帽子が飛んでいってしまった
nm6

空の底に飛んでいく何かを眺めたいのですが
ただでさえ寒いこの部屋の 窓は開けません

想像してください
「矢印が3つばらばらに別の方向を指していて
 その三角形の真ん中には 目のグラフィック」
なんだか少し こわいでしょうか

外へ出れば
曇り空は何も言いませんし
道路の温度は触ってみないと分かりません
それでも 風が吹いています

だれも本当は知ることのない
抽象的な いろんな力がはたらいて
僕らがうっとりと抱え込んでいるものはよく
空の底に 飛ばされてしまいますが

からっぽの何かに見守られながら
ぼくらは渦巻いている というわけなので
証拠はありませんが 大したことはありません
だれもが何かを失くしながら くるくると過ごします


自由詩 帽子が飛んでいってしまった Copyright nm6 2003-12-17 16:43:21
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