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風と分かれて山の頂きを下った
雲に揺られて浮かんでた
ぬくもりに隠れた姿でも
いられなくて
根雪にひそりと 響く
足跡から溶けていく
風は海から共に
重ならないから指をのばし
....
マジャン と聞こえたので
えっという顔になった私に
中国人の友人は ジェスチャーをしつつ
マジャン と言う
なんとなくそのしぐさから
ああ マージャンね というと
日本では マージャン ....
かえろうよ
そう言って風は積雪の氷をはがし
小さな白い頬を撫でた
一瓶の底に這う旅
握りしめる緑の葉づれ
きこえて 忘れて
かえれないよ
そう言って風は積雪の氷を埋めて
小さな ....
本を閉じるように雲を抱え
糸くずのついた縫いぐるみに
兄弟の名を教える
のぞきこまれた気がして
草のつぶやきに
片言で行くと答え
噛み付くように
草をむしり切り捨てた
....
暗闇と心を分け合い
なぞられる無き言葉
茎の黄緑が集めた光
ガラスの氷と溶ける
土に立つ木漏れ日の中
鉢に割られた時と鳴る
くずりのけたわだちは
ひわたののどにねむる
ゆするとなのはなめに
もたれたこくげんのよ
つづらめざめしらかげ
あがないくうからきる
こうこうと燃えている白い道に
飲んでたむける傾きの宵戸口
ねかせておいた木漏れ日 影の上
指に重なり ぽつん すさませない
ひめくりにつられてつぎたし
のどもとにつきつけついばみ
よそ ....
いつからがいつまででいつもなの
普通に生き物が生きている時間
隣人はそろりとひそみ
悲しくなどないないと
はじけてしまう
つるりと 空が転んだ
雪と雪と雪 こんにちは
暖かくなったら簡単に
咲いてしまうから花は
ぴたりと閉じた夜
冷気に凍れもしないで
焼けて朽ちるよ
ともし火は枠のほこりに
つもりまみれて居残らない
にょろにょろは横になる
どうして立っていないの
小さなおててで持ち上げちゃったら
にょっ
雪のしっぽは切れちゃいました
あらら ねえねえ
横になっててもいいんじゃないの
恐竜のしっぽって ....
なしという続きのために
削られても消えない
かけらが つながらない線に渡る
後ろ指にかけられた
時計のガラスが見送る
つむれば目が見ていく 心細い幸せ
畳みに けばだつ痛みに
染み込んで ....
バスターズ
信号が変わって 足早に歩き始める。
通勤途中の人の列は 流行のインフルエンザの影響で
マスクをかけている人が目立つ。
少々苦しいが 感染したくないので我慢してかける。
しかし ....
私はどこを守ればいいのって
お守りを握りしめるように愛想よく聞く
今日の予定は目安でしかなく
今からあっちと言われても
はい と返事は はっきりと潔く
どこに居ればいいのと迷うのは懲りた ....
十一月になり寒い
合羽を着て雨の中 林檎をもぐ
はしごの四段目くらいまであがると
葉につかまり じっとしているトンボがいる
明日は雪の予報で今夜にも降るかもしれない
最後の日なんだ
羽を掴 ....
緑色を青というのは信号だけだと
白線の前でブレーキをかけ思う
嘘でも慣れてしまえば
覚えてしまって逆らう必要もなく
立ち止まらなければいい
音楽を聴いて風景をながめて
ハンドルと時間だ ....
こみどり待たせた道路の白線
丸い木の輪に赤い手のびる
二本の足に根の指下がり
みじんぎりの水 羽根切り回り
枯れてく管に門出の粉族
ふくらむ尾の顔
爪先に笑う
部屋に屋根飾り 灯 ....
わける血のない石くれ
落ちるものは流れ
焼けたものは渇き
散ったものは滑り
登ったものは尽きる
かざした手からそっと
見続ける月の こうこうと湧く光り
だしてくれとどこかで
牙をむ ....
掛け軸の後ろにあるものは
じっとしている
いらないと仕切られた上に
何がかけられたのだろう
絵は語るのだろう
字は話すのだろう
ただ外と中を区切り
支えるだけでは
満たされ ....
手でつないだものが
止める鎖では無い事
そんな力のないものである事も
指の組まれた思いの前では
望み と
言い換えて遊んでいるようで
無償に笑っていることに
ひととき
つぐないなど ....
背中会わせた粒に分け入り
壊さぬように水を汲み上げるため
細く柔らかい根が
灯りもつけず 土を進む
折られる季節
軽い音先に連れ去られる
綺麗なところを
好いて微笑む指
見知ら ....
しみついたカーテン
コール・オーダー・リピート
あいているノブに触れないと
指紋がわからなくなるから
その先にまぎれる長椅子の影しか
入れないすみに 磁石を落とした
耳たぶにくい込めない鎖 ....
冬の寒さと共に降り積もった雪が
通り道から寄せられて
田畑や山のすそに高く圧せられている
春の陽射しは明るく雪に反射して
溶けて滲んだ水の粒がキラキラ
やがて沁み込んで行く雫が
空の ....
歌の缶詰がみつかった
黒く水を吸った
砂浜の海揺れる昼間
味を知らない白い鳥が
つついても 食べられないから
不機嫌に おいていく
黒く夜を吸った
砂風の渦過ぎ去る木陰
のまれ ....
骨を飲み込んだ壁の絵は
歩けるようになった
かすかに影をいだいて
陽をひきずり
音を避けて
草の渡れぬ反対側へ
道に線をのせた
ぽとり と雨が
さほど濡れない
ひさしのついた壁の ....
明るい陽射しのロビーで
いろんな人がカウンターと椅子の上
ぎこちなく たっては座り
さしだされた指示に従い
通路と道路に歩いて行く
待たせた人々と共に
誰も待っていない人も
了解し ....
ひにすえたけがれ
かれたつさしやみ
めにこくりとふく
ほそびののどさす
はるかまないほね
そらとはうえにあるのに
ゆきえぬと かげがそう
歩けない事が
空にのびていくために
必要なのだと
言い聞かせる事に
酔いしれ擦り切れ
根をかじる
悪食に
倒れたら
仲間になれそうな
錯覚を満たす
ひくことも
さることも
....
ガラスを吸って
墜落した
ひな雪
ブランと降りた
眼が
かかと見上げてる
時を割る氷
血脈に浮かべて
月の光に
波とかざす
ぼんのう押し寄せる
白髪を染めたものはげる
じっとじりっと睨む
ひたすら唱える 行間
しょくぎょうくんれん
しょくぎょうくんれん
ぼさっとつめた
しわをのばした皮に
まぶした塗 ....
だまにひかれた石の鐘
包み隠した小脇の影緒
とした浅瀬に浮かべる火氷
散らかす青たつ藻草吐息に
かけつ揺れ梳き身雲宵喉
さめつめれつわ ち
八重夜 憎く
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