迷家
ねなぎ

歩けども
歩けども
家が遠い
いくら歩いても
家が遠くて
安らぎの我が家には
辿り着けない
ひょっとしたら
家が無くなって
しまったのか
それとも
亀のように
逃げているのか
そんな事を
つらつらと
考えていると
ふと匂いにつられて
入った店の
うでんで
一杯やってしまって
良い気持ちで
どうでも良くなって
そこらで寝てしまう
そんな事が続くと
さすがに困り
安いアパートなんて借りて
そこで暮らしてしまい
家はますます遠く
霞んで
部屋で
一人寝転がって
天井を見ながら
遠い我が家を
思い返してみる


未詩・独白 迷家 Copyright ねなぎ 2003-11-10 03:50:01
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