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たっぷりとあふれんばかりに
湛えて
零さないように歩くアナタの
《ブンサイ》がウラヤマシクて
一滴の飛沫さえと
舌をのばしてもとどかず
しかたがないので
自らもとめようと
行間のふちに ....
おぼろ月夜の
淡い光に
照らされて
陽炎のように現れた
秘密の扉


ゆらゆらと
揺らぎながら
こっちへおいでと
誘っている


この扉の向こうに
何があるの?
ためらい ....
終わってしまった
はずなのに
それは密閉した
重いふたの透き間から
かすかに甘くたちのぼる


人知れず心の底に
埋めたはずなのに
かぐわしい記憶の薫りは
ゆるゆると漂い
真夜中 ....
雑踏のあちこちで発生する
ポップな着メロ
それぞれの手のひらの中
ぽろぽろとカラフルな
想いをつかまえる


まるでゼリービーンズのよう
人工着色料かけたみたいな
絵文字やコトバが
 ....
ー圏外ですー


見えない壁に阻まれて
打ち砕けていく
想いの断片


わたしの中で
バラバラ散らばる
感情の鋭い破片


拾いあつめようと
無造作に触れて
斬ってしまっ ....
          
            ねえ、キミもためしてみてよ
            魔法のシガレット
            小さいころに気どってくわえた
            ....
せつない夜は
何して過ごす

ことば遊びの
ことば紡いで

とろとろ落ちる
時間を織ろうか

それとも

赤い月から滴る
ゆらいだ糸で

あの人に裂かれた
心を繕うか
 ....
ジリジリと太陽が
アスファルトに焦がれる思いを
告げる午後二時の
濃い影がさす
向こうには


枯れてしまったシクラメン
欠けてしまったクリスタルの花瓶
半分腐りかけの林檎
止まっ ....
あなたの行きつけのジャズ・バーへ
初めて連れていってもらった
薄暗い店内は煙草の匂いが染みつき
レトロな丸いテーブルと椅子が
老舗といわれる趣を物語っている


店のウエイターがにこやか ....
砂糖菓子のような
夢のかけら
そっと口に
ふくんでみる


舌にとろける
甘美な余韻
目眩がしそうな
媚薬の効きめ


たちまち身体が
熱くなり
カオスの世界に
堕ちてい ....
そっと目をとじて

心臓の拍動にあわせて

ゆっくり

   やさしく
  
      あたたかい振動

          背中に感じるでしょう?



疲れた身体
 ....
その時 目を細めて わたしを見た
鋭い欲望と鈍い光を発する目
どうしてそんな目でみるの?
今まで見たことがない 
瞳の表情


視線にからめ捕られて動けない
友情 でも
愛情 でもな ....
濁る世を
  我が身をもって鎮めれば
    いとも艶やかに
         花は咲きけり
あなたが見せたかったという
教会は
天草のひっそりした漁村に
静かに建っていた


教科書でしか知らない
隠れキリシタンの弾圧が
この地であったというのか


何ごともなかったか ....
さよなら 
と言ったはずなのに
あなたは笑って許してくれた


ピンクの薔薇の花束と
なくしてしまった
パールのピアス


差しだすあなたの優しさが
ナイフのように
わたしを貫 ....
遠い山の稜線が
水墨画のように
かすんで

ゆるゆると
時間だけが
澱のようにたまっていく

さがしているものは
光りにはじける 青
とろりと熟した 赤

なげだされたキャンバ ....
そこは新宿の雑居ビルが立ち並ぶ一角の
地下にある場末のバーだった
薄汚れた階段を下りていった記憶はあるが
すでにかなり酔っていたので
なぜこんな場所で飲んでいるのかわからなかった


そ ....
五線譜に引っかかっている
音符をひとつ 
つかんで
鍵盤に落としてみた


小さく高く弾んで
涙のしずくに
変わってしまった


やさしく
なにか語ってくれると
思ったのに
 ....
「貴女はご自分に酔っていらっしゃるのです」


思いがけない言葉に顔を上げた

彼は静かに私を見つめて煙草に火をつけた


(どういうこと?)


いぶかしげな眼差しの私に彼はこ ....
鍵爪のような細い三日月の夜
ある人妻は魔王メフィストと約束を交わしました
禁断の恋の成就を願い
その代わりにメフィストの言うがまま
魂を売ることにしたのです


ただ一つだけ月の出ない闇 ....
愛のかたちってどんなもの?
触れるとやわらかくて 弾力があって
姿をかえていくの?

愛に種類はあるの?
色や 大きさや あたたかさで
区別できるの?

愛ってつかめるの?
とらえど ....
青白い紫煙の行方を目で追う

あなたは煙草をくゆらせながら

目をとじて流れる音楽に聴き入っている

ゆっくりとした甘めのバラード

暗黙の了解の時間・・・

わたしはあなたとの距 ....
なんでこんなに苦しいんだろう

ふうっと息をゆっくり吐いて
何事もなかったように
凛然として前をむく

まなざしは遠くを見つめ
キッとむすんだ唇
力が入ってしまう肩

ヤセ我慢をつ ....
さっきから訳もなくティースプーンでカップの中を掻き混ぜてしまう
そんなにしたら紅茶が冷めてしまうのがわかっているのに
渦を巻く琥珀色の液体をじっと見つめる


「黙っていたらわからないじゃな ....
それは波状的に 
ワタシに繰り返し降ってきて


そのたびにワタシは
戸惑い 恐れ
そして
喜び 酔いしれた


歓喜の雨は
最初は小さな透き間から
だんだんと浸透して

 ....
溜め息でできた曇りガラス

微妙に感じる温度差

胸の中にぽっかり現れそうな空洞



もう囀れない歌えぬカナリア に

なってしまうのだろうか



味わってしまった夢は ....
あれは数年前  今でも脳裏によぎる

テロリストの哀れな末路か
成田空港に降り立ち
手錠を高々と挙げ
カメラに向かって
不敵な笑みを浮かべる
かつての“女戦士”


バブルも 不況 ....
朗々と響きわたる


近代文学の子守唄


木漏れ陽の差す教室


初夏の午睡の時間


嬉々とした休講の掲示


なくしてしまったカレッジ・リング


合コンとい ....
漆黒の闇に今日も
電波にのせた言葉がいきかう


誰かが誰かのために
ほとばしる想いが
零れないように


いつでも切れる
儚い琴線
そっと握りしめ


かぎられた空間の余 ....
闇の中に光を見いだせるのか




そのしなやかな旋律の調べは


木々のざわめきを語り


小川のせせらぎを歌う


繊細な指先から放たれる色彩


鼓膜を通して描 ....
北大路京介さんの渡 ひろこさんおすすめリスト(123)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Webからのインスパイア- 渡 ひろ ...自由詩5*07-9-12
月夜の扉- 渡 ひろ ...自由詩6*07-9-10
記憶の薫り- 渡 ひろ ...自由詩8*07-9-8
ゼリービーンズ- 渡 ひろ ...自由詩10*07-9-5
圏外- 渡 ひろ ...自由詩5*07-9-3
思春期シガレット- 渡 ひろ ...自由詩6*07-9-1
独り遊び- 渡 ひろ ...自由詩7*07-8-29
熱帯夜の夢- 渡 ひろ ...自由詩7*07-8-26
ジャズ・バー- 渡 ひろ ...自由詩7*07-8-24
砂糖菓子のような夢幻- 渡 ひろ ...自由詩8*07-8-20
淋しい大人のための子守唄- 渡 ひろ ...自由詩4*07-8-12
瞳の抵抗- 渡 ひろ ...自由詩6*07-8-10
妖艶な桜の独り言- 渡 ひろ ...短歌3*07-8-9
彼の地_天草にて- 渡 ひろ ...自由詩9*07-8-8
別れのティアドロップ- 渡 ひろ ...自由詩8*07-8-2
夏の残像- 渡 ひろ ...自由詩16*07-7-25
甘く危険な香り(妖精篇)- 渡 ひろ ...自由詩4*07-7-17
五線譜からの囁き- 渡 ひろ ...自由詩14*07-7-11
恋愛遊戯- 渡 ひろ ...自由詩7*07-7-3
月夜の逢瀬- 渡 ひろ ...自由詩7*07-7-1
- 渡 ひろ ...自由詩4*07-6-28
音楽と紫煙とあなたと- 渡 ひろ ...自由詩9*07-6-25
体温- 渡 ひろ ...自由詩5*07-6-24
琥珀色の悲恋- 渡 ひろ ...自由詩9*07-6-23
メールの雨- 渡 ひろ ...自由詩4*07-6-22
不安の輪郭- 渡 ひろ ...自由詩6*07-6-20
汚れた革命- 渡 ひろ ...自由詩6*07-6-16
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メールが織りなす心模様- 渡 ひろ ...自由詩4*07-5-26
盲目のピアニスト- 渡 ひろ ...自由詩10*07-5-25

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