砂糖菓子のような夢幻
渡 ひろこ

砂糖菓子のような
夢のかけら
そっと口に
ふくんでみる


舌にとろける
甘美な余韻
目眩がしそうな
媚薬の効きめ


たちまち身体が
熱くなり
カオスの世界に
堕ちていく


陶酔しそうな
薔薇の香りに
求めようと
のばした手には


幻影という砂糖で
飾ったお城は
もう似合わないから


虹色のロリポップは
ネオンをすり抜けて泳ぐ
あのにあげる


紅いピンヒールも
いつのまにか
褪せてしまったから


メントールの煙草と
リキュールの澱みに
浸りながら


粉砂糖のように
真っ白だった
魂の在りかを探して



またひとつ
夢を齧る




自由詩 砂糖菓子のような夢幻 Copyright 渡 ひろこ 2007-08-20 00:07:17
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