今日のお月様は偽物なのよ
だってあたし見ちゃったの
あれは二週間ほど前の事よ
まんまる綺麗なお月様が
次の日からちょっとずつ
真っ黒な鎌にちょっとずつ
ちょっとずつ削ぎ取られていったの
 ....
誰も聞いていなかったから
寂しいと叫んだ
叫んだあとで
どうして誰も聞いてくれないのと泣いた
どうしてと泣いていたら
君が聞こえないようにしているからだよと
私が言った
そうだったねって

私は笑った ....
瞳のおくの
まぶしさ
ぼくもいっしょに
落ちてゆく

はじめての感覚
あたたかくて
ここちいい体温

こんなに涙もろかった
溶かして
浄化する
新しい色がみえるよ
はいふんで つながれる今 大切と
 言ったぬけがら ばかをみる

舞台うえ のぼった先で 手が真っ赤
 鋼鉄ならばと 思うが無駄

心中に 関数式を溜め込んで
 今日も命題 解かずに ....
暑くなってきたこの時期

太陽の照らす眩しくて焦がされる処よりも

木陰が作る涼しくて癒される処が好き
ずっと約束してたのに急に会えなくなったあの日
「ばか」
君が僕に送った二文字のメール

次の日早朝に会いに行った僕のお待たせしましたに
「ほんとだよ」
少し間を置いて君が呟いた一言

 ....
額ぶちを
ばさりと
鳥が斜めに横ぎった
びくりと
骨ばった視線の止まる
瞬間

空腹も満腹も
傷口もかさぶたも
窓の光に
照らされる
額ぶちの向こうからの光に

もはやここし ....
僕は秋葉原の

メイド喫茶出入りしてる

テレビではダウナー系の

女性殺人容疑者が

毎日出てくる

もしくは不細工な

IT企業の社長を

そそのかしたアッパー系の
 ....
 その空間には慈悲深い静寂と
 時間が意思を持って寝息を立てた
 喉を鳴らす鳩の存在を確認する限り
 現在は早朝だろう
 運命だよと
 そう寝言を囁いたのは時間で
 ぼくはさながら飢えた草 ....
 一面緑の草原に囲まれていた、人気のない路上で私は
太っちょの男と一緒に、真っ白な車のボンネットを
ぐいぐい押している。それを車内から美しい娘が見ている。
心配そうとも申し訳なさそうとも、そして ....
おはようのメールで始って

今日も暑いねなんて返して

ご飯何食べた? パンと目玉焼き

一緒じゃんって嬉しくなってみたり



そろそろ8時学校の時間だ



 ....
りょう手で、ばんざーい。
きょうは、ばんざーい。
あしたも、ばんざーいであってほしい。
そんな気持ちで、(ゴー)って叫びたい。
うまくいくんだよ。
そんな、わるくなくない。
いいんだよ、う ....
私は 誰にでも良い顔をします。
私は 誰からも良く見える『人』を演じます。
私は 誰からも愛されていません。


それでもいい。
私は 愛されるような『人間』じゃないから。
嫌わないでく ....
           静まりかえった丘のひだ
   一年のうち最も紫外線が強いという水無月
         太陽は鮮やかなかげをつくる
                  昼下がり
のどかに ....
イカシテるよ
最高だよ

幾らした
何分かかった

イケテルって
言うのか

そうか
これからは
なるべくそう言うよ

綺麗な顔だな
傷一つない
ずいぶん器用に
ここま ....
この期に及んで何を思う?

することは壱つしかないのに
何を躊躇している?

ただキミはそれをすればいいだけじゃないか?
なぜ早くしないんだ?

みんながキミを急かす
キミもみんなに ....
しろいはな
ちいさなはな
おもいでのはな
きおくのはな
だれかとのやくそくのはな
おちてはくだけちるはなのざんぞう
ないてるきおくしかおもいだせない
ねぇあのころなんであんなかなしかった ....
Go!
Hitch!
Go!
名古屋で降りて
ラブホテル
非常に悪趣味な話だが、
自分の幸福を他人に自慢するのは、
何よりも甘美な体験だ。

人がうらやみ、くやしがる様を見るのは、
何よりも自分の心を満たしてくれる幸福の確認方法。

その結果、 ....
君と背中合わせ
君の背中は幸せ

僕の背中に君の背中が
ぴったりくっつき

君は寝息を立てて
ぐっすり寝ている

僕は息を潜めて
ひっそり起きている

表裏一体 ....
仮にぼくは明日を生きていないとして
今のぼくが生きるメリットはあるかい
仮にぼくは死ねない人間だとして
ぼくが生き続ける理由はあるかい

理由など何にもないんだって教えてよ
そしたら諦める ....
どろどろと、もがいている
ここから逃げたくて
どこかに行きたくて
どうにか生きたくて
けれどどうしていいかわからない
そんな状態は蛹に似ているのだと気付いた

いつか蝶になれる

世 ....
あの日には戻れはしないと知りつつも心は今も戻ろうとする 「神様 早く わたしを殺してください」

泣きながら そう祈ったら
頭がとても 透明になった
生と死の 両方の 入り口に立っているようで
物音ひとつしなかった
そのまま 
わたしは 薬物 ....
                 こうず  まさみ

里山を歩いていると
南の方から 登ってくる父子がいる
走っているのは 中学生だろうか
自転車に乗っているのは
父親である
自転車を漕 ....
頭がぶっ飛んでしまうくらいに
遥か世界を越えて
愛しさを知った

眩しい真っ青な暴風に巻き込まれ
未熟な翼を拡げたのはいつだっただろうか

今ここから見える
たとえば雲の向こうの光は鮮 ....
てのひらでさわるより

てのこうでさわったほうが

たぶん、まほうはながつづきするよ

なつかぜにひえたほほを

そっとなでてさ





ねえきみは

たとえばぼくが ....
さんざ酔っぱらって目がさめたら
三人でベッドに転がってたよ
どうやら3Pやっちまったよわはは

という話を
ともかくそういう話ができる男に話してみたが
(上記三名にその男は含まれない)
 ....
つつがなく終えた昨日に感謝を
叶わない夢を描いた未来に野望を
いたずらに時をくう今に安らぎを
果てしない空に限りを
白い雲でおおってしまう私を

限りある未来に絶望と
私が成した昨日まで ....
 真昼の田舎道に

 裸電球がひとつ

 ぽつんと灯っていた



 こんなところに

 こんなものをぶら下げた奴は誰だ!

 裸電球は

 太陽と競うようについてい ....
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