あおい月がしずかに沈むのを防ぐために、どれだけの灯
りが必要だろうか。どんな空の下でも、繰り返される息
があり、その色は見えないが、あかでもなく、みどりで
もなく、あお。それに限りなく近い色だろ ....
そして火は燃えさかり
すべてを焼きつくすだろう
それぞれの
人の生を
それらがあつまったこの
人の世でさえも
焼きつくして
火は遠い天上でわらうだろう
限られた空
その見えない境界で ....
毒薬のような願望を散りばめた、
陰茎の夕暮れが、
いちじく色の電灯のなかで燃え尽きると、
ようやく、わたしの夜が訪れる。

静寂をうたう障子は、わたしのふるえる呼気で、
固く閉ざしてある。 ....


昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
闇は町を飲み下していく
水性の夜空と
夜行性の水が交わる
境目を覗き見るように
島の火から水平に引いた補助線は
離陸していく
それが星だと気づくと
線は頭上を越えていく指先だった

 ....
夕間暮れて 路地 細い道

地階への階段の踊り場にある
表現主義のポスターの裏に
アンダーグラウンドへの入り口はある

古びたポスターのすき間から
白くて軟らかな光は
水がはうように流 ....
                したたる、

水のひびきのなかに、私の声があ
ります。暗いこころのままで死ん
で幽霊となった私のとうめいな喉。
ぬれながら、だえきもでないほど
にかわいてし ....
童貞を失うと もう詩が書けなくなる気がします

だから ごめんなさい

そして ありがとう







、、、やっぱり

詩 書けなくなっても良いです



優 ....
毒が溢れ出していた、
   動脈を流れるように
鼓動を鳴らしながら、
   溢れていた
それはとても黒い色をしている筈だ
そうでなければモノクロの世界だ
(僕には関係ない)


そう ....
新しい町で
食料品を買う
就寝の手順について
思いをめぐらす

建物はどこかに
年輪を隠し持っている
タンポポの茎が
配管されている
新しい町への食欲と
昼時の食欲と
どちらが本 ....
木曜日の朝の雫が絶叫をあげている。
尖った街頭の佇まい。
通勤の熱気をはおったDNAのひかる螺旋の群は、
わたしの散漫な視覚のなかに、
同じ足音、同じ顔を描いていく。

振子のようなまなざ ....
空と僕らには距離がなかった
窓は開かれていた
白いテーブルの上に
幾千の微細動
まるでナイロンの弦を束ねた
世界のつけ根はたなびき
差し入れる指は風に同調する
触れた先からほろほろと物語 ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
もうすぐ
九百九十九年になります
その頃には
ひまわりも咲いているでしょう
絶望から生き残った
藁のような人びとが
ゆらゆらとゆれているでしょう
咲いてしまうことに
罪はなくて
咲い ....
落ちていた
ふちのない穴のなかを
空は役割を捨てたらしい
光はボレロに合わせてゆるゆる回り
白い猿たちは「  」の頭を転がして遊んでいる
飽きてしまうと時計の針を集め出した

君の手の ....
光なく音もたてずにうねりゆく野火の描く蛇さまよういのち



はねのける受け入れるだけが生でなく争うことは戦いでなく



足跡も足音も絶え他を焼かず自らを焼く火を歩みゆく ....
ありとあらゆる 方法で お前を試したのに
生まれる餓鬼は 悪意に 飢え
ましてや! 福音を 
若き女の 嬌声に 変え
おれに いやなものを 押し付けようとしている

それは 一次元上の 快 ....
鉛筆の一側面の上半分が
白く光を反射している
右目で見たときと左目で見たときでは
白い光の領域が違う
僕は透明な手を鉛筆へと伸ばすが
途中で疲れて手は霧消する
鉛筆が置かれてあることと
 ....
    くびする糸者
     冷れみて    児
かなさり住に
    おへよっておへよって
              らびが爺ね

東北新幹線の空洞を貫く抒情性を少しも吸収することが ....
世界のブローチ

世界が放つ冷光に吹き出る春の吐息
肩車の子は宇宙に近づいて気圧を拭う
あたかも十年後には
食卓のゴムの木と同じ高さで発育する命実のように笑い
明滅を繰り返す盛り場の暗黒を ....
?.

木曜日に最後の晩餐をして

金曜日に くちづけられて
磔にされて 血を流して 死んで

三日後に もう一度生まれる

手のひらには穴が開いたままで ....
毎日ともに働く人が 
あれやって 
これやって 
と 
目の前に仕事をばらまくので 

わらったふりで 
腰を{ルビ屈=かが}めて 
せっせ せっせ と 
ひろってく 

そのう ....
遠くで呼んでいる
{引用=
また
もうひとつの朝
祈る人は いつものように目醒める
いつものような 川の歌
いつものような 川沿いの歩行
いつものように
滞りなく
祈る人の一 ....
亡霊を手に指揮棒を振るう老人の
ずれ落ちた眼鏡に映っていた。
風が鳥を離さないと同様に、鳥もまた
風から離れようとしなかった。
「魂のつがい」と題された音楽が聞こえた。
風の鳴らすシンバルと ....
あの女房殿は

鶴なんかじゃ無かったのですよ


『夕鶴異聞』


そうですね
去年の秋からだったですかね
巷で有名な
『鶴女房』が来たのは
ええ
見事な反物でございましたよ ....


親しい輪というものに対する
石ころを眺めるように眺めていた
たまには色を塗ってみたり
だが僕はバイトをやめようとしていた

バイトは心地よい坂のようなもので
そしてその旨を塾長に ....
喉が渇いたので 
駅のホームのキオスクで買った 
「苺ミルク」の蓋にストローを差し 
口に{ルビ銜=くわ}えて吸っていると 

隣に座る 
野球帽にジャージ姿のおじさんが 
じぃ〜っとこ ....
        「 ミサイル 」


        
        どこかの星の片隅から

          ボタンひとつで 

           とびだ ....
          夕方、私達を驚かせたのは黒雲のような
         ムク鳥の群れだった。電線の下を歩く際には
       落ちてくる雷に気をつけなくちゃならない。
     鳥達を驚か ....
三つの蝋燭が
互いを溶かしてかがやいている
まぶしさを覆うまぶしさが割れ
雪に重なり降りおりている
ふせた手帳から漏れ出す音
窓に凍り
窓を作る


花は花に会うため ....
もりおかだいちさんのおすすめリスト(116)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
The_Blues_Are_Still_Blue- 岡部淳太 ...自由詩11*07-7-14
夏のアニミズム- 岡部淳太 ...自由詩13*07-7-12
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神話- 葉leaf自由詩18*07-6-28
夜島へ- 氷水蒸流自由詩807-6-22
アンダーグラウンド- アハウ自由詩1607-6-16
したたる、- 岡部淳太 ...自由詩23*07-6-12
童貞宣言- 北大路京 ...未詩・独白6*07-6-6
点々- 結城 森 ...自由詩4*07-5-29
新しい町- 葉leaf自由詩15*07-5-29
五月の街- 前田ふむ ...自由詩31*07-5-26
屋根のない明るい部屋で- 氷水蒸流自由詩907-5-26
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
九百九十九年- 岡部淳太 ...自由詩16*07-5-21
葉月葉- 氷水蒸流自由詩707-5-17
火と歩み- 木立 悟短歌1107-5-11
きゃ〜つよぽん5しゃいばい♪_たくしーでおうち帰るとこでしゅ ...- 奥津 強自由詩607-5-9
- 葉leaf自由詩16*07-4-29
- 葉leaf自由詩17*07-4-28
世界のブローチ- 瓜田タカ ...自由詩407-4-14
SEMANA・SANTA- 水在らあ ...自由詩2707-4-7
畑の道にうつむく人_- 服部 剛自由詩18*07-4-6
連作「歌う川」より_その2- 岡部淳太 ...自由詩6*07-4-2
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夕鶴異聞- 蒸発王自由詩14*07-3-28
開闢2- 葉leaf自由詩9*07-3-28
車内の隣人- 服部 剛自由詩33*07-3-25
ミサイル- ae96自由詩13+07-3-24
ムクドリ- プテラノ ...自由詩10*07-3-4
降り来る言葉_XXVII- 木立 悟自由詩507-2-26

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