした人々
....
快速にのって先頭の時間が
紙の奥に消えていく
反対側に満ちる水滴は
音をたてずに指をぬらし
ひとおもいに 破けない陽射しに
汽笛の発車する叫びだけ
むしりとられる花びらに
とどめ ....
書いておかないといけないのかな
十一月の林檎もぎをする足元に咲く
たんぽぽと
実った林檎をもぎ取る同じ時期に
今年は 林檎の花が咲いている
全部ではないけれど 全部だったら破滅だけど
....
やっぱり残業してから見舞いに行くと
二十歳の彼が仕事を続ける
おじいさんの入院で家族も忙しいのだろうが
今 自分が抜けたら仕事も大変だと見極めた
この二年近くで働き 大人になったなと思う
....
重たいスカートのひだも
ほっとして忘れていく夕方
会社前のバス停で くみちゃんと会う
寮に帰るため一緒に並んだ
秋田へ帰るんだ
熊本出身のくみちゃんに言った
そうだってね これ ....
かぶとの木と呼ばれていた
通学路沿いの
道から少し滑り降りて入る草薮の中の
真ん中がくり抜いたようなくぼみのある木
樹液が蜜のようで 夏にもなると
かぶと虫や ....
火をつけた
裸ではないから あなたは
時の中へ流れて行く
服の重みに
囚われてやしないかなって
灯籠から 灯りをこする爪の音
ぼんやりとあふれてるぬくみに
口をつけて すすって ....
目覚めろと夫が言う
育てた花から種をとり
今年蒔いたものが発芽した
花はいい
はやく お前も目覚めろ
水と陽射しを気にしながら
隣りでいう
と それは
パソコンに向かってる私が
....
寝苦しい夜 はみだした足が
そろりと風を止まらせた
畳の上を這う 小さな羽虫の陰
名札をはずしたつもりになっても
はずれたくない場所がある
どこからもひ ....
体に雨があたり続けると
冷えていく寒さに
体内に取り込めば力となる水の
私とは相容れない歩みを知る
宿り木のような両手の指を暖め
握りしめる手の甲を濡らす雨と
向かい合っている体内を巡 ....
ひくく香りは 風の帆を駆け上がり
瞑っているもやの巣の中
はやく運ばないと
息を つのらせてしまうから
どこかに隠れていた
泡の綿帽子が
ささやきを運んでいく
ドラムカンの 外にはみだしてくる
火の勢いに のまれてく
窓から見下ろした 交差点
流し込んだ 健康飲料水
一回 千円のカットだけの看板
マラソンの金メダルのテレビ放送
セルフサー ....
なだれゆく 曇天の鱗
きりぎり 虚空にさす枝先
絡めた糸で 傷付けるから
鳥は 近づいてはいけない
どこにもいらない花のように
身を潜めて
散る花の中へおちていく
踏む先に ....
きれた風が コップの中
五つの渦を 見上げている
行きつけの船の舵取りにしか
読めない星雲
人指し指をやめない
子守り歌は
コップのガラスをまわり
砂丘におちていく蝶の
石 ....
さんびどおもってらば
まだ ゆぎっこ ふってくるおだおの
まぢの たんぼだば すてっときえで
ながぐつなば はずがしして
みせっこさ よ ....
猫の鈴が暗い緑を揺らす
さわりのない ぺたんこの靴と
長くて白い靴下
じゃんけんで負けたように肩を落としていましょう
まだ 存じません
鳴るかも知れません
唇をつきだして
ふふふ ....
いえでします
と書き付けて机に置いた
小学校に とりあえず向かう
誰に叱られてだったか
何故か知っていた 家出というものを
はじめて決行した 小学一年生の時
きょろきょろみた ....
結婚が決まって 指輪を買いにいった
おもちゃみたいなアクセサリーばかりの私
緊張して店員さんに 結婚指輪をと言うと
いろいろみせてくれた
自分の指のサイズも まともに知らなくて
次々に ....
なぜ 今 この人が私に知らされるのか。
そんなことばかり考えてて とまらなくなる。
図書館で出会った 一遍の詩。
ネットでこの人を尋ねる人と出会うとは思わなかった。
自身の心の支えとなった ....
たとえ明日は裏切ろうとも
たとえ明日は 裏切ろうとも
きょうは 裏切りはしない
さあ わたしの生ま爪を剥ぎとるがいい
だが きょうは 裏切りはしない
わたしの勇気のほ ....