すべてのおすすめ
桝目をひとつひとつ埋めていく
あなたはまだ
自分が花びらであることに気づいていない
窓の外は想像を絶する想像に包まれ
僕はそれを夕焼けと呼ぶこともできる
かつて靴下をはかない男の子がいた ....
食べられるものを食べるのが
好きな人でした
食べられないものを食べるのが
嫌いだったところは僕とは似たもの同士
だったかもしれません
食べられないものを食べないのが
好きだったか嫌 ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
この街にあるピアノの
ひとつひとつに
シールのようなものを貼っていく

たったそれだけのことで
君との近さや
遠さを
はかることができるのかもしれない

僕の心臓のすぐ側
 ....
a)

足りない
右の手


本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま


b)

たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼ ....
西病棟の長い廊下に湿ったモップをかけるから
清掃婦の後姿は僕の幼い娘に似ているから
寧ろそれは僕の幼い娘ではなく君に似ているから
決して君ではなかった
何度目になるというのか また「正」の ....
渋谷だらけの東京を秋雨前線が通過していく
地下鉄は簡単
指先のさじ加減で喜ぶことも可能です
走れ!って ぎっ?

トルエンをやめて三年目の兄弟が叩くレジから発生した油
川の流れ ....
テレビなどを見ていると
むかし憧れていたアイドルたちが、みんな
おじさんやおばさんになっているのにビックリする
そりゃあ、僕らも歳をとるわけだ
で、最近、酸っぱいものが無性に食べたくな ....
昆虫を描いてばかりいる少年が
今日は汽車の絵を描いた
たび
と口にしてみる
えい、やっ
気持ちをくしゃくしゃに丸めたい気持ちになって
余白にひどく不釣合いな
一匹のノコギリク ....
少年は
旅に出た

真っ白なノートを
一冊持って

そのノートに
この世のすべての言葉を

すべての意味を
書くために

街には
言葉が溢れていた

朝には朝の
 ....
辞書は本当は辞書になんか
なりたくなかったんだよ
本当は絵本になりたかったのさ

だから、辞書は本棚で寝ている間
書かれているすべての文字を
手荷物預かり所に預けて
夢の中で
 ....
午前3時33分33秒になったら
こっそりと本棚から
辞書を取り出してごらん
 
99頁と100頁の間に
もう1頁できていて
そこにはとても大切なことが
書いてあるから
 
で ....
たったひとつの睡眠を
羊たちと分かちあって眠る
もこもこしてるね
なんて今日は言わない
めえ、と寝言を言っても口をふさがない
数をかぞえない
何も思い出さない
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
昨日は
ライオンに
食われた

一昨日は
ウサギに

肉団子にされ
ハチの幼虫に
食われたことも
あった

ニンゲン様は
俺を汚く食い散らし
ご馳走様
まで
言 ....
三番線に十両編成の
パフェが到着した
中から降りてくる人たちはみな
クリームまみれ

母親に手を引かれた幼い男の子が
頭にフルーツをのっけて
昨日からだよね、昨日からだよね、と
 ....
ゴンザレス、生まれてこの方メキシコ人
今朝も早くからメキシコ風のシチューを
食べる
ゴンザレスを見守るゴンザレスの兄
生まれてこの方メキシコ人の兄
港の町では遠い海で漁をする季節
 ....
行ったきり帰って来ない父を待っている間に
僕は肩を壊してボールを握れなくなった
故障した肩は匂いや形が花に似ているみたいで
通りを歩いていると勘違いしたハチが集まってきて困る
その度にそよ ....
どううぶつえんの檻の前で親友は盤を取り出し
飛車角落ちで良い、と言う
親友の温かい手から飛車と角を受け取り
どううぶつの檻に投げる
どううぶつは隅でうずくまったまま見向きもしない
飛 ....
余計なものはすべて捨てた
部屋にはダンボール箱が一つ
私は体を折りたたんでその中に入り
蓋を閉める

部屋には今、箱だけがある
ありったけの小銭を持って
僕らはオークションに出かけた
実家が火事なんです
と泣きじゃくる男の人に競り勝ち
三匹のサワガニを落札した
一匹は僕が名前をつけて
一匹は彼女が名前をつけ
 ....
僕の必殺技のことを奴らは知らないでしょう
とても細いところで空ばかり見上げている奴らですから
ああ、高い高いですねえ
と、その間に電話をかける仕事は朝飯前です
朝飯前なのでまだ歯も磨いてい ....
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう

ときおり
あっ、とか
 ....
愛の奇跡であの娘と結婚させてください
そう神様にお願いした次の日の朝
目を覚ますと僕の右手には一本のわらがあった
どうにかしろ、ということなのか
どうにかなるさ、ということなのか
わ ....
軍艦巻きは週に一度
それが我が家のおきて

ちぐりす飲んでゆうふらてす
シャバのシャバダバ
シャバダバ・ダバダ

うちのじーさん、ひーじーさんの子供
じーさんの子供はとーさん
 ....
本日はお日柄もよろしく
押入れの中は相変わらずのじめじめ模様が続きます
いつまでこの暗闇の中でかくれんぼをしなければならないのか
親方にも僕にもよくわかりません
ただ、かび臭い布団や枕 ....
二時間待たされたあげく
僕はタクシーの助手席に通された
運転席の医者がちらりと僕のお腹を見ながら
おめでたですね、と言う
何か心あたりは?
そういえば確かに最近酸っぱいものの数ばかり ....
亀を探している
けれど亀はなかなか見つからない

今日の僕は
誰よりも龍宮城へ行きたいというのに

いじめているべき子供たちもいない
九月になって
みんな風か何かになってしまった
 ....
ショーウィンドウに陳列されている
マシンガンの前にくると
少女はいつも立ち止まり
その色や形に
うっとりする

名前も聞いたことのない国で
戦いが始まった
と、今朝ニュースで言 ....
みつべえさんのたもつさんおすすめリスト(473)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花が降ってきた- たもつ自由詩1304-11-3
節目- たもつ自由詩704-10-30
淋しい人- たもつ自由詩4004-10-26
図書室- たもつ自由詩3704-10-21
台風- たもつ自由詩904-10-20
惜別- たもつ自由詩1404-10-19
湿り気- たもつ自由詩704-10-17
脂喰坊主_と- たもつ自由詩1304-10-14
泡日- たもつ自由詩1004-10-13
一日の終わりに- たもつ自由詩1504-10-10
辞書をめぐるお話_最終話- たもつ自由詩904-10-8
辞書をめぐるお話_第2話- たもつ自由詩1404-10-8
辞書をめぐるお話_第1話- たもつ自由詩15*04-10-8
誓い- たもつ自由詩1804-10-6
忘れられた女- たもつ自由詩1504-10-4
循環- たもつ自由詩804-10-1
- たもつ自由詩1604-9-29
- たもつ自由詩1304-9-26
降板- たもつ自由詩1204-9-24
ゆうううつ- たもつ自由詩28*04-9-22
Simple_Life- たもつ自由詩1404-9-21
サワガニ- たもつ自由詩904-9-18
秋晴れ、バリトンサックス- たもつ自由詩6*04-9-16
根拠のない永遠(その翌朝)- たもつ自由詩1404-9-15
愛の奇跡- たもつ自由詩13*04-9-14
- たもつ自由詩704-9-12
緑のT-TOP- たもつ自由詩1104-9-10
今日の治療指針- たもつ自由詩1204-9-6
九月- たもつ自由詩11*04-9-1
マシンガン・ストリートの少女- たもつ自由詩1504-8-29

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