すべてのおすすめ
なつかしい匂いに
ひたる冬、
寒さは
使い慣れたはずの指先に
疑いようも無いくらい
数をつのらせて
まもるべきが
すべて、に
なる
泣いてしまうことも
ねむ ....
知らない道を歩く
あたしは誰に会いたいんだろう
スーパーでおっさんが店員を怒鳴りつけていて、萎える。
いつもの店に寄ろうとしたら、苦手な客がちょうど一人きりだったので行くところが ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ
軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
白い海触崖の上
見渡す限りさえぎるもののない
広大な草原の真中にいて
両手を広げ
はたはたと
羽ばたく鳥のまねをしてみたり
帆のように風をはらみ
さらに白い空の彼方へと
消え入りたいと ....
夜がほの蒼いのは
雪が舞っているから
すこし窓を開けて
吐息が白く夜気に放たれ
雪と交わるのをながめる
手を延ばせば舞いおりて
けれどその冷たさは
触れるまもなく掌に溶け ....
就職支援センター
と云うところに
毎月行っている
無職だからである
就職支援センターは
仕事を紹介してくれる訳ではない
担当の人と
色々お話をして
最後ににこにこと
頑張ってくだ ....
うすずみ色の空はひくく
ピアノ線を地におろし
哀しみという歌をかなでる
さえずる鳥さえもいない
こんな午後は
暴かれてしまうことをおそれて
いくどもたしかめた肌の ....
例えば核の脅威におびえない
六カ国協議とか何かよくわかんない青空
コンセプトモンゴル
どこまでもどこまでもつづく広がるあお空のしたで
本当に全員が全員ほっぺを真っ赤にして
てをつなごう
詩集が売れなくたっていいじゃないか
世界中に子どもをつくれば
みきを
....
おはようございます。
(みつとみ)は晴れた日が続かないと元気がなくなるようです。
そこで。
道ばたで(みつとみ)を見かけたら、
鉢にいれて、水をあげて、
晴れの日はテラスやベランダに置い ....
雨を連れてきた少女が
優しいソプラノで歌い
美しい夢を見た男たちは
花嫁の所在を探し求めて女たちを殴りつけ
少女は如雨露でうす桃色の野花に水をやり
男たちは銃砲店を襲撃し
花園には霧が立ち ....
−ブッシュ大統領、9月11日のテレビ演説より抜粋−
今日、多くの市民と我々の生活そして自由そのものが、一連の計画的な、命を奪うテロ行為で攻撃にさらされた。数千の命が、邪悪で卑劣な行為 ....
その日、だれかに呼ばれたような気がして、家から外にでた。近所の、さくらの並木通り、書店でコミック雑誌を買う。花を見ながら、小学校の前を通りすぎ、病院へと向かう。となりのレストランの、外壁の大きな鏡に、 ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
あさがくる。
わたしはかがんだ姿勢で、静かに息をのむ。
空からおとされた、その夢から覚めきらず、
湖の底から、
裂けた形をした空を見上げる。
藻にからまり、
わたしは力なく、湖面をあお ....
因果応報ってあるでしょ。
アタシの今の姿が前世の報いだとしたら
アタシの前世はきっと絶世の美女だったにちがいない
で、寄って来る数多のオトコを食いものにして
ずいぶん泣かせたんだろうな ....
生後四ヶ月の娘を朝の5時からあずけれるような
保育所をさんざん探してさんざん電話をかけたあと
少し詩を読んだ
被爆者のケロイドを体に負うことが
物事を理解することではない
とりだされ ....
皮膚を、
へだてているのは同じではないか、その
頂へ
ゆっくりと
のぼりつめるさま
あるいは
交わってなにひとつ溶け合わない、交わりは
交わりのまま皮膚の
上にしんしんと塗布
さ ....
1999年8月某日
午前七時起床
朝食後、心理テスト
当てはまると思うものを○で囲む
それからこのテストを作った奴が俺よりちゃんと世界を観ているのか
どうかということが一時間に一度くらい ....
あれから幾年月が経ったのだろう
あなたがこの現実にさよならした日から
幾年月が経ったのだろう
思い出すたびこころがいたむ
思い出すたび涙がうかぶ
けどね
思い出すたび思うんだ
あ ....
わたしの町においしゃさまは一人しかいなかった
そのたった一人のおいしゃさまのセンドウ先生は
竹山さんちのかなちゃんの頭病みも
白田さんちのとおるくんの腹痛も
お寺のとなりのサダおばさんの腫れ物 ....
父ちゃん泣いた 母ちゃん泣いた
じいちゃん泣いた ばあちゃん泣いた
じいちゃん泣いた ばあちゃん泣いた
お前が泣くから みんなで泣いた
みんなの涙は海になる
どんどん溢れて肩まで来たら
....
ベランダは東向きだから
朝はとても眩しいよ
彼ね
厳しい審査の結果
高得点で合格しないと見せないよ
足の親指を齧ったあとの
くりん、とキャット半回転
もう ....
主旋律はもう
ピアノを離れた
(羽をインクにつけたとき
諦念が私に絡みつく)
幼き日々よ
最終楽章に向かうのか
草原を駆ける二人の影は
五線譜の上を踊る
アマデウスの傍
....
かみさま
大人になった僕は
ずいぶんと長いことあなたのことを忘れていたようです。
時に僕はあなたの姿を見たいと
{ルビ只=ただ}、無力な両手を組み合わせては空に向け
一心にお祈りしています。 ....
おそらく兄だ
拳銃がかくしてあった
モデルガンじゃない
重み 鈍色
ライラックピンクのスカートに押し込んだ
まずは倉庫だ
こんな時は倉庫
死ぬのか
あほか
こんなときに ....
風の強い午後だった
僕は屋上の金網にもたれて
空っぽの青い世界を眺めていた
広大な草原を思わせる
羊雲
羊雲
心の翼をそっと広げ
空の青みに溶け込んでいった光の子供ら
遠い異国の丘 ....
海岸草原のみどり
はまなすの赤
萌たつ草の焔の中に
風露草のうすもも色
原生花園をぬけると
落ちていくように
空がりょううでを広げて
濃紺の海がひろがっている
道東の海は冷たく ....
寝つけずに気がつけば
枕元に私の子供が立っていた
一度だけ会えた時あの子は手も足もバラバラの血まみれで
顔なんてもちろんわからなかったけれど
不思議とあの子だ、と感じた
嗚呼、女の子だったの ....
目覚めている時の、
彼女の姿は写真には写らない。
僕はこっそり、眠り姫、と呼んでいる
なぜって?
眠っている、その姿だけは写せるからだ、
盗むことが出来るからだ、
と、僕だけが知っている。 ....
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