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真夜中には出掛けましょう

「抜け出す」後ろめたさはありません

それを叱る人もいません

昼間グランドを駆け回っていた

少年少女は今頃健全な夢の中

グランドが闇に染まったら入 ....
            
            声を
              かけ て
            声が 睦み合う
            目ざめの息を
          ....
ミスキプロスの写真を
毎日見ている
王冠かぶって
笑顔で微笑む

胸の辺りまで
伸びた黒い髪
白いドレスで
皆を魅了する

島国の美人
オリーブを食べて
美しくなったのか
貴 ....
初夏の陽射しは 便りを運ぶ

宛名も消印も
差出人も
見当たらないけれど
懐かしさという
こころもとない手触りに
わたしは ゆっくり目を閉じて
紫陽花のさざなみに
いだかれる
 ....
世界のありったけの明かりに負けず
その人の背中越しに三日月が見えた

一瞬で長い腕がそれを遮る


活路を見出さなくてはね


しっとりした声で
それはそろりと湖底を撫でるよう ....
千代紙こうてくれへん?
匂い付きのやつやで。
嗅ぐと、鼻の奥んとこが、ジーンとなんねん。
何や懐かしいこと、思い出せそうで、思いだせへん
あわーい陶酔があんねん。
千代紙には。
何でやろ、 ....
どうやら朝を迎えたような気がする
朝の日差しに目覚める窓ひとつ無い部屋
暗闇に閉ざされたキューブとでも
例えられそうな この狭い部屋のなかで
確かに感じられるのは
未だ眠りから覚めぬあなたの ....
上履きを隠され
体操服をゴミ箱に捨てられ
授業中は、後ろの席のやつらに消しゴムを当てられた
小学校5年生のバイキンは
泣いているのか笑っているのかわからない
ふにゃふにゃで、げっそりした顔で ....
お前にそっくりな
ひよこ豆をゆでる

おまえにそっくりな
ちいちゃな鉤鼻と
これまたおまえにそっくりな
ちいちゃなおしりがついている

圧力釜なら早いが
ああ、
それはぜんぶお ....
放った言葉は
宇宙葬
想われた言葉は
さようなら

糸の切れた凧のように
僕は自由ですね

されど
日々は変わらず続き
空の色さえ失っていません

その普遍性に
安堵し
途 ....
ある晩
月の灯りをあびて
一匹のカエルが
言論の自由を主張した
そしてほんとうのことを言った

それはほんとうに
ほんとうのことだったのに
ほんとうに
ほんとうのことだったので

 ....
気になる
気にする

木になる
木にする

おなじ「キ」なのに、「木にする」はおかしい
何を木にするのだろう
あの人を木にすると魔法使い
ぼくが木になるとお友だち
知らない ....
テレビをつけると
いつの間にかスポーツニュースが始まっていて
きっといつか見ただろう中年の男が
神の立場で
野球をカミカミ語っていた
もうすっかり名前も
投手だったか野手だったかもわからな ....
私とあなたの間には 
いつも一枚の窓があり 
互いは違う顔でありながら 
窓には不思議と似た人の顔が映る 

私とあなたの間には 
いつも一輪の花の幻があり  * 
互いの間にみつめると ....
真昼の公園で木漏れ陽を浴びて 
癒える筈のない悲しみのことを考えていた 
ときおり吹き抜ける風はすこし熱を帯びて
客待ち顔のアイスクリーム売りの老婆の 
麦藁帽子を踊るように撫でてゆく 
 ....
ここ数日波がない
今朝も七時前に降りて
朝焼けをちょうど見逃したぐらいだったが
水平線は透明で
空も海もやさしい
海辺のディスコの
アフロのカマレラがモップかけてるが
その動作もやさしい ....
暗い人をみたら
いつも尊敬しなさい。
父さんはいつもそう言っていた。
南の島へライオンを助けにいったきり、
かえってこなかった父さん。

明るい人がぼくは好きだ。
明るい人はなんてすてき ....
クーラーの下
昼寝をして
我を忘れる
苦労を忘れる

一歩譲ったら
良い事があった
波の音
灯台の光

そっと目を閉じれば
体の芯が一本通る
無の世界
皆の幸せを祈る。
いつだって夏は長かった
測量を終えたばかりのヘルメット姿が
今年もだ、とかそんなことを言っていた
確認したがるのは何故だろう
何日と、何時間何分何秒
それを知ったところで
今日も君は
左 ....
それから、それから、
時代が吹き飛び
ビルが、街ごと飛んでゆくつよい風のなか
許しは君の笑み
涙は僕の頬を伝って
声にもならないけれど、
判るね?

忙しく、電話が鳴り
ファックスを ....
ぷかぷか波間で浮いているのが
一流のサーファーだと思っていた
金づちのわたしにとっては
それでも素敵すぎて
おなじようにぷかぷか浮いている
ボードの数を数えたりして
どれがあのひとなのか
 ....
あの子パジャマが大好きなのよ


みんなが言うわ
そうよパジャマが一番よ

そう言ってわたし
パジャマ抱き締め夜の空へ


パジャマジャマ
パジャマジャマ


みんなが ....
あくせくしてると
虹が出る

ものを思うと
消えてゆく
そして 落ちた 朝日から
恋文が 洗われる
落ちた 朝日は 父なので
娘の 洗いきれぬ 服などに
圧倒されつつ 奇形の涙を流し
落ちた 朝日なので
沈むと 月になる

だが 娘は 月を ....
5月の天空の傘は雨漏りばかり

途中下車してコインロッカーで

制服を脱ぐのも板についた頃

初夏の爽やかさを置き去りにして

入梅前の隙間を夏空が我が物顔で占拠中

教室の片 ....
包まれてたキャラメルが
ほそりと ついた雨に溶け

羽をぬらさず 輪を作る
水溜りの 空しか知らない
日暮に

欠けていく暖かな日溜りでも
分け入る 胸に くきりとついたなら
 ....
石垣に肩を預けて戯れは
我が身を石に初夏の景色に


それは‥

季節で言えば
今頃の
濃さを増す
木々の緑も鮮やかに

天気で言えば
曇天とも
雨天とも
言えるような
 ....
静かな その時眠りたくて
まばたきのように あなたから目を逸らした

溢れる 光に頬も緩み
輝く季節が いつも僕の味方をした

すべらせた手の愚かさを 知ったその瞬間から
千の笑顔がナイ ....
未来は 交信される 一通の メールである

幼き 少女よ お前の 魂は メールの先にある
鉄道である
鉄道から 薔薇が 咲く
それは それは 童話が 狂ったような 薔薇だ
幼き 少女よ お ....
いつまでも動かない
物欲しそうな顔に
デコピンをしてやると
驚いて次のページをめくる

晴れたり曇ったり
雨が降ってるのに晴れてる
洗濯物が干せない日
リビングの少し大きめのテーブルに ....
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