すべてのおすすめ
回転寿司屋に入ると
寿司といっしょにジュースの缶が回っていた
しかもプルタブはあいていて
中身が入っていない

すいません、これ何ですか

ええっと、空き缶ですが

何の意味があ ....
あなたに会う前に
体中の毛を剃りました
もっと
私をひりひりさせてください
優雅で端整な コメット
乱暴で大食漢の オランダ
平凡で神経質な 黒出目金

紅白 オレンジ 真っ黒
我が家の四尾の金魚たちを
見つめているときりがない

金魚たちは主の心を映して泳い ....
郵便配達人は
来る日も来る日も手紙を配りつづけた
高い塔は目をこらしても先端が見えず
螺旋状の階段にそって扉が等間隔にならんでいた
郵便配達人は封筒の番地を探したが
扉の数字の順がでたら ....
夜はどこにあるのですか
しまってあるのですか
どこに
すぐそこに
見えませんか
そんなに澄んで見えますか
あなたの見ているあれは
実は
空ではないのです
あれは
ただのふろしき
 ....
小学生の頃 道徳の授業で
トマホークというミサイルの映像を見せられた

昼休みの図書室で
「はだしのゲン」を読んだ

全身を包帯で覆われた母親が
生と死の境目で
息子の名を
とぎ ....
あたらしい
いのちが
うまれてくる
えいえんをゆめみても
おわりはくるけど


かみさまが
きみたちに
くださったのは
けして
くじけない
こころ


さみしくて
しず ....
いくつもの季節が過ぎて
君の笑顔しか思い出せなくなっていました


田舎へ帰ったと聞いて
いくつものアルバムの中の君を探しているのですが
探しているのは笑顔ではないのです
悲しみを探 ....
お墓参りに行くから早起きしよう
しかも
いつものように バスと電車とまたバス
ということでなく
自転車で行ってみよう。

そのとおり
めずらしくみな早起きした
長男 長女 二男 三男
 ....
嬉しいことがあるたび
大切な日記を出して
ペンで書き記す
何度もくり返し
消しゴムでこすって
消えないことを確かめる

怒りがおさまらない時は
許さない許さない許さない
鉛筆で書 ....

薔薇の苗木を一本買った。
生まれて初めて
自分の手で庭に植えた。

木を強くするために
たった一つの蕾を切れと言う
胸が痛んだ。

薔薇の木に新芽がふいて
やがて蕾が三つもつい ....
 誰も彼もが遥かな野望を抱いて
 自分の道を進む訳でもないのに
 「最終講義」をされる先生方はみな

 立派な「哲学」を持ち

 その専門分野に
 どんな斬新な風を吹き込み
 どん ....
牛乳を買ってきたつもりだったのに
袋に入っていたのは
それはそれは立派な
乳牛だった

妻は、こんなものどうするつもり、と怒りまくり
娘は、牛さんが来た、と大喜びをした

毎朝、新 ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
この惑星のこのあたりはそろそろ晩秋で
赤く色づきはじめたハゼの葉が
窓の外に揺れ

この惑星のこのあたりはそろそろ夕刻で
暗くなってきた室内に
パソコンの画面がまたたき
またたき

 ....
夕焼けに
あなたをひたしておいたのは間違いだった
体の重みが邪魔でならないというように
身をよじって窓辺のベッドに横たわる
へそのくぼみから腰骨
肩甲骨
うで
まるく光る乳房
あごの下 ....
人々が同窓会に出席するのは
みな自分に会いたいからだ
失われた自分自身を確かめたいのだ
それぞれの顔に刻まれた時間を
みつめあい 納得する
料金が足りませんからと
窓口の向こうの若い局員は不機嫌そうな顔で
茶筒みたいにふくれた封筒をつき返した
そりゃあ、足りないのは僕の落ち度ではあるし
深夜勤務の彼にはちょうど今頃が
一番眠たい ....
赤い辞書

君の持っている赤い辞書に
夕焼けは
挟まれている

もう長いこと挟まれていたので
辞書の文字が夕焼けに溶けて
世界がぼやけて
君の世界がぼやけてゆく

のを見ている ....
1 クロッキー

齧りかけの林檎を
はじめて描いたのは
一三歳のクロッキーで
もう
二〇年も前のこと
その後
デッサン
水彩画
詩の入ったポスターカラー仕上げ
油絵
完成した絵 ....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね

「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです

ついに私達の娘は
ロングス ....
外に出たら
死んでしまうんだって
だれかが言う
ほんとうだろうか
立派に育てるのは
栄養とか水をたっぷりもらえるからだって
だれかが言う
ぼくたち自身の
力じゃないんだって

白い ....
東北の湯治場
暗く高い天井にもうもうとこもる湯気
湯に漂う吸い尽くされた乳房

東京の銭湯
午前三時
夜の女たちの化粧を溶かし込んだ湯が
白く濁る

水に集う
サバンナの象の群れ
 ....
  

自転車置き場で
空を見上げるのがいい
そこに風でも吹いてくれれば
なおいい
そんなとき
携帯電話の電池でも切れていて
何か大事なことや
大した事じゃないことや
君にとっては ....
お互いに歳をとったら
春の日の縁側で
あなたの膝枕で
眠るように死にたい
と言ったら
あなたは泣いた

六畳間の安いパイプベッドの上で
まだ社会にでることすら想像できなかった
若かっ ....
かにを飾っているのよ
私は自分のことを露出狂みたいに
何でも話して同情を乞うのが嫌いなの
けどかにを飾っているところは見せてあげてもいいわ
流しの排水口から毎朝ね
かにがでてくるの
小さい ....
こびとは手紙の最後に
「こびとより」とそえたあと
「こ」と「び」のあいだに
小さく「い」の字を書きくわえた

しばらくながめているうちに
恥ずかしくなったのだろうか
てのひらで手紙を丸め ....
青白い校庭のすみで
二人手をつなぐ
土管の中
ひんやりと湿ったコンクリートの円形が
彼らの頭から足先を連続させて
皆既月食のように輝いている
静かな夜

土管の外側は小さなタイルのモザ ....
書く端から
言葉がもろい陶器になって
ぱりんぱりん割れていくので
どんなに壁にしがみついても
もう書けないのです
コンクリートは湿ったにおい
かび臭い指先から滴るインクでは記号にならない
 ....
誰もいなくなった教室で
同じ図形をノートの端にひたすらに書くということを止められなくて
一本の線で四角をどんどん連鎖させて黒くなるまで
はじまりがどこだか見えなくなっても
鉛筆の先に終わりはま ....
卯左飛四さんの自由詩おすすめリスト(94)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空き缶- たもつ自由詩1003-11-9
愛している- 岡村明子自由詩403-11-9
金魚- 狸亭自由詩103-11-8
宛て先- アンテ自由詩7*03-11-8
ふろしき- 岡村明子自由詩703-11-8
黙示- 服部 剛自由詩5*03-11-7
あいはにほへと- こん自由詩8*03-11-7
君の噂を聞いた夜- AB(な ...自由詩503-11-5
おぼん_’86- 狸亭自由詩403-11-5
気持ち- アンテ自由詩7*03-11-5
薔薇- 狸亭自由詩203-11-3
都会のタンポポ- AB(な ...自由詩4*03-11-2
一杯の牛乳のために- たもつ自由詩1903-11-2
欠落- アンテ自由詩14*03-11-2
九十億のそのつぎの- 佐々宝砂自由詩603-11-1
カーテンコール- 岡村明子自由詩603-10-29
同窓会- 狸亭自由詩303-10-28
Please_Mr._Postman- 山田せば ...自由詩24*03-10-28
夕焼けが足りない_5- AB(な ...自由詩1303-10-26
齧りかけの林檎- AB(な ...自由詩5*03-10-26
告白- 山内緋呂 ...自由詩36*03-10-24
- アンテ自由詩6*03-10-22
風呂場に集まる女たち- 岡村明子自由詩503-10-22
夕焼けが足りない_1- AB(な ...自由詩1503-10-21
四月×日- 岡村明子自由詩503-10-21
かに- 岡村明子自由詩203-10-20
風にわたって- たもつ自由詩1403-10-20
土管- 岡村明子自由詩403-10-11
迷羊- 岡村明子自由詩603-10-9
ボギー大佐マーチ- 岡村明子自由詩503-10-7

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4