すべてのおすすめ
誰にも使われなくなった鉄棒は
鉄棒自身が自分の目的を忘れていた
そして自分のためにだけに吹く風を
ずっと待つようになった
けれども風は鉄棒を無視するかのように
通り抜けてゆくだけだった
そ ....
学習塾に行く道で
おばあちゃんが一人で野菜を売っていた
何も言わずに通り過ぎようとしたら
どこへ行くんだね
と話しかけてきた
塾と答えると
そうかい偉いねぇ
今の子達は大変だねぇ
せっ ....
よくできてるね
問題を解けばほとんど正解だった

よくできてるね
この言葉が嫌いだった

よくできる生徒で終わってしまうのが
納得できなかった
私は何もしていない
私は何もできていな ....
恋をしたその帰り道
商店街で見つけたコロッケパン
食べながら歩いて家に着く
どんな味だったのか忘れたけれど
胸がいっぱいだったと思う

デートをしたその帰り道
またコロッケパンを買って
 ....
私は私なので
私にしかつくれない詩があるはず
けれども
その言葉が見つからなくて
いつもずっと探してる

私は私なのだから
私にしか歩けない道があるはず
けれども
その道に辿りつけな ....
世の中には春が訪れたというのに
一人だけ取り残されたかのように
生活に冬が続いている
わずかな陽だまりにその温かさを
見つめるしかない生活
小さな机の上には
灰皿と百五円の使い捨てライター ....
地下の中で入学式が行なわれている
これから一人前の石になるために
小さな石たちがコロコロと
地面の中を転がってくる
周りの大きな石たちが大きな拍手で
彼らを迎えている
巨大な石の挨拶は退屈 ....
桜の花が散り始め
新たな春の姿見え
時の移りに風が舞い
生まれる夢も空に浮く

梢の先が萌え始め
出てくる春の命見え
時の香りに風が飛び
羽ばたく夢も空をゆく

緑と白のこの色は
 ....
カラスは春の雨に打たれて
やがて自分に襲いかかる
恐怖を感じとったのだろうか
カラスの体は白くなっていった
ずっと遠い空を見つめたまま
ほとんど動かない
自分の体の色が変わっていくのを
 ....
その鳥はとても小さく弱かった
食べ物を見つけても
すぐに他の動物に横取りされたり
時にはその鳥自身が食べられてしまったり
することもあった
その鳥にとってこの世界のどこかを
支配するどころ ....
今の自分にできることは
何もないのかもしれない
あったとしても
今までの自分ができたことよりも
ずっと少なく
今のみんなができることよりも
ずっとずっと少ない
だからといって他人を恨むこ ....
春の夜の公園は寒かった
暖かい陽射しに守られていた時は
ベンチに老人が座り
子どもたちが走り回って
木々も上へ上へと伸びていた
そこには春の温もりが広がっていた
日が暮れるとともに
公園 ....
都会で生き抜く鳩たちは
巣をつくるための枯れ枝を失い
マンションに住むようになった
冷暖房完備でオートロック
防音設備までも充実している
食料は近くのコンビニで二十四時間
夜目が利かなくて ....
地図のままに
その道を辿ってゆくと
平面は空間となり
動かない紙は風を呼んでくる
地図はその全てを語らないけれど
その全てを教えてくれる
示されているものから冒険を誘い
自らは新たな道を ....
今年にも春がきて
春を数えるときがやってきた
まずは春の色を数えたい
薄い黄緑や淡いピンク
あちらこちらにたくさん見える
暖かい風が揺らしてる
どれが一番似合う春の色だろう
春を見ている ....
ある日突然
街から空が飛んでいってしまった
青い空は街の向こうへと
逃げていってしまった
残されたこの場所は
街から出される煙で
空をつくっていった
灰色の空はきれいな灰色だが
それは ....
言葉と言葉の間には
言葉はないけれど
言葉にはならない
人から人への言葉がある
言葉は全ての中の
ほんの一部分の表れ
書かれてあることよりも
書かれていないことの方が
圧倒的に多くある ....
小枝の先に小さな緑が現れる頃
もう何度も使ってきた
「新しい」という言葉は
やはり新しいのだと不思議に感じる
今まで使ってきた言葉に
何かが足され
何かが積み重ねられ
今までにはない感動 ....
炎は燃えてはいるものの
心底では完全に冷めていた
自分にとっての熱とは何なのか
光とはどういうものなのか
疑問とともに不安が吹き上げ
自分を見失ってしまったのだ
炎はゆらめいている自分の姿 ....
海を目指した割り箸は
川の途中で石にひっかかった
体を縦にしても横にしても
前に進まなかった
石を超えられるほどの水かさもなく
ただその場に押さえつけられた
自分が目指したのは
こんな壁 ....
あの日の夕陽を覚えているかい
部活の帰りに一緒に歩いた川の土手を
手をつなぐのはいつも君の方からで
ぼくは何気ない顔をしていたけれど
いつもしっかり強く握っていたね
土手から見える神社の桜が ....
赤い風船は空に向かって上っていった
高いところから見下ろす風景を見て
ハイな気分になっていった
下から吹き上げる気流が
自分の足をどんどん持ち上げてくれる
もうすぐ雲に届きそうだ
すると雲 ....
どこにでもある公園の
どこにでもある家族四人が遊んでいる
けれどもその家族には
家はなかった
それでも着ている服はちゃんとしていたし
髪の毛も長すぎず短すぎず
食べるものも食べている
と ....
メガネは目が見えなくなってしまった
どこに何があるのかわからない
手探りで記憶と慣れを頼りにしながら
必要なものを手にとるしかなかった
メガネにとって
目の前も頭の中も全てが真っ白だった
 ....
春の駅に列車がやってくる
駅は桜の花びらを散らしている
列車は駅に着くというよりも
春の風に押されながら
春の中に迎えられる
扉が開けば春の香りに包まれ
窮屈だった体と心が解放される
梢 ....
一週間前のこの道は
みんなへとつながっていた
朝は必ず誰かがいて
元気な時もつらい時も
何の意識もせずに「おはよう」と
必ず誰かと学校に通っていた
まだ一週間しか経っていないのに
もうこ ....
宇宙は本当に広いのだろうか
もしも宇宙に終わりがあるのなら
星の数に限りがあるのなら
宇宙は狭いのかもしれない
果てしなく続いて
終わりのない空間に
広いという言葉は似合うのだろうか
広 ....
いつもよりほんの少しだけ
笑うことができるのなら
一日がすごく楽しくなれると思う

いつもよりほんの少しだけ
花に気づくことができるのなら
悩んでいることがすごく減ると思う

いつもよ ....
ある年老いた男が
山の中を一人で歩いていた
わずかばかりの荷物を
小さなリュックに入れてはいたが
引き返す気持ちは持っていなかった
男は朽ち果てた倒れた木を見つけ
そこに座った
辺りは暗 ....
鏡は自分にだけは
正直でありたいと思った
常に見るものに
反対のことを教える自分に
罪の意識を感じていた
だからせめて自分だけは
正しいものを正しく見たかった
だがそれは
自分が逆さま ....
未有花さんのぽえむ君さんおすすめリスト(647)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風を待つ鉄棒- ぽえむ君自由詩10*07-4-12
買い物を知らない子どもたち- ぽえむ君自由詩12*07-4-11
誤った正解- ぽえむ君自由詩12*07-4-11
コロッケパン- ぽえむ君自由詩14*07-4-10
私は私をまだ始めたばかり- ぽえむ君自由詩13*07-4-10
百五円の繰り返し- ぽえむ君自由詩11*07-4-9
地下の入学式- ぽえむ君自由詩8*07-4-9
夢はここからここにいる- ぽえむ君自由詩12*07-4-8
白いカラス- ぽえむ君自由詩13*07-4-8
翼を捨てた鳥- ぽえむ君自由詩7*07-4-7
今の自分にできることは- ぽえむ君自由詩8*07-4-7
春の夜の公園- ぽえむ君自由詩10*07-4-6
マンションに住む鳩たち- ぽえむ君自由詩9*07-4-6
言葉のままに- ぽえむ君自由詩7*07-4-5
春を数える- ぽえむ君自由詩13*07-4-4
青空が逃げてしまった- ぽえむ君自由詩11*07-4-4
言葉と言葉の間に- ぽえむ君自由詩15*07-4-3
「新しい」が新しい- ぽえむ君自由詩14*07-4-3
冷めた炎- ぽえむ君自由詩4*07-4-2
海を目指した割り箸- ぽえむ君自由詩10*07-4-2
あの日の夕陽を覚えているかい- ぽえむ君自由詩9*07-4-1
赤い風船- ぽえむ君自由詩11*07-4-1
家のない家族- ぽえむ君自由詩9*07-3-31
盲目なメガネ- ぽえむ君自由詩11*07-3-31
春の駅- ぽえむ君自由詩8*07-3-30
一週間前のこの道は- ぽえむ君自由詩6*07-3-30
宇宙は広いのか- ぽえむ君自由詩12*07-3-29
いつもよりほんの少しだけ- ぽえむ君自由詩18*07-3-29
ああ天よ- ぽえむ君自由詩6*07-3-28
正直な鏡- ぽえむ君自由詩16*07-3-28

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