すべてのおすすめ
象の飼育係をやめて
バスの運転手になった
象の目は悲しげだ
と言うけれど
乗り降りする人たちも
体のどこか一部が悲しげだった
遠くに行きたかったのだろうか
数頭の象が停留所にいた
....
いまは 昔
若い 宣教師
その信仰
通称 ラット
忌み嫌われて
ヒト以下さ
どんなに愛を
説いたところで
....
お前の髪
蚕の繭だったらなあ
白くて細くてふわんとしてて
綺麗だろうなあ
俺はお前を紡ぐんだ
糸車を
カラカラ言わせて
それから織って
お前は美しいすべらかな生地になり
....
わたあめの 中の
といだ 蜜
くぼみに溶かされた
まつり
包めないから
カーテンていうきれぎれに
爪にしか渡れない
ささくれ の 先
夕暮れの 歩道橋
見えるはず ....
ソーダゼリーが好っきゃ
めっちゃ好っきゃ
でっかい青いソーダゼリーをな 用意してやな
裸になって 飛び込みたいんや
体の内側も外側もソーダゼリーで満たすんや
息も絶え絶えに溺れるねん
....
晴天
温かい日差しの中
何も考えずに歩いた
その日の深夜
五感を遮断して
何も感じないように
闇の中に潜んだ
あんなにも世界は明るかったっけ
あんなにも世界は温かかったっけ
....
コスモス揺らめくかの丘に
置き去りのままに鐘が鳴る
なにも言わず別れた日さえ風に鳴らされ
君は今は誰かと
夜に沈むのでしょう
明日は晴れです
君なしで始めた暮らしが
君な ....
だから僕が書きます。
僕が生まれた時
町の中に小さな森と小さな川があった
森も川も縮こまっていて/肩身が狭そうだった
本当は大自然の中に/町が点在しているはずなのに
子供が認識できる世界 ....
かみさま
できれば
いま
だきしめてほしいです
それができないのなら
ころしてください
おそらく有限であろう未知をたべること ....
?.
あなたを
あなたのすてきなところを
一日
大切にする
あなたを
あなたの汚れたところを
裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
三ヶ月の月日がたったら
僕を食べておくれ
きっとうまい具合に熟れて
おまえを喜ばすことができるだろう
何だって!食べたくないだって!
嘘を言うのじゃないさ
おまえはいつだって舌なめずりして ....
地球の誕生日は
お月様の誕生日は 何月何日なんだろう
約46億年前とか その一億年後とか
そういうのじゃなく
365日 誰かの誕生日
誰もがきっと楽しんでるけど
彼らはそんなの まるで ....
お母さんお母さん
お父さんが
仮面なとんとかーにいじめられてるよ
あ
今
まさしくんの
おとうさんがやられたよ
お母さんお母さん
....
小首をかしげて 鳥が
私の胸のあたりを
ついばむ
私は
驚きで声も出ない
鳥は
よくわからない
といった風情で
私の
腕をついばみ
ひょい、と脚に移って
ついばむ
小首を
....
金太郎飴を舐めんなよ
ヤツは世界最強だからな
金太郎じゃなくて金太郎飴がだぞ
どこを切られても平気な顔して
いつまでも若々しくて
最後の最後まで全力で生きている
歳を取れば取るほど誕生日が ....
会社
会社の顔を汚すなと
上司に言われた
僕に顔は
いらない
未来
40年後の
僕の顔
今のこころが作り出す
レジェ
....
おんなのこはバナナとイチゴがすき
まるみのおびたちいさなスプーンで
くりーむをたがいのはなのあたまにくっつけあうのです
つくりかたはバナナとイチゴをスプーンのうらでつぶしながら
ふにゃふにゃふ ....
このひとつぶに幸いあり
このひとつぶに不幸あり
不ぞろいに置いたそのつぶを
くちびるに含んで夢を見る
あのひとのくちづけを
あのひとのかんしょくを
私の恋はいまだ熟さない
....
見渡せば沢山の木々
沢山の丘を越えた その先の先
沢山の花が咲く 沢山の野辺がありました
昔はそこで わんわん子供らが
泣いて 笑って その傍らに
とりどりの花ゞが 楽しげに
風に歌っ ....
あめがやんだので
もう かさのはなしはおわった
それから
こいぬのなみだで
ちいさな こうちゃをいれた
+
ふたごのおとうと
くちぶえ ふいた
くちぶえふいて なきだした
....
ちらつかず
そ、と留まっている、あれは
振り払えぬ外灯を振り払わず
硝子に帯びたままの、あれは
蛾だよ
その在り処では
既にひとつの夏が締めくくられている
夏ではない今となっ ....
カミサマ カミサマ
あのー
人って死ぬとどうなるんでしょうか
全部なくなってしまうんでしょうか
生まれるまえと同じ感じでしょうか
それってちょっと酷過ぎやしません ....
遠くに来ている。雨が降ってきた。
ぼくは黒い綿のパーカーを羽織って
霧雨の中を行く。
ふと見ると、砂粒のような、でも
うるおいのある水の粒が
からだいっぱいについている。
ぼくは水の粒をい ....
こどものような
貴方の身体の
その場所だけ 大人
ちいさな
ふたりの引力が
つり合っている
静かな
力で
薄衣を剥ぐように
ふたりは
孤独に没頭する
求めること
与 ....
指先で爪
らしい
爪 らしく
きちり
、血のうずく)。不安定な水晶時計(、
の公転にはなじまないけれど
今日のような雨天では
暗雲にさらされて
爪を)紅くぬる
さっと泳ぐのは ....
雨の夜はささくれていくよ
言い訳なんかはごめんだ
頭蓋骨がきしり
水音は止まない断罪のようで
息が出来なくなるよ
雨垂れ
死体
仮装行列
そこを行くのはだぁれ?
「昔の彼女は、元気ですか?」
そんなこと、知ったこっちゃない。
僕は今、愛を持ってるんだ。
「昔の彼女は、元気ですか?」
君のコトなんか知らないし。
君の彼女のコトな ....
死んでいる私は 歩く速度より遅く自転車を漕いで 駅へ向かいます。
電車には先頭車両から乗り込み 進行方向とは逆方向へと車内を渡り歩き 車両から車両へと 逆らってみるのです。
見飽きた駅に着くと 最 ....
溢れるほど、満ち足りた言葉に、埋め尽くされて、
わたしは、天空を飛翔する鳥のように、
爽やかなひかりの音階の裾野に舞い降りる。
花々は寄り添い、一面を、湿潤な色香の帯を輝かせて、
痩せ ....
いらっしゃいませ
私は涙のアメ屋さん
このアメはいかがです?
悲しみの涙を集めました
しょっぱいけれど
スッキリしますよ?
このアメはいかがで ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14