夜の公園の上 ブカブカ 猫が歩いていく
君が 弾く弦の 音に合わせて
お月さんの前を 猫が横切る
キレイなメロディ BGMに
君を想うと 頭の中
「君が好きだ」 ....
3月のつぼみをほどかぬよう
小さく軽くノックする
唇をつけるほどにのぞきこむ
私のこころ乱すほどその姿美しく
手の平で包んで奪い去ってしまいたいと言ったのなら
快活にあははと笑うだろう
君 ....
たぶん、ここの現役さんのなかで投稿された作品を一番読んでいるのは、ぴ@じゃないのかなと思っています。お名前を勝手に出して申し訳無いのですが、ここでの古参のおひとり、たもつさんが4187ポイント出して ....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった
雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
素に戻ると
大勢の人の前に立たされた
わたしが
いる
深々と頭を下げて
何を謝っているのだろう
トナカイのそりに乗り
飽きることなく
眺めた
白夜の物語
あ ....
流れ落ちるだけの空虚な時の水を
この手でせき止めてはみたけれど
やはり指の間から
少しずつ滲み出してきて
乾いた瞳を潤した
あなたの陽だまり、に
包まれていたことを ....
持っているの?
あなたに尋ねられて
思わず
持っているよ。そんなものと
答えてしまった
だけどね
ほんとはね
バッグのなかを
さんざ探しても見つからなかった
どこかで買えるのかな
....
早く大きくなりなさいと思ったあの日は
ほんの少し前のよう
あれからなんと早い事だろう
あなたはセーラー服が似合う年になり
頬をほんのりと染め
活き活きと出かけてゆく
あなたの頬には春風が良 ....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた
如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
画布一面に
描かれた椿の
色彩の深みは
凍えた空を思わせて
ひとすじの風にさえ
枝葉のさざめきが
聞こえてきそうであった
重なりあう緑葉の中に
たった一輪きりでも
咲き誇る花は
見 ....
ねえ、ねえ、オセロやろうよ
オセロ
ねえ、これ赤にならないよ
この白も
この黒も
どうやったって赤にならないよ
赤にならないよ
そうだね、赤にはならなかった
あの時
僕らはあ ....
君の匂いを辿れば
人ごみの中でも
すぐに見つけることが出来るよ
それは香水とかのコピーじゃなくて
君の存在から溢れ出すものだから
他の誰のとも似つかない
君だけのオ ....
何もできなかった自分なので
私は私に
何もしてあげられなかった
それでもその過去は
私の過去
何もできなかった過去であっても
大切にしておきたい
何もできない自分なので
私は私に
....
久しぶりの母からのメールは
「もうおとなりのうちの庭に梅が咲いたよ」だった
慣れぬメールをポツポツとうつ母の姿が浮かぶ
娘が梅の花に興味がないのは知っているはずなのに
伝えずにいられなかったの ....
ミランダ やさしい亜麻色の髪
青い瞳で微笑みかける
ボッティチェリの絵から抜け出た天使
裸足で草原を歩くのが似合う
ミランダ 白鳥の細い首筋
もうすぐ居なくなると告げた
はかなげな ....
優しさにぶらさがる
重なる星の巡り合わせに
ふたりだけの夜
ドブ板通りの古びたカウンターで
わたしをみつめる
瞳と
Never mind
歯並びの良い口元が闇に浮ぶ
迷路のような船底で ....
菜の花畑で見る夢の
差しくる日影も目映くて
菜の花畑で見る夢の
{ルビ解=は}つる思い出 風を追う
青陽の影
かげろうの刻
薫り合う間に
{ルビ翔鳥=か ....
西日のうちよせる窓辺に
幼い貝がひとつ
もぞもぞと動く白い靴下を
つん、とつけば、また{ルビ蹲=うずくま}る
どうしてこの子は
こんなに静かな遊びを
思いついてしまったのだろう
座り ....
キャッチボールする
子供のときのように
幼馴染と
キャッチボールする
幼馴染の大ちゃんの球は速い
少年野球やってたから
川島イーグルス
俺は 嫌いだった
疲 ....
ぐらりと揺れたのは
景色じゃなくて私だった
見知らぬ若者に少し体重を預けバランスをとる
助けてはくれないが積極的に拒みもしない
そんな時代だ
電車を降りて足早に地下道を歩く
私の前には ....
心があるから人間
それを無くすと人形
ならば私は人形
心なんてとっくに無くしちゃったから
もう 戻れないの
それでいる事は楽だもの
人形は悲しまない
人形は傷つかない
....
朝日の射す部屋に久々にお花を飾りました
真っ白な陶器の花瓶にたおやかな薄桃色と深紅
そっけない床にコトリと置くと
たちまち同化し花々は床に咲き乱れます
私は伝うものが涙だと
....
雲は遅刻したけれど青空は遅刻しなかった晴れのち曇り。
曇のカーテン薄いから、
向こうが透けて、
青い影。
ぐうん空魚が、
ほわわわ ....
風邪をこじらせて肺が重くなった
冷たいシーツの端を
そっと爪先で手繰りながら
冬眠するみたいにとぐろを巻いた
暗い明日の叫びを
遠い意識で聴きながら
目が覚めたらシマウマだったので ....
「雪の音階」
舞う羽の静かな音こぼれるよう
手のひらの中で羽化した希望(のぞみ)
こんこんとこころに積もる雪の下
あなたが埋めた種が芽を出す
....
寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
もうひとつの空の下には
空想好きの少女がいた
彼女は瞳の中で
小さな星を育てていて
世界からこぼれるように鳴るメロディーに
詞をつけては歌いながら暮らしていた
詞の中では少女は
....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で
雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて
おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて
....
やわらかにゆれる春
少し冷たい足の裏に
わくわくが止まらない
見渡すれんげ畑の向こうを
単線の汽車がゆく
わたしの知らないどこかとどこかが
つながっている
小さな花 ....
「 いい娘だったのにね 」
母が ぽつり もらした
「 ね 」
だから 好きだったんだよ
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