すべてのおすすめ
一頭の牛が
ブランコを押してくれた
こんなに高くは初めてで
空だけがきれいに見えたけれど
必ず元の場所に戻って
どこにも進むことはなかった
明日食べられるのだ、と
牛は言った
....
家出した
2軒先のオモチャ屋まで
所詮そのくらいの意気地
模型電車のガラスケース
豆電球が優しくて
何度も何度もトンネルを覗いた
眼鏡のオヤジが
オデコで睨むから
負け犬のように店 ....
今、あくびをしたのは誰だろう
今、勉強の途中で灯油を入れているのは誰だろう
今、ボブ・ディランのCDを聞いているのは誰だろう
今、足のむくみに気づいたのは誰だろう
今、明日は7 ....
真夜中の毛布に隠れ
短い振動が
密かにわたしを呼ぶ
七十センチ横では
きみの見知らぬ連れ合いが
高らかに寝息で嘘を吐いている
幸福の整理券を
並んで手に入れたものの
本当は少し ....
輝くような明日が待っている
と
誰もが思わなくなったって
明日にしてみたら
たまには輝くのだから
輝きがいがないではないかと
愚痴をこぼす時代なのだ
と
....
忘れてはいけない
詩と空想が生活を救い
貧困が雪解けを待つたのしみに変わること
おまえは知るだろう、
やがて現実がひとつの虚構として
おまえの空想のまえに立ちはだかるときに ....
学生のころから
よく行くとんかつ屋さんがあって
久しぶりに行ってみたら
お昼時を少し過ぎていたのに
待合の椅子もいっぱいに
さらに立って並ばなければいけないほどだった
良心的な値段と
カ ....
軋む
一歩ごと
軋む
心ごと
逃げ込んだ森は
甘美な瀞が満ち
わたしは愛しい景色を
凍る爪先で犯してゆく
痛む
一言ごと
傷む
一夜ごと
明日を司る月が
昨日 ....
リコーダーの空は
ドナドナを歌いだしそうに 不安
ランドセルは束ねられていた
赤く
赤い文字盤をみている
チャイム
太宰治は、を主語にして
話をしたことがあったかもしれない ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
部屋に突然インドがやって来て
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かっては ....
老人は考えています。
自分はルールの結晶なのだと
老人は考えています。
老人は考えています。
自分は自分のルールの結晶なのだと
老人は考えています。
何十年 ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする
風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする
空がねむると
空のなかに
ほんと ....
線路脇に建つ家に生まれて
ずいぶんと長い間 そこで暮らしたせいか
今でも 5分おきに
からだを揺らしてしまう
そうやって揺れているうちに
いつしか わたしは
窓ガラスの
3メート ....
人の嘘で
鳥は空を飛ぶ
鳥の嘘で
ドアは人を
閉じ込める
ドアの中で
人は鳥を
飛ばし続ける
+
いつも
三人なのに
いつも
八等分
してしまう
+
....
バスの回数券を一枚ずつ切り離す
私たちの遊びは既に失効している
終わりがないプレイルームで
延々と始まりだけが続き
つまるところ距離が無いという意味の部屋で
初めて見た虹を汚らし ....
どこからか
うまれた
しあわせは
てをつなぐように
であって
すなをくずすように
かわっていった
気がつけばいつも
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていっ ....
あたし達は多分
できかけのべっこうあめみたいに
ぐにゃ、ぐにゃ、してる
べっこう色、
きれいな固い肌も
もってないし
白い上白糖の、
さらさらした柔らかさも
なくしちゃったし
....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
手紙は
シロヤギさんが食べました
シロヤギさんは
クロヤギさんが食べました
クロヤギさんは
僕が食べました
僕は夕方
手紙になりたい
さかさまつげ と診断され
父に手をつないでもらって
眼科に通って いた頃
診察してくださった先生は
遠くをみつめなさい と言った
遠くの山の緑 遠くの景色を
とても 眼にいいか ....
ああ、またここから、始まる
無意識にながれる所作に
ときどき
生まれる、感覚
蛇口をいきおいよくひねり
じょうろへと水を注ぐ
そんな、とき
朝が、
おとといよりも
昨日よりも ....
<
では皆さん、生ハムをチーズで巻いて下さい
先生、チーズを生ハムで巻くのではないのですか
いえ、生ハムをチーズで巻いて下さい
先生、生ハムはチーズでは巻けないと思 ....
濡れた紙が降ってくる
手で破いたように
様々な容姿で舞い
白く空を遮る
ペタリと壁や信号機に張り付き
人々の頭は皆ライス大盛り
足早に歩く人の足には
待ってくださいとばかりに
大きな ....
ななさいのたんじょう日
なないろのクレヨンをもらったの
みずいろで
そらに風をかいたのに
ちっとも みえなくて
しろい雲は
ながされるばかりで
かいても かいても
きりがなかっ ....
なんで 私が
あなたの詩が好きかっていうと
ソウルフル だからだよ
どんな アプローチでも 言葉も形
完璧じゃない
音や みてくれから くるものが
ほっとけない感じなんだ
....
実は僕
あんたの事
5回殺してるんですよね
ええ、頭ん中で想像して
だから罪にはなりません
心の積荷は少々重いですけれど
まぁ、現実にあんたが生きているのは
僕の想像力のお陰 ....
チョコリットも積んだし
燃料も じゅうぶんだ
さて。
火星へ行くことにしたよ
彼女があんまりうるさく
ぼくをがんじがらめにするから
もう、ぼくは
火星ならタコ(みたい ....
1 2 3 4 5 6 7