声色
信天翁

  「死」んでしまったものが
        ひとつもない
 「死」においやられるものは
        ごまんとある

    「生」きているものが
        ひとつもない
  「生」かされているものは
        ごまんとある

 「死」「生」の確たる証しが
        ひとつもない
血のなかの声がうろたえている
          ばかりで


自由詩 声色 Copyright 信天翁 2007-05-22 11:24:50
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