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その昔
字を読んだり書いたりすることは
誰もができたわけではなく
むしろ限られた人だけだったのかも
しれない

今では
字は誰もが読めて書けるようになり
文盲という言葉すら
知る人が ....
普段は絶対に使わない漢字を
みんなはすらすらと書いている
そんなことぐらい
書けて当然らしい
でも手紙や作文の書き方を
ほとんど知らない

当たり前のことが
わからなくなっている
複 ....
夏の交差点で
朝に出会ったのは
真っ赤なトマトと
黄色のトウモロコシだった
トマトはトウモロコシの甘い匂いに
胸がきゅんとなって
さらに赤くなった

夏の交差点で
昼に出会ったのは
 ....
夏が浮いている
ぷかぷかと気持ちよさそうに
今の季節を楽しんでいる
どこまで行くのだろう

夏が泳いでいる
ちゃぷちゃぷと気持ちよさそうに
今の季節を喜んでいる
いつまでいるのだろう
 ....
ふと日常の糸がプツンと切れた
何もしたくない
頭の中と心の中では
この言葉しかなかった
そろそろ出勤しなくてはならない時間だが
立ち上がるのも面倒だ

決めた
今日一日は怠惰な生活を送 ....
山の奥に入って行かなければ
採ることのできない昆虫が
都会の真ん中にたくさん生きている
虫網を使わなくとも
高価なお金で獲得できる
採る楽しみよりも
持つ楽しみに変わってきたのだろうか
 ....
「がんばりました」
とても短いけど
私の学校での一日の感想です

毎日ノートに書いて
お父さんかお母さんに見せます
そしたら何でもいいから書いてもらって
次の日に先生に渡します

毎 ....
黒い塊が空を支配し
重たい空から大粒の雨が降る
木々の葉を叩き落すその雨の中で
青空を見つけた

晴れている日なら
青空は当たり前だけれど
今は
幸せを見つけたような気がする

い ....
その人が
その人であると感じるとき
土の匂いがする
生まれ育ったその土が
自分に伝わってくる
そこにしかない土
その土の一部分だけを
他の場所に移しても
土が壊れてしまいそうな
そん ....

暑さの中で
何かが動いている
畑で汗を流す人
工事で体を動かす人
営業で外を歩く人
みんな汗をかいている
涼しい部屋にいる人も
心の中で汗が出る
この汗で
今日という一日が
 ....
狭苦しい自分の部屋に
自然がなかったので
花を買ってきた
わずか数日でしおれていた

今度は植木を入れてみた
水をあげ続けて
数ヶ月も持ち応えたが
花を咲かせる前に
枯れてしまった
 ....
雨に濡れてる紫陽花の
赤が濃くなるその花に
ほのかに光る銀の雨
一つ一つの音を聞く

そこには時が動いてる
膨らみながら進んでる
雫に溜まるその詩は
紫陽花の詩

風に吹かれる紫陽 ....
蟻が空を見上げてる
土の上から
体よりもずっと小さい目で
大きな空を見上げてる
いつもは下を向いて
せっせと動いているけれど
まぶしい光が呼んだのだろうか
蟻は立ち止まり
空を見つめて ....
苦しいとき
なぜか
いつも上り坂があった
何でこんなときにと
腹が立ったけれど
その坂を上らなければ
目的の場所には行けないので
上るしかなかった

上り始めると
思っていたよりは ....
この地球には
捨てるものなど
何一つとしてありません
あなたたち動物の排泄物も
やがては花となり
実となるのです

まだ使えるものなのに
物を捨てさせなければ
物を作り出せない
そ ....
ふうと一息
空に向かって
シャボン玉が膨らんでゆく

光に照らされて
青くなり
赤くなり
くるくる回る

たくさん飛ばして
気づけば
シャボン玉の空

地上では
アジサイが ....

森には緑が生い茂る
その中のたった一枚の葉
その葉がなくとも
森は揺るぎないだろう
でも
その一枚の葉が
一枚の葉になるまで
どれだけ過程があるのだろう
その一枚にも
命が通っ ....
各駅停車しか停まらない
その駅のベンチに
ふと置かれた本が一冊
鞄に入れたつもりが
入らなかったのだろう

風でページがはらはらと
少しだけ浮き上がる
どこか心地よさそう

急行列 ....
いつも駅まで歩く道
朝が早いので
その店はまだ閉まっている
どうやら花屋らしい
けれども
見るのは灰色のシャッターだけ

盲目的に一日を働いた
マニュアル通りに忠実に
終わりのない繰 ....
満員電車の中のつり革を
片腕を伸ばしたまま
必死になって握り締め
このつり革は自分ものだと
態度で主張する
そんなわずかな場所が
そんなに欲しいのかい
数分後にはみんな降りてしまうよ
 ....
駅までは歩いて十数分
雨の日は五分も待てばバスが来る
車と人の道も分けられて
目的地までは
黙ってまっすぐ進めばよい

この道は
多くの人のために作られた
そしてこの道には
多くの人 ....
山を見ろ
何かが聞こえてくるだろ
それが
ヤマトの歌だ

海を見ろ
何かが動いているだろ
それが
ヤマトの踊りだ

ヤマトは
自然という言葉を知らない
なぜならば
自然そのも ....
ぎらぎらとした太陽の光を
何も遮るものもなく
そのまま受けながら
アスファルトの道を
ひたすらと歩き続ける
たらたらと頭から汗が落ち
体がべとべとする
道からはむらむらとした熱が
浮き ....
一秒
このわずか一秒の間に
地球の中で
数えきれないほどの電子が移動する
それが今という時代

今の時代には今の詩を
それでは
何が生まれるというのだろう
とてつもなく広く速い流れの ....
ある日の夏
空にできた波紋は
地上のあらゆるものを揺らした
緑豊かな森も
氷で覆われている山頂も
果てしなく続く海も
一日を必死で生き抜く動物も
せわしく生きる人間も
その波紋に包まれ ....
初めて通る道なのに
なぜだかどこか知っている

誰が通るか知らないけれど
笑顔はどこか懐かしい

ここはもしかすると
故郷なのかもしれない

ほんの短い道だけど
本当はものすごく長 ....
工事現場に置かれた
大きな平面板は
空に流れる白い雲を見ながら
あの雲のように
自由に流れたいと思った
平らに寝そべっている自分では
風に相手にされなかった
起き上がれば
風を跳ね返し ....
我が家に
最新型のテレビを入れてみた
だからといって
家族の会話が増えたわけではない
そもそも家族全員が
揃って家にいるときはない
増えたのは
番組録画の数だけだった

自分の付き合 ....
雨が降ってきた
そんな空にイライラしたのだろうか
家に置いてある
どうでもいいコップを
庭の真ん中においてみた
少しずつ
コップの中に水が溜まってくる
少しずつ
コップの中で雨が揺れて ....
笑う鳥を見たくて
空を見上げてみました
けれどもそこには
白い雲しかありませんでした

誰かが言っていました
笑う鳥は
うれしいときには鳴き
哀しいときに笑うのだと

だから
笑 ....
未有花さんのぽえむ君さんおすすめリスト(647)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
有り余る言葉の中で- ぽえむ君自由詩7*07-6-18
できて当然- ぽえむ君自由詩19*07-6-18
夏の交差点- ぽえむ君自由詩14*07-6-17
夏が呼んでいる- ぽえむ君自由詩13*07-6-17
怠惰を努力する- ぽえむ君自由詩10*07-6-16
昆虫採集- ぽえむ君自由詩19*07-6-15
がんばりました- ぽえむ君自由詩12*07-6-14
雨の中の青空- ぽえむ君自由詩13*07-6-14
土の匂いがする- ぽえむ君自由詩5*07-6-13
暑さの中で- ぽえむ君自由詩7*07-6-13
ないものを入れてみる- ぽえむ君自由詩3*07-6-12
紫陽花の詩- ぽえむ君自由詩10*07-6-12
蟻が空を見上げてる- ぽえむ君自由詩9*07-6-11
新しい自分がそこにある- ぽえむ君自由詩13*07-6-10
地球が捨てられてゆく- ぽえむ君自由詩11*07-6-9
シャボン玉の空- ぽえむ君自由詩14*07-6-8
一枚の葉- ぽえむ君自由詩15*07-6-8
忘れ物- ぽえむ君自由詩9*07-6-7
花屋のシャッター- ぽえむ君自由詩14*07-6-6
悲しい占領地- ぽえむ君自由詩26*07-6-5
都会の温かさ- ぽえむ君自由詩13*07-6-5
ヤマトの歌- ぽえむ君自由詩12*07-6-4
夏歩き- ぽえむ君自由詩21*07-6-4
今の時代には今の詩を- ぽえむ君自由詩10*07-6-3
空の波紋- ぽえむ君自由詩11*07-6-3
懐かしい道- ぽえむ君自由詩15*07-6-2
膨らむ板- ぽえむ君自由詩12*07-6-2
最新型の詩- ぽえむ君自由詩27*07-6-1
雨が揺れている- ぽえむ君自由詩16*07-6-1
笑う鳥- ぽえむ君自由詩8*07-5-31

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