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黒いインクのその文字は
目から頭へ流れると
文字は絵になり色となり
言葉の影は白くなる
白いページのその文字は
頭の中に広がると
文字は詩になり歌となり
言葉の影は白くなる
文 ....
この世界はどうかしている
根拠もないことが信じられている
真実でもウソだということにできる
昨日までいた人が今日はいない
この世界はどうかしている
そんな世界を普通だと思っている
その ....
冷たい風が吹く
誰もいないススキ野原で
遠い音を聞いていた
はるか彼方から聞こえる
俗界からのメッセージは
幼い僕の心をとらえた
遠くで車が行きかう音
汽車の行く音
夕方のチャイ ....
昨日の記憶は新しいけれど
たくさんありすぎて
何が美しかったのか
すぐには見つからない
激しい記憶は勇ましいけれど
勢いが速すぎて
何が鼓動を高まらせたのか
すぐには出てこない
....
一日の疲れを
シャワーで洗い流していた
湯舟には
二本の髪の毛が組み合わされ
「人」という字で浮いていた
水面でゆっくり回って逆さになり
二本の毛の両端がくっついて
....
苦しかった
つらかった
我慢してた
誰かにきいてほしかった
吐き出してしまいたかった
ただ、 ....
雨が止んだので
図書館に行きました
誰が書いたのか
忘れてしまいましたが
旅行記に読み耽っていたことは
覚えています
雨が止んだので
靴屋に行きました
どこの会社の製品なのか
覚 ....
四角いビルの建物が
窮屈なので
海を見に行きました
岩がビルの尖った角を
削ってくれました
パソコンデスクが
狭いので
海を見に行きました
波がキーの叩く音を
飲み込んでくれまし ....
雨は降る
無情の
恵の
日は注ぐ
旱魃の
神の
一本の幹に触れる
真っ直ぐな
曲がりくねった
別れた妻を想う
不肖の息子を想う
置いてきた過去 ....
ラジオをつけると
聞いたことのある曲が流れていて
愛とか希望とか自由とか
そういったことを叫んでいた
壁に掛けてある絵は
何の絵であるのか解らなかった
右下の隅に小さな文字で
ユリネ ....
小さな手をクルクル振り回して
何か一生懸命に説明してる男の子の言ってることは
結局何を言いたかったのかわからなかったけど、どうやら
その子にとって一大事らしい。
私の手を必死に引っ張っ ....
湿った土を踏みしめて
森の奥へと道をゆけば
森の出来立ての酸素と
自分の使い果てた二酸化炭素は
ここで交換されてゆく
時折り光る木漏れ日を
泉のように手ですくい
そこに生まれる光と
....
鬼ツバメを頭に乗せた女が
口をつける勢いで話をする
ゲイのオトコの、Tシャツに透ける乳首だとか、
まぁそういった話で
あたしはその塗りたくった唇から
目を離さないで居る
と ....
この町が余りに寂しそうなので
一人遊びする 例えば
跳ね橋の上でドリアンが食べたい
皆に嫌われているので
誰も居ない明け方食べたい
橋のあっち側に好きな人がいるから
....
学校の校舎に
雨が流れてゆく
自然のままに
上から下へ
黙って教室から
外を眺める
雨は
流れるままに流れ
一日が終わる
自然は自然のままだから
自然がそうあるべきことが
正 ....
さくらがみたいのと
おまえは呟く
けれども
おまえの為に
こんな時期に
桜は咲いてくれないのです
ようちえんにいきたいの
とおまえは呟く
しかし幼稚園は日曜日に ....
灰色の日
カエルのせわしい声が
遠くからも近くからも
響いてくる
やりたいことをやろうか
やめようか
心が迷ってしまう日
銀色の日
車の通る小さな音が
遠くからも近くからも
大 ....
遠ざかる二段ロケットの軌道
静寂に浮かぶ銀のカプセル
どちらが動いているのか、は
もはや問題ではない
ただ、離れてゆく
{引用=
(お腹空いたかい、ラナ
(大丈夫、ピザを持ってき ....
街灯に照らされると
夜道に私の影が伸びた
どこまで歩いても
影は私についてくる
( どんな時も、ひとりじゃないよ )
立ち止まる 私をみつめ
黙った姿で影は{ルビ云 ....
眠れない夜を
いくつも乗り越えてきた
思い出と傷を抱えて
何度も足元をすくわれなかがら
それでも乗り越えてきた
救われることなんか
ちゃんと願えないくせに
夜明けが来ることに
涙が ....
昨日も
明日は見えなかった
けれど今日は見えた
だから
今日という日を必死で動いた
見えるところは全部
手の届くところ
走って行けるところ
体力が尽きるまで
今日を動いた
今日 ....
いつも一人で帰った通学路
部活でレギュラーにはなれなかったけれど
この道ではスーパープレイの連続で
この時ぼくはヒーローだった
いつも一人で帰った通学路
テストは平均点より少し下だったけ ....
この落ち葉を踏む感じがたまんないんだよなぁ
あなたは言った
私は
どちらかというとヒンヤリとした空気を
胸いっぱいに吸い込むのが好きだった
深まる秋の朝
そこここに澄ん ....
秋の夜に車を走らせる
いつもよりも何か
エンジンが優しい
まっすぐな道のその上には
星が散りばめられ
宇宙を走ってゆく
いつもりも何か
ハンドルが柔らかい
曲がる道のその上にも ....
見渡せば、{ルビ紅=あか}のパノラマ
岩肌の背を辿り
風紋の営みに耳を澄ませば
褐色の陰影、陽炎の揺らぎ
彷徨えば、蒼のカルデラ
火照った靴を脱ぎ
静寂の層流に{ルビ踝=くるぶし}を垂 ....
雨が上がったこの空に
漂う雲が笑ってた
遠い空へと鳥が舞う
水の溜まったこの道に
流れる風が笑ってた
広い大地に砂が舞う
薄の土手のこの川に
秋の紅葉が笑ってた
高い山へと色が ....
Ⅰ
小さな日だまり きらきらと
光のカーテン揺れている
小さな日だまり ゆらゆらと
そこだけ光の輪ができた
誰にも内緒教えない
あれは妖精の輪なんだよ
妖精たちが踊っている ....
わたしのくびれを
無数の星砂がくぐりぬけ
今か今かと
あの人からの着信を待つ
動脈に溜まり過ぎた
星砂で
浮腫んだ下半身は辛いから
壁際でくるり
倒立でもしてみる
静脈を辿る星砂の勢 ....
1 追憶の街
(そこを曲がると目的地だ。
(たくさんのヒヤシンスの花が僕たちを見ている。
(そう、あの青い塔のある丘まで競争だ。
(君の長い髪がそよかぜにのって
(春を歌っている ....
朝日とともに歩き出す
進まなければ進めない
何かを求めるわけではなく
求める何かがあるのだから
今日という日が近くなる
お昼になって立ち止まり
進んだ道と進む道が同じ距離
何かを見つ ....
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