すべてのおすすめ
わたしにはわかっていた
たのしいだけのまいにちが
しばしば
のこしたすうぷのように
あたためられずに
そこにあって
こんやかぎりのゆめのあと
なんども
めいわくだよね
てがみはもうだ ....
前の日の晩から決まっていたので
目が覚めてすぐ
はなうたを歌った
朝ごはんを食べるときも
はなうたで
納豆ごはんと大根のお味噌汁だ
やってみようとも思わなかったので
今まで知らなかっ ....
歩けども
歩けども
家が遠い
いくら歩いても
家が遠くて
安らぎの我が家には
辿り着けない
ひょっとしたら
家が無くなって
しまったのか
それとも
亀のように
逃げているのか
....
メルルーサというさかながいるらしい
昨日食卓に並んだ
私はそのさかなをしらなかったので
想像してみることにした
全長三メートル
深海にすみ ぎょろめ
口はとがり
歯がある
縦に ....
いい詩ってなんだろ
人の心を動かす詩ってどんなもんだろ
おそらく自分の感動する詩がそれなのかなとは思う
でも、そもそも自分の心ど真ん中の詩って
どういうのだろ
ど真ん中に近いのは
高村 ....
ぼくは
寂れた路地裏に
うずくまり
ずっと待ち侘びていた
トタンの屋根を
硝子の格子戸を
自転車のサドルを
生垣の八ツ手を
子供らの小さな傘を
やさしく濡らし
そっと奏でる
....
雨の日は
耳になる
秋は死に
鳥は黙したまま
はじめから
世界は
満ちることなく
ぼんやり
霧にぬれる
地球と鳥篭
朝 目を覚ましますと
世界はとても青く輝いておりました
本当にどうしようもないくらいに
青うございました
わたしのすぐ隣から
「おはよう」と声をかけてくださる
あなたのやさしいお顔も
....
赤い谷間を染める月が
凪いだ海の底へと
落ちてゆく
波間の暗がりに
赤が滲む
その辺縁に蠢くのは,
青い夜光虫だ
沈みゆくあなたの死体に
波が触れる,そこから
夜光虫は,静寂 ....
1 2 3