都会の温かさ
ぽえむ君

駅までは歩いて十数分
雨の日は五分も待てばバスが来る
車と人の道も分けられて
目的地までは
黙ってまっすぐ進めばよい

この道は
多くの人のために作られた
そしてこの道には
多くの人が歩いている
これだけの人がいるのに
道の上では話し声が聞こえない
隣の車の道から
煙を出す音と匂いしかない

駅からは歩いて数キロメートル
家に着くまでコンビニが三軒
買いたい時にふらりと入って
目的のものを
黙ってそのまま買えばよい

この道は
便利のために作られた
そしてこの道には
多くの人が利用する
これだけの人が使っているのに
この小さなお店でほとんど事足りる
「ありがとうございました」
マニュアル通りの声と笑顔しかない

茶色の薄いビニール袋に入った
お弁当だけが温かい


自由詩 都会の温かさ Copyright ぽえむ君 2007-06-05 12:03:39
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