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 大人は道化師のふりをして、子宮を配る。子供たちが記憶の中に、ゴムの匂いを思い出してることが、不思議でたまらないのだけれど、避妊された(あるいは否認された、風船からこぼれてしまった、命のは ....
 
満月が
おおきくくちを開けて
新月になる
夜空をひとつ
噛み終えるまで

いくつもの時を食べつくし
それでもなお
夜はおとずれる

無数の星は彼らの目だ
今日もどこかで
 ....
猫が
大丈夫ですと
鳴いている
本当は
大丈夫じゃないから
泣くのに

犬が
わからないと
吠えている
本当は
わからないことは
何もないのに

みんないつか
子供 ....
私は読む
本の向こうから
呼ぶ声が聞こえる

空に栞がさしこまれ
訪れる夜も
失うことなく

示された意味を
自らの言葉として
世界に生きる

やがてそれは
鮮やかさを増して ....
真夜中
帰宅して灯りを点けると
妻の気配が待ってる
まだあたたかいから
一緒に夕食を食べて
少しだけ話す


妻が僕を見送る
隣には
昨夜の妻もいる
その先で
いつかの ....
イルミネーションの
絆はでんりゅうだった

絆はいともたやすく
つながったり
はなれたりした
しかしそれはまだ
本当の絆ではなかった

イルミネーションの最終日
でんりゅうが止めら ....
バランスが悪い
僕も悪い
君だって悪かった
時を例えるなら
物語とは
薔薇きちがいの
天秤の上で
気づくべき落差を
転げ落ちて
愛し合う意味の
足りない部分
とても遠いところで
 ....
たらいまわしにされているたらいが
私の家に届いた
底のひび割れから水漏れするので
仕事にありつけないのだと言う
私は気の毒に思いひび割れを修理してやった

翌日たらいの奥さんと息子も届いた ....
母の筏に乗る子供を
クロールで追いかける
ときどき中州に立って
子供と手のひらを見せあう
中州を指差すと母は
あれはお父さんよとおしえている
また手のひらを見せあって二人笑う
筏が中州か ....
誰に気づかれることもなく
蟻が風呂の排水溝に吸い込まれていった
死んでしまったかと思われた蟻は
翌日水道の蛇口から金魚になってあらわれた
金魚鉢でしばらく飼われた金魚はある日
誰に気づかれる ....
プロポーズの日
私たちは海老フライバーガーを注文した
三分ほどお時間がかかりますが
そうお店の人が言って
後ろの方では段ボールの中から
冷凍の海老フライパティが取り出されていた
トレイの上 ....
ばっぱ、こねえだ小川さんえのカッチャ飲んでら、ママはいってらお茶ッコけれ。

ママはいってらお茶ッコ?なえのごどだべ?

あれぇ、こねえだ小川さんえのカッチャ飲んでらっけしゃよ。

あやあ ....
目の前で
ひらりと舞い上がって
足跡は空高く飛んでいった

あのひとの足跡も
ひらりと舞い上がった
慌てて両手でつかまえて
背中に隠したけれど私はすべてを知った

行き ....
幼稚園でぼくは人生ではじめての
本格的な人間関係を体験する
触れるだけで傷がついてしまいそうな
新芽みたいな人間関係は
なまきずが耐えない心の訓練
お母さんはいない
苦しくても悲しくても
 ....
アダルトビデオから男優が逃げた
かわりに僕が入れられた
男優はそのままビデオショップに返却し
自由の身となったようだった
ビデオがレンタルされた
借りたのは彼女だった
僕は女優をビデオの中 ....
空はギター
すきとおる
風の音
甘い日差し
幾層も重ねて
陽炎の音
うすい残響
地平線
ふるわせる
細い弦
音もなく
切れて
とぎれて
聞こえる
波の音
月の囁き
空は ....
ゴミはゴミ箱に捨ててくださいと彼は言う
イメージと詳細にしか興味がない彼は
ある日からゴミ箱の中に住むようになった
今日もゴミ箱の中はイメージと詳細でいっぱい
そのことに彼はとても満足している ....
小原あきさんの小川 葉さんおすすめリスト(77)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
サーカス- 小川 葉自由詩209-1-4
夜を噛む- 小川 葉自由詩8*08-11-4
大人びた動物- 小川 葉自由詩308-3-18
私は読む- 小川 葉自由詩208-1-19
気配- 小川 葉自由詩408-1-15
でんりゅう- 小川 葉自由詩307-12-28
九月にたなびく- 小川 葉自由詩5*07-9-18
たらい- 小川 葉自由詩9*07-6-17
日曜日- 小川 葉自由詩607-6-5
- 小川 葉自由詩707-6-5
海老フライバーガー- 小川 葉自由詩17*07-6-3
ばっぱの思い出- 小川 葉自由詩507-6-2
足跡- 小川 葉自由詩1107-6-1
植物園まで- 小川 葉自由詩507-5-31
アダルトビデオ- 小川 葉自由詩9*07-5-30
空はギター- 小川 葉自由詩607-5-27
不可視- 小川 葉自由詩607-5-25

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