白い狼煙 八
信天翁

入院中の相部屋で
天井の淡い模様をながめながら
暇を持て余していたおいらにとって
それは それは 照れ臭かった
   担当の女性看護師から
   米寿 おめでとうございます と言われ
   有難うございますと応えたものの──
そして 咄嗟に感じてしまった
   老境を奔流する北風の厳しさと
   奈落から立ち昇る白いのろしを
窓越しにみる植え込みの樹木の揺れで


自由詩 白い狼煙 八 Copyright 信天翁 2014-05-24 11:43:38
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