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白鳥のくび憂鬱な長さなり





          一九九五年一二月二六日
手袋を脱げばやさしき少女の手





          一九九五年一二月二六日
意地悪を言ひたくなるの冬の薔薇





          一九九五年一二月二六日
白月の珈琲冷まし冴ゆる夜 青空に鉄塔高くそびえたり


ワイン色の暁の空に酔いしれて


虹の橋渡って会いに行きたいな


星月夜君と二人でランデブー


首筋に冬のくちづけ雪の華


雨上がり君 ....
冬めきてラディゲ読む夜の重さかな

幻滅と悔い残してや恋の冬

この星に我ひとりなり冬の雨

黙々と落ち葉掻きやる白痴かな

吸ひ殻と誇り捨てたり枯れむぐら

老媼の叫び響くや空ッ ....
黒犬が冬連れて来る稲光


落武者とロボット深夜感電死


君緩めるなかれスピード!スピード!


落ちてゆく背骨を走る重低音


手裏剣の尖ったところで指を切る


海 ....
埋もれた実つつく鳥の背ゆく四月



三月を折りたたむたび曇の声



吐息から吐息へわたる二月かな



ざらざらと白さ一月うたいけり



紅い背を ....
E線の震え鳥肌一人の夜


水たまり鳩の屍骸の燃える音


朝焼けの重い銀色2号線


街路樹に木っ端微塵のメルセデス


これも毒あれもまた毒グミキャンディ


青 ....
大根や何をする気もおこらない 月の夜にディズニーランドなる廃宮


巨大なる鉄屑のなか秋の雨


湾岸の駅よりの景色死後のごと


あるじなき椅子の置かれし月の庭
ささやかな月見に添えて萩の花


追憶の星をかたどる紫苑かな


金木犀夕暮れ色の香り漂う


青空に背筋伸ばして吾木香


秋桜や乙女心にそっと揺れ


地に落ちて褪せ ....
父去りて夏去りて今日ほどく紐



熱を捨て陽は降り急ぐ石の丘



涼やかな花には寄らぬ鳥と虫



触れるほど水はすばやく風深く



誰ぞ置く錆びし{ルビ ....
空あおぎ覗き込まれる月夜かな



くりかえし夜を描き足す爪の蒼



水に浮く石を踏む道帰り道



目の生えた指が私になじみゆく



耳だけが曇と ....
鰯雲風に吹かれて空の旅


夜明け前流れ星を待っている


ひたひたと涙落つるる時雨かな


たそがれてあなたを想う空の色


星屑や宝石箱から零れ落ち


さようなら夕 ....
【Three Haikus about countless lovely bugs in the world】
【この世の愛すべき虫けらたちにおくる英語俳句】


On a rainy day ....
目のなかにちいさな音の遊ぶ夜



通りすぎまた通りすぎ唱は降る



手をかすめ消える笑みたち金のいろ



生と死を斜めに飾る毒の花



天と地の ....
夏逢瀬遠き漁り火指さして 月光に貫かれたる冬の恋 霧雨が運ぶは遠い音ばかり



我が水の薄さに萎える羽虫かな



触れるたび遠去かる音日々の音



ゆらぐ道ゆらぐ光の水の声



水もとめ{ルビ背=せ ....
ふたつみつ山のつらなる青田かな 人ひとりとどめてありぬ夏の山 {引用=茶事}


チューリップどくたあすとつぷさへぎられ


永遠に蝉の抜け殻さがす午後


誕生日なずなに今日をうばはれて


一大事つばきの花びらひとは落つ


 ....
夕立や子猫の腐る竹林

重き夜や夏に狂うて血のちぎり

うたも絵も美しくあれ夏の闇

病んでなほざくろの花は輝けり

筆先に落つる泪や花ざくろ

しづけさやプールに沈む我がいのち
 ....
短夜や障子に当たる虫の音

五月雨に降り籠めらるる小鴨かな

雨音も消ゆるやうなり花菖蒲

あぢさゐの花の重さや長き雨

梅雨の野を濡れて行きたし泣きながら

我は泣く汝は血を吐け ....
目のかたち光ではない光かな



澄むことを望めば遠い光かな



澱み澄み澱み澄むこそ光かな



白ひとつ午後に置き去る光かな



めざめては ....
石瀬琳々さんの俳句おすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白鳥- 渦巻二三 ...俳句606-12-8
手袋- 渦巻二三 ...俳句606-12-8
冬薔薇- 渦巻二三 ...俳句406-12-8
- A-29俳句4*06-12-7
空模様Ⅱ- 未有花俳句12*06-12-1
冬めきて- 三州生桑俳句7+06-11-27
ヘヴィメタリリック・2- 大覚アキ ...俳句506-11-24
ノート(二季)- 木立 悟俳句606-11-17
ヘヴィメタリリック- 大覚アキ ...俳句806-11-15
大根- A-29俳句5*06-11-13
廃宮- aruka俳句206-11-4
秋の花に寄せて- 未有花俳句6*06-10-27
ノート(風にあれ)- 木立 悟俳句9*06-10-18
帰り道- 木立 悟俳句406-10-9
空模様- 未有花俳句8*06-10-6
虫にかんする俳句3句- 山本 聖俳句2*06-10-4
宝石夜- 木立 悟俳句706-9-15
漁り火- A-29俳句206-8-18
月光- A-29俳句306-8-15
飛水記- 木立 悟俳句706-8-10
青田- A-29俳句206-8-9
夏の山- A-29俳句306-8-7
なつつゆめ- 本木はじ ...俳句806-8-6
夏に狂へる- 三州生桑俳句806-7-15
梅雨冷え- 三州生桑俳句506-6-22
光かな- 木立 悟俳句506-6-20

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